[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わっ！ずいぶんとお顔が大きく立派な猫さん。



雄猫と思いきや、まだ若いメス猫さんです。
名前は「菜七子」ちゃん。2年前の菜の花の咲く4月7日に生まれました。



茨城県の利根川沿いの米どころののどかな町で暮らしています。



この姿勢や目つきからもお分かりですね。そう、菜七子嬢は、とっても人見知りでシャイなのです。
でも、もっと輪をかけて人見知りでビビリなのが、菜七子ちゃんのお母さんの元ノラ三毛子さん。
三毛子さんは、家族以外の人にはぜったい姿を見せないとのことで、きょうもテレビの後ろで気配を消しています。
飼い主のちえみさんが見せてくれた写真では、美形の濃い三毛さん。菜七子ちゃんの胸のゴージャスな純白ショールや白ソックスは三毛子母さんとお揃いなのですね。



ちえみさん一家は、長いこと、犬を飼っていました。
いつも笑顔で家族の真ん中にいた、可愛い「いちご」ちゃん。



いちごちゃんが2020年夏に旅立った後、ちえみさんはすっかり笑顔を失い、落ち込んでいました。
そんなちえみさんを慰めるかのように、家に現れるようになったのが、ノラの三毛子さん。外暮らしでつらい思いをいっぱいしたのでしょう、人間に心を許さない警戒心バリバリの猫でしたが、少しずつちえみさんに心を開いていきます。いつしか、三毛子さんのお世話をすることで、ちえみさんはいちごちゃんを失った悲しみが和らいでいくのを感じていました。



そして、決意。三毛子さんを家に入れてあげよう。でも、ノラだった三毛子さんは手ごわい。
2022年2月になんとか三毛子さんを保護して家に入れたとき、すでに三毛子さんはお腹に赤ちゃんがいました。無事元気に生まれてきたのは、白黒の長毛さん1匹でした。
それが、菜七子ちゃん。三毛子さんは、それはそれは一人娘を可愛がって育てました。菜七子ちゃんはノラ経験がないので、家族みんなに慣れていて、いちごちゃんが戻ってきたみたいにみんなを和ませてくれます。



仲良しこよしの母娘。お母さんより図体がすっかり大きくなった今も、菜七子ちゃんはお母さんには頭が上がりません。キャットタワーの一番上の取り合いでは負けてしまいます。



「親分さん」と呼びたくなるような、貫録です。



が、とっても繊細な菜七子ちゃん。そのアンバランスが、なんとも魅惑的。



ちえみさんの友人のアーティスト、やのふらんしすかさんは、菜七子ちゃんをモデルに、絵や刺繍画、粘土立体などいろいろな作品を作っています。作品になると、菜七子ちゃんの存在感はさらにピカイチです。



こうして、三毛子さん菜七子ちゃん母娘は、ちえみさんに笑顔を取り戻してくれました。
ちえみさんは言います。
「三毛子たちがやってきてから、いいことばかりが続いています。夫は職場で昇格し、ずっと彼女がいなかった次男に猫好きの彼女ができました！　私はこうして取材に来てもらえたことが何よりのしあわせです」
まさに福猫・招き猫。
きっと、母子でおうち猫にしてもらった三毛子さんたちの恩返しですね。
三毛子母さんも、これからもっともっと人間に慣れていって、人間大好き母娘になってくれるでしょう。ずっとずっとしあわせに！

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
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『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


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