[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

先週、仕事で三重県まで出かけた際、奈良まで足を延ばしました。
目的は、べっちゃんに再会するためです。
10年前に会ったべっちゃんは、それはそれは麗しい猫さんでした。



奈良市内のギャラリー「あんず舎」さんの看板猫として、媚びのない凛としたたたずまいが人気でした。べっちゃんの瞳の美しさと言ったら。神秘的でずっと見つめられていたいほど。

ノラ生まれのべっちゃんのそれまでは、10年前の道ばた猫日記で書いています。当時1４歳でした。
https://nekobu.com/blog/2014/06/post-329.html
べっちゃんが撮影現場を通りかかったことで、モデルとなったJR西日本の2001年禁煙ポスター（一部）は、これです。



その後、テレビで紹介されたこともあって、各地からべっちゃんに会いにくるお客さんも増えたそうで、私も「奈良に行ったら、べっちゃんに会いたい！」と願うそのひとり。不思議な引力が、べっちゃんにはあったのです。
べっちゃんは、ミレニアム2000年の4月生まれ。この春で24歳ということになります。どんな歳の取り方をしているのでしょうか。ワクワクと、2年前に店を閉じたあんず舎さん自宅に向かいます。



おお、変わらぬ、美しい瞳が迎えてくれました。



佳き猫は佳く年を取る、のお手本のようなべっちゃんの今です。
看板猫を引退して、すこうしまろみが増したような、ロマンチックなまなざし。
看板猫時代の22年間は、展示してある器やガラスの間をすいすいと渡っていました。



「私は何度か作品を壊しましたが、べっちゃんは一度も」と、飼い主の弘子さんは笑います。
べっちゃんに会うのを楽しみしていたお客さんたちに惜しまれて閉店して2年。
現在のべっちゃんの毎日は、まさに「悠々自適」。



ずらり並んだブラシ類は、べっちゃんのお手入れ道具。毎日、弘子さんに毛並みのお手入れを念入りにしてもらいます。なので、しっとりつややかな毛並みをいまだに保持しているのです。



食事は、若い時から、ずっとこれ。



お気に入りの場所は、出窓の上。ベッドは屋根なしと屋根あり、二つあって、その時々で好きなほうへ。



介助は全く必要なし。べっちゃん、出窓まで、自分で段差をトントンと上ってきます。動作はゆっくりですが、足取りは確かです。目も耳も歯も、問題なし。



この「できることは自分でさせる。手は出さない」の見守り体制や、日々の対話が、べっちゃんのお達者の秘訣かもしれませんね。弘子さんがべっちゃんの自立を尊重し、しゅっちゅうやさしく話しかけているのが印象的でした。
「べっちゃん、行こうか」と、弘子さんが声を掛けました。



べっちゃん、ベッドから抜け出して、玄関にスタスタ向かいます。
そう、毎日の日課は、戸外でのマッサージとブラシング。



庭先の台の上で、全身マッサージと、ブラッシングをしてもらうのが、べっちゃんのお楽しみ時間なのです。



奈良に美猫あり、はまだまだ健在でした。
麗しのべっちゃん、いつまでもお達者でね。また会おうね。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！