初めてのお正月を幸せに迎えた猫さんシリーズの4回めは、この子です。
外は寒い寒い冬の日。
ハンモックの中からお部屋を見下ろしているのは、推定8カ月の小金(こきん)ちゃん。
小金ちゃんは、初めてのお正月をこの暖かい広い居間で、有紀母さんやお父さん、お姉ちゃんたち、そして先輩猫たちと一緒に、にぎやかに迎えました。
小金ちゃんは昨秋、とある会社の敷地内に現れた幼顔のノラさんでした。譲渡先を探すべく保護されましたが、猫エイズと猫白血病のWキャリアであることが判明。保護主さん宅で先住と一緒にできず、ケージ暮らしののち、ご近所の有紀さん宅に迎えられました。
当ブログで書いた、有紀さんちに迎えられた「大福ちゃん」や「金ちゃん」のお話を覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
有紀さんが6年前からキャリアの子ばかり迎えるようになったいきさつは、この記事をお読みください。(→「
短命であっても仲間とふつうの家猫暮らしを」)
小金ちゃんを迎えた先輩は5匹。
ピアノの上にいるのは、一番古株のノブちゃん。白血病キャリアです。
2番目の古株、気のいい浜ちゃん。白血病キャリアです。
2年前にやってきたのが、おっとりさんなのに食べものが目の前にあると猫が変わる大福くん。ご近所さんで保護され、有紀さんが保護したノンキャリの子猫とのトレードでやってきたWキャリアの猫さんです。
去年の10月の当ブログに登場した金ちゃん(→「
新入りは、Wキャリアの元ボス」)は、ケージハウスの上から高みの見物。
そして、金ちゃんのすぐ後、小金ちゃんのひと月前にやってきたばかりのあんずちゃんは、年齢不詳(3~5歳?)の白血病キャリア猫。保護仲間のところから引っ越してきました。
つまり、有紀さんは去年だけで、金ちゃん、あんずちゃん、小金ちゃんと3匹のキャリアを迎えたというわけです。
エイズキャリアの子は寿命が短いとは限りませんが、白血病キャリアの子は短めで、有紀さんはこの6年間で3匹を見送っています。
小金ちゃんは、保護後は「小麦ちゃん」という名でしたが、有紀さんちにやってきたら金ちゃんにそっくりなので、「小金ちゃん」になりました。
来たばかりの時は人間が怖くて逃げ隠れしていた小金ちゃん。有紀さんがふと見ると、こんな情景が!
大きな金ちゃんの上に、浜ちゃんと小金ちゃんが乗っているではありませんか。
「穏やかな子ばかりで、どんな新入りが来てもいつも自然に受け入れ、新入りも自然に溶け込んでいますね」と、有紀さん。
まだちょっと知らない人は怖いけど、ここには隠れ場所がいっぱい。
小金ちゃんは、金ちゃんを慕っているようで、そばにいることが多いとか。
「でも、金ちゃんは、最近元ボスとは思えないほど丸くなってご隠居さんぽくって、小金ちゃんと一緒にいるとおじいちゃんと孫娘みたいなの」と有紀さんは笑います。
いやいや、おじいちゃんと孫娘はかわいそう。父娘だよね、金ちゃん。
小金ちゃんはまだ撫でさせてくれないので、人の手に慣れさせるための液状おやつタイムには、たちまち先輩たちが寄ってきてしまい、有紀さんの手はいくつあっても足りません。
きょうはみんなでかつお節パーティー。
あっ、食いしん坊の大福くんが、自分のお皿を食べ終わって金ちゃんの頭を押しのけようとしてる!
これも有紀さんちのいつもの平和な一コマなんです。
食べ終わって、仲良く陽だまりで毛づくろい。
「たとえ短命であろうとも、仲間と一緒にふつうの家猫暮らしを」という有紀さんの願いがここに毎日繰り広げられています。
情報共有が進んで、保護されてキャリアと分かった子たちが、同じ家で仲間同士のびのび暮らす保護システムが各町々で確立されたら素敵だなあと思います。
見送る周期が早めという覚悟さえあれば、ノンキャリアの子と何ら変わらず毎日笑ったり呆れたり、幸せな時間をいっぱいくれるキャリア猫たちですから。
Wキャリアの小金ちゃんの目は、いまを生きるキラキラした目です。
今度行ったときは、きっとかなりの甘えん坊になってそうな予感です。
また、幸せな後日談を書かせてね。
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

『
猫は奇跡』
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

『
いつもそばにいる猫』
描き下ろし猫スタンプが登場。猫たちがあなたのトークルームに寄り添います!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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