[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

「猫にかつお節」を絵に描いたようなお店があります。
茨城県土浦市に４代続く削り節専門の「ムトウ削節店」です。



わあ、いい色の削り節。おっと違った、いい色のサビ猫さん！
名前は「あさり」ちゃんです。



あさりちゃんは、この店の４代目、有希博（ゆきひろ）さんの愛猫です。
この店は、豪華客船のバイオリン弾きだったひいおじいさまが、ひょんなことから始めたお店。有希博さんは子どもの頃、2代目のおじいちゃんおばあちゃんの営む店によく遊びに行っていたそうです。



「いい匂いにつられて猫が集まってくるんです。来る猫拒まずの家風で、ここに来れば猫たちと遊べて楽しかった」
上の写真のおじいちゃんのお膝にも白い猫。ピアノの上にも白い猫。



「覚えているのは、まいちゃんという猫。よくお店の出窓に乗ったりしてました」
おじいさまのあとをお母さまが次いで３代目に。有希博さんは料理店で働いていましたが、「長く続いたこの店を終わらせたくない」との思いから、店を手伝い始めます。
お母さまの急逝後、有希博さんは４代目となり、天然無添加の最良の商品を世界中に届けたいという思いを新たにします。
昨年6月、「猫を飼いたいな」と思い始めたときに、たまたま知人のインスタで目にとまったのが、「さびこ」という名の保護されたばかりの子猫。すぐ会いに行きました。
さびこは、美容室から車で自宅に帰ったお客様が、子猫の鳴き声がするので、ボンネットを開けて発見された子。駐車場で入り込んでいたらしいのです。危ういところで助かった命でした。



こうしてさびこは、ムトウ削節店の隠れ看板猫となりましたが、これがおてんばでおてんばで。
「パーカーのひもやら何でも、すぐに咬みちぎってしまうんです。ほら、僕の手も傷だらけ。甘噛みがスイッチが入ると本気嚙みになっちゃう」



「でも、ふとした時に甘えてくるのが可愛くてねえ」と、目尻を下げる有希博さんです。



そして、削節店にもらわれたからには役得の、削りたてかつお節のお味見があさりちゃんのお楽しみ。
「うちのかつお節は本当においしいわ。鹿児島の枕崎や指宿から仕入れてる天然無添加のほんまもんだもんね！」 では、あさりちゃんと商品を一緒にパチリ。



「ほら、あさり、いい顔して。いててて！」有希博さんの笑顔がこころなしかひきつっているのは、あさりちゃんが爪を喉元に立てているからみたいです（笑）。



「ふっくら？　そう、デブなんです。食いしん坊だからね」と有希博さんに言われてしまいました。



自宅飼いですので、ふだんは作業場やお店に出ることはない隠れ看板猫さんですが、
カギしっぽでバンバンお客さんを招いてね。



犬猫用の削り節も発売中。本節のジャーキーは他にないので、食いつきがよく、お通じもよくなったと大好評です。



「いいこと、猫もオトコもカツ節も、要は混じりけなしの味で勝負なのよ」と、あさりちゃんにしっかりと念を押された気がしました。

※ムトウ削節店
　茨城県土浦市川口1丁目11-28
　定休日=水曜・日曜　　11:00～17:00

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！