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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2019年12月17日

来てくれてありがとう

先週の土曜日、長屋家を訪ねると、居間ではこんな愛らしい白猫がごろんごろんしていました。

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あれ、先週の道ばた猫日記「6匹の『預かり猫』」でご紹介した、高澤家の白猫「三郎くん」とそっくりです。

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そう、長屋家の「こはく」くんは、高澤家の白猫三郎くんと灰色猫グーちゃんと同じく、隣の市の神社に段ボール箱で捨てられていた7匹きょうだいの1匹なのです。
市川市の美容室JAMで育ててもらって、ここに貰われてきました。

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高澤家の6匹のうち、5匹がJAMゆかりの保護猫たちでしたが、長屋家でも、3匹全員がJAMゆかりの保護猫たち。先住猫「バロン」くんと「ベル」ちゃんは、ノラ気質バリバリの母さんから生まれ、JAMで保護してもらってここにやってきました。

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キジ白のバロンくん。
7・5キロの巨漢なのに、「ピンポーン」と鳴るだけで、ダッシュで姿をくらますビビりさん。恐る恐る物陰から覗いています。

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黒猫のベルちゃん。バロンくんと兄妹ですが、お兄ちゃんと大違いで、お客さん大好きのおっとりさん。
ベルちゃんの後ろの壁に貼ってあるのは、長屋家の代々の猫さんたちの写真です。

長屋家のお父さんは新聞記者なので、転勤族。最初に迎えた猫は、まだ二人の娘たちが生まれてない頃、伊勢の工事現場にいついていたのを頼まれてもらってきた茶白の猫です。連れてきた人に「名前は?」と聞くと「まだない」というので、「そうせき」という名になりました。
そう、「吾輩は猫である」の出だしからとった名です。

そうせきくんがひとりでは寂しかろうと、ペットショップの「もらってください」の張り紙を見てもらってきたのがキジ猫の「ミルク」くん。
3匹目は、横浜に住んでいたころ、坂の上の車道を歩いていた目の潰れた三毛の子猫。志穂さんが緊急保護して、病院の診察台からころころ落ちていたので「コロ」という名に。貯金をはたいたおかげで、目は治りました。

20歳近くまで長生きしたそうせきくんとミルクくんのあとを継いで、20歳5か月まで生きたコロちゃん。
介護の日々を経て、2年前の春にコロちゃんを見送ったあと、志穂さんはものすごい喪失感にとらわれてしまいました。
猫のいない暮らし・・・・あの温かくてふわふわしてていつもそばにいたものが、なくなってしまった・・・。

「でも、すぐに迎えると、今までいた子たちを思い出す時間がなくなってしまうような気がしたんです」と、志穂さん。

長女の美乃里さんもそんなお母さんが心配でした。
「思い出話をするんですが、なんだか、重い空気が漂っているんです」

やっぱり、家の中に猫がいなくっちゃ! お父さんや、美乃里さんの妹さんも同じ気持ちだったことでしょう。

そして、その夏のはじめ、JAM美容室で保護されていた兄妹が迎えられました。20年半ぶりの子猫でした。

今年秋。志穂さんがJAM美容室に髪を切りに行くと、「3匹目にどうですか」と勧められていた白い子猫がポンと膝に乗ってきました。
すかさず店長が「ほら、ママが来たよ」と子猫に言うのです。

「神社の遺棄猫7匹のうち、最後まで美容室に残っていた子。前にも3匹飼っていたのだから、と迎えることにしました」と、志穂さん。

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この「こはく」くんが、なかなかのやんちゃ坊主。
先輩猫たちともっともっと遊んでほしいのに遊ばれたりなくて、ごろんごろん。

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でも、ノラ母さん譲りで警戒心バリバリのバロンお兄ちゃんは、天衣無縫のこはくくん登場で、つられて性格がだいぶとんがらなくなったそうです。

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ベルお姉ちゃんにもたっぷり可愛がってもらっているこはくくん。

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バロンくんとベルちゃん兄妹は、相変わらずの仲良しです。

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いまは、楽しく明るく、家族で見送った猫たちの思い出話ができるという長屋家。
「そうせきは、シマシマシッポを生き物みたいに動かして、幼かった私を遊ばせてくれました。だから、そうせきが死んだとき、シッポの骨は私が拾いました」と、美乃里さんは笑顔で教えてくれました。
「あたらしい猫を迎えると、前の子たちを忘れてしまうのかな、と思ったけれど、逆でした。また性格のまるで違う猫たちがやってきたことで、前の子たちの思い出が明るく鮮やかに甦ることが多くて」

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志穂さんも言います。
「今も、前の3匹を入れて6匹と暮らしている感覚なんです。6匹の猫に囲まれて、すごく幸せな人生と思います」
そして、母娘、声を合わせてこんな言葉を。

「みんな、うちに来てくれてありがとう」

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大学4年生の美乃里さんは、来春から、新聞記者になります。お父さんとは別の新聞社です。
「保護活動などの取材とかも、ぜひしたいです!」

美乃里さんの猫記事、楽しみだね、こはくくん!

