[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。
道ばた猫日記
2012年02月28日
ゴールデン街の猫
新宿ゴールデン街のbarクラクラでの写真展があしたまでとなりました。通ううちに何匹もの路地猫さんたちと行き交いました。１０匹以上の猫さんがここの住民のようです。みんなけっこうふくふくしています。お店で飼っている猫も何匹かいるようですが、大体が自由猫で、面倒をみてもらう店が決まっているとか。
ゴールデン街の組合長をしているクラクラのマスターに聞くところでは、
「そりゃあ猫嫌いもなかにはいますよ。だけど、問題は起こらない。面倒を見てるひとが、餌や水はなるべく目に付かないところでやってるし、通路の掃除も気をつけてるから、うまくいってますよ。その角の店は、閉店しちゃったけど、ママさんが外猫たちに毎日餌を運んでるしね」。
この町で猫の写真展ができてよかったなあ！とつくづく思ったことでした。
今回の展示は、大震災まえとあとの道ばた猫たちを対比させ、「それでも生きていく」姿を撮ったものです。「人と猫がともに生きていく」という隠しテーマのこの展示に、どうしてもすべりこませたい１枚がありました。
１月３１日のこのブログ「それぞれの出発」で紹介した、公園ホームレスのＩさんがミーちゃんをいとおしそうに抱いている１枚です。去年５月から、公園を出て働いているＩさんに了解を得るため、久しぶりに連絡をとりました。トマトちゃんたちと別れたあとのＩさんのことはずっと気になっていました。自由生活１０年、うまく俗世間に溶け込めているでしょうか。
Ｉさんはすぐに写真の展示を快諾してくれたあと、「写真展、見にいくよ！」といってくれました。
再会の夜、なんと髭をそってこざっぱりとしたいい男（公園時代もいい男でしたが）になったＩさんは「これ、女房」と、なんともいい感じの女性を伴っていたのです！
その後に二人からきいた話は、まるでドラマのようでした。Ｓ子さんは、通勤の行き帰りにいつも、Ｉさんやトマトちゃん、ミーちゃん、ナスビちゃんたちの暮らす公園の川べりの道を通っていました。３匹のなかでも人懐こいミーちゃんがなついてきたので、猫に差し入れをするようになりました。Ｓ子さんもノラネコを見て見ぬふりはできないひとでした。そのころは、猫たちの「おとうちゃん」としかＩさんをみていなかったそうです。そのうち、猫たちを守るＩさんのことが気になりだし、「ふつうの生活に戻してあげたい」と思うようになったとか。
Ｉさんが公園を出て、アパートから仕事に通いだしたころ、Ｉさんが公園までこられないときは代わりに猫たちの面倒を見ました。Ｉさんとトマトちゃんたちとの別れのときは、Ｉさんを見ているのもつらかったそうです。
同じ魂をもったふたりが、結婚するのはごく自然の流れだったのかもしれません。猫に接する姿にお互いの本質を見抜きあったのかもしれません。
「トマトたちのことは、もうあれこれ考えない。幸せにくらしているのだから」と、Ｉさん。でも、ＩさんもＳ子さんも、私の送ったトマトちゃんたちの公園時代の写真を携帯の待ちうけ画面にしていました。Ｉさんが１０年も公園生活を送ったのは、猫たちを置いてはいけなかったためだと、きのうはじめて知りました。今の仕事は、肉体的にきついけど、週に６日休まず働いているそうです。トマトちゃんたちは、もう安心。今度はＩさんたちがしっかり幸せになる番です。
Ｉさん４７歳。１０歳年上のＳ子さんは、ときに母のようにやさしくおおらかで（Ｉさんは中学のときに両親をなくしたとか）、ときに恋する少女のようにハツラツと可愛く、見ているわたしもすっかりハッピー気分でした！
お二人は、がんばって働いて、いずれＳ子さんの故郷山口県に帰り、新しい仕事をみつけたいと言っていました。「そしたら、猫をいっぱい飼おうね」と。
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フェリシモ「猫部」は、通販フェリシモで猫好きさんが集まるコミュニティーです。「猫部®」はフェリシモの登録商標です。
Ｉさん、おめでとうございます！ どうぞお幸せに！
by もりゅこ 2012-02-28 20:03
気になっていたIさんがしあわせにくらしててよかった。
ご報告ありがとうございます。
by よーこ 2012-02-29 00:34
心がほっこり・・・
ウルウルしちゃいました。
by ぜんママ 2012-02-29 10:41
噂のＳ子です（笑）久々にトマトたちにあえて感激です。トマトの里親さんが、Ｉさんが猫の飼えるアパートが見つかりトマトをその時引き取りたいなら喜んで返しますよと言ってくださいました。
Ｉさんはもちろんそんなことは出来ないといっていましたが、猫をかわいがる人は皆さん優しいと感じました
私たちの夢は、縁側でたくさんの猫に囲まれた生活かな？
by きらら 2012-03-05 13:26