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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2026年02月03日

「心配クロちゃん」から「愛されコテツ」に

道ばた猫日初めてのお正月を幸せに迎えた保護猫シリーズ5回目は、この子です。

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黒猫コテツくん。推定年齢は6カ月くらいでしょうか。ピカピカの目をした愛らしい丸顔猫さんです。

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コテツくんが暮らしているのは、木更津市の珈琲豆焙煎所「yagi-coya」の2階自宅。
そう、今は天国で暮らすチャイくんやコタロウくんのおうちです。
チャイ亡き後のコタロウのもとに、1年前にやってきたのが、郊外のパン屋さんの前でご飯をねだっていたガリガリのノラ「アン」でした。
アンは、母性愛の強い子で、コタロウをいつもびちょびちょになるまで毛づくろいをしてやっていました。そのコタロウが病気で旅立ってしまい、店主のヒロコさん夫妻もアンもずっとさびしい思いを抱えて過ごしていました。
そんな時、私はふと「もしまた猫を迎える気になったら、おうち猫になるのを待ってる保護猫がいるから言ってね」と声を掛けたのです。
ヒロコさんの答えは「ダンナと相談します」で、「もらいます」の返事はすぐでした。
おうちを探していた子は、成田市の無農薬野菜直売所「かざぐるま」周辺で農家の尚子さんに保護された子です。

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たまたま、その黒い子猫が現れた日に、私は直売所に野菜を買いに行っていました。
まだ2か月くらいでしょうか。遠目にもぺちゃんこのお腹をして、ノラからかざぐるまの猫になった「ぶち」おじさんに駆け寄って、「違う、母さんじゃない」とばかりにしおしおと後ずさりしたりしていました。

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尚子さんがご飯を与えると、貪り食いました。黒い狐のような細面でした。
次の日、小雨が降る中を草むらで寝ていた子猫は無事、尚子さんによって捕獲。雨が降るのに雨宿りもしない子猫だったので、「心配クロちゃん」という名前が付けられ、獣医さんへ。猫エイズや白血病は陰性。尚子さんのもとで「真菌」(カビの一種)の根気強い通院治療が始まりました。その治療がようやく終わったときに、私はヒロコさんに声をかけたのでした。
尚子さん宅で他の保護猫たちと合宿時代のクロちゃんは、ご飯に出遅れたり、通院時など逃げ遅れてすぐ捕まったりする、素直でとんがったところが一つもない子でした。

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栄養状態がよくなり、狐顔から丸顔になった心配クロちゃんが、ヒロコさんのおうちへ向かったのは、12月9日。

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アンちゃんとご対面。

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お互いまったく敵意なしなので、思い切ってアンちゃんをクロちゃんのいるケージハウスに入れてみました。クロちゃん、アンちゃんのそばに寄り添います。アンちゃんは、見ないふり。
これは、もしかして相性バッチリ!

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「アンちゃん、ちょっと心配な子だけど、クロちゃんをよろしくね」と、尚子さん。
「アン、よかったね、新しい相棒だよ」と、ヒロコさん。

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「さあ、今日から、おまえはコテツだ」
ヒロコさんは、コテツというりりしい名前を用意していてくれました。
その後、ヒロコさんから、届く幸せ便り。

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アンちゃんとはすぐになじみました。お父さんにもすぐに捕まってお触りも抱っこもOKのコテツくん。仕事から疲れて帰ってくるお父さん、笑顔がとても増えたそうです。

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アンちゃんのグルーミングは、かなり念入り。逃げ遅れたコテツくんは、アンちゃんに羽交い絞めにあい、いつもべちょべちょにされるのだとか。

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かかりつけの獣医さんには「健康肥満児」と呼ばれてしまった、幸せ太りのコテツくん。好物のおやつは禁止中だけど、お正月は、お休みのお父さんをアンちゃんとふたりで、うんと癒してあげました。

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先週会いに行ったら、コテツくん、お子さま顔から少年顔になっていました。

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「私がもらったの、猫ですよね?」と、ヒロコさん。

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あ、もしかしたら、子熊がちょっと入っているかも。いや、宇宙人もちょっと入っているかも。
雨の中、草むらの上で寝ていた心配クロちゃんは、母さん猫にはぐれたか、人間に捨てられたかで、愛を失い、きっと呆然としていたのでしょう。
いま、アンちゃんからもお父さんからもお母さんからも逃げ遅れてすぐに捕まるのは、愛をたっぷり吸収したいから。そんな気がしました。



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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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