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※お知らせ
星空が日本で一番美しい村として知られる長野県阿智村で、今月14日から来年の3月8日まで開催中の阿智村「ネコ展」。
ここでは村ぐるみで、「棄てられたり処分されたりする小さないのちをなくそう」という取り組みを続けています。趣旨に賛同して、コーナーで「寄りそう猫」写真展示をしています。お近くの方は、ぜひ!
場所・・・長野県下伊那郡阿智村智里 園原ビジターセンターははき木館(休館日火曜・12月28日~1月3日)



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

「バロン」

7.5キロ!!!(^_^;)

巨漢すぎや

ドラキーはアスリートで
3.8キロだがな

夏は鍛えすぎて3.5キロまで
落ちて医者にもう少し太らせても
と言われて、ようやく今の体重になったに(^_^;)


うちは先代が亡くなって1年たったら
次の主を迎い入れるパターンかな。

「こはく」

はゴロンゴロン好きだなあ。
だいたいこれやるネコは

やんちゃに間違いなし(^_^;)

バロンの抱っこ姿がないのは
巨漢すぎて重くて厳しいからか??(^_^;)

by ドラ猫マスター 2019-12-17 17:28

「来てくれてありがとう」
このタイトル見ただけで
涙がでてきちゃいました

命のバトンをつなぐ
優しさのバトン
ですよね

by さと 2019-12-17 17:37

バロン、7.5㎏(^_^;)
家のぽんちゃんより重い

それなのに素早いってうらやましい

前の三匹と一緒に六匹と暮らしてるって感覚
なんとなくわかります

私も時々前に飼ってた柴犬とぽんちゃんと
両方いるような気になるときありますから

みんな元気で何より

by ぽん子 2019-12-17 19:44

バロンくん、でっかい!ウチにいた小次郎でさえMAX6Kgだったので更にひとまわり位大きいのかな?やっぱり猫のいる暮らしは家の雰囲気が明るくなって良いですね。

by シーマン 2019-12-17 21:11

>ドラ猫マスターさん

バロンくんの抱っこ姿がなかったのはですね、お母さんが抱っこしたものの、ずり落ちて、そのまま2階に
トンズラなさったからなんです(笑)。

by 道ばた猫 2019-12-18 01:30

>さとさん

7匹もの仔猫を捨てた人はむごいですが、最初に保護した神社の神主様、連絡を受けて引き受けたJAM美容室ご夫妻、そして、家族に迎えてくれたおうちと、まさに愛のバトンタッチで救われました。

by 道ばた猫 2019-12-18 01:33

>ぽん子さん

そう、新しい猫を迎えるって、前の子を忘れることじゃないんですよね。同じく、一緒に愛してあげるkとなんだと思います。

by 道ばた猫 2019-12-18 01:36

>シーマンさん

そりゃあもう(笑)、あの柔らかさ、温かさ、いじらしさ、したたかさを知ったら、それがそばにない暮らしなんて・・・・。

by 道ばた猫 2019-12-18 01:38

わあーー!ごろんごろん、キュートで可愛い!!たまりません!もう、こはくくん、可愛いってわかっているでしょう?(笑)みんなも仲良くていいなぁ。気持ちが温かくなります。
「来てくれてありがとう」タイトルも本当に素敵です。
「名前は?」「まだない」そうせきくん、とはさすがですね!
ぽかぽか温かいご家族で今日も癒されました
(*^-^*)

by とも 2019-12-18 07:10

みんにゃ長生きできっと居心地良くてストレスレスな暮らしができるのかやにゃ~(^_^)
ウンウンわかる!
みんにゃ個性を持ってるから新しい猫さまと暮らしても以前暮らしてた猫さまの事は決して忘れないよん。
かえって多様性を感じて鮮やかに思い出すにゃん!

今回は志穂さんがこはくくんを抱っこしてる一枚。
こはくくんの志穂さんを見上げてる格好が猫さまの偉さ感満載。(笑)
お主、苦しゅう無いぞよ!みたいな。
志穂さんも下僕としてうれしそうだよね。
技術的には2枚目のこはくくんの写真。
真っ白なこはくくんのふわふわっとした毛がたまりません。
猫さまの毛の柔らかさが伝わってくる~(^_^)

ところで蛇足ですがバロンくんウチのりんこりんに似てます!
キジ白八割れ、鼻周りの泥棒髭模様やM字眉、そしてダイナマイトボディ(写真ではあまりはっきりとはわからないけどね?)と親近感わきまくり。_(^^;)ゞ

by 才蔵 2019-12-18 11:45

先住の猫ちゃん達、みんな長生きだったのですね。幸せですね。うちも来てくれてありがとうのにゃんこ3匹+今までありがとう!だったにゃんこ4匹の7匹と一緒ですよ。みんな忘れていないです。部屋のあちこちに想い出がいっぱいです。現在進行形で癒されています。

by ぺったんの母 2019-12-18 16:50

>ともさん

ひとつ屋根の下、縁あって仲良しきょうだいに、っていいですね~
こはく君は、最初女の子かと思っちゃったくらい、やさしいお顔でした。

by 道ばた猫 2019-12-19 02:33

>才蔵さん

バロンくん似のりんこりん。貫禄あるんでしょうねえ!
抱っこされたこはく君が見上げてるのは、長女の美乃里さんです。お母さんの志穂さんは、青い服の方。大学生二人みたいに若々しいですよね。

by 道ばた猫 2019-12-19 02:38

>ぺったんのお母さま

顔も性格もしぐさも匂いも体型も鳴き声も、みーんな違って愛しいのだから、忘れるはずないですよね!
会えなくなっても、今も一緒。

by 道ばた猫 2019-12-19 02:43

「また性格のまるで違う猫たちがやってきたことで、前の子たちの思い出が明るく鮮やかに甦ることが多くて」本当にそうなんです。
本当に本当に。もうそうだそうだ!って。
いつも、ここにきて、泣いて笑って。
今日は本当に久しぶりにコメントさせてもらいました。
佐竹さん、本当にいつもありがとうございます。

by じゅんこ 2019-12-19 20:46

>じゅんこさん

自分の気持ちを代弁してもらってるみたいに「そうだそうだ!」と思うことが多いのは、猫好き同士ならでは。喪う哀切も、思い出すいとしさも、「今」を共にする大切さも、みんなわかちあえますね~

by 道ばた猫 2019-12-21 14:01