[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

ある日、猫好きの友人から送られてきたカッコいい猫の写真。今時、こういう渋い風貌のオトコは珍しい。「マック氏」とありました。
なんでも、山麓のカフェの猫さんなのだとか。これは会いに行かねば。



春一番が関東に吹き荒れた翌朝、仕事が一段落したので、思い立ってランチの予約。
向かったのは、秩父山脈のふもと、埼玉県日高市です。武蔵横手駅の山寄りの小道を、小さな踏切を渡って進むと...。オーナーに抱かれたマック氏の姿がカフェのドアの内側に見えました。



あえて強風の薄曇りの日に来たのは、正解でした。広い店内とマック氏独り占め。
マック氏は、なんともう17歳。オーナーご夫妻の息子さんが勤めていた会社に迷い込み、会社で面倒を見てもらっていたそうです。寒い時はパソコンの「マック」の上で暖をとっていたので「マック」という名に。



暮れと正月に会社に残すのはしのびず、「正月休みだけ」と息子さんが連れ帰ってきたマックくん（この時はまだマックくん）。オーナーご夫妻も情が移り、そのまま、ここの猫になりました。
山のふもとで風格を増し、今では「マック氏」と呼ぶにぴったり。
かつて鉄人衣笠選手に取材したことがありましたが、その時に感銘を受けた柔らかな「風格」に通じるものがありました。彼に会いに来る地元ファンもたくさんいるそうです。



カフェには長らく大型犬もいたそうで、マック氏と仲良しだったとか。
2年前にやってきたポポちゃんとは、年齢差がありすぎて、「遊ぼう遊ぼう」攻勢にちょっとうんざりのマック氏。そこは紳士なので、軽く受け流しています。



本気を出せば、猫の方が強いんですけどね。しつこいときは、こんな風にたしなめる対応。



ランチ後、マック氏が庭の散歩に出かけるというので、一緒に外へ。
マック氏は、カフェの重いドアを、体当たりや頭突きで余裕に開けて外出（庭回り）しますが、さすがに外からはドアを手前に開けられず、帰宅時はたたずんでいるそうです。



お気に入りの切り株の上で、辺りを見回します。今日は風が強いけど、山村の山の寒さはもうどこかへ行ってしまいました。春です。



竹林の葉が揺れる音を聞きながら、しばし瞑想。



シャキッとした顔で、また歩き出すその足取りは、とても若々しい！　毎日の森林浴が健康の秘訣でしょうか。



ポポちゃんが散歩に合流してきましたが、素知らぬ顔のマック氏。でも、追い払わないのが紳士のやさしさです。



「また来てくださいね」と、物静かなお見送りも、シブイです。また、来ますとも。ずっとお達者でいてくださいね。

帰り道に立ち寄った飯能市の昔ながらの商店街では、写真館のウインドウに貼られていたこんな一枚のポスターに、なぜかぐっと胸打たれました。



オーナーに了解を得て撮らせていただきました。ここにも、寄り添って年を重ねてきた紳士と紳士犬がいました。

※カフェハチス
　埼玉県日高市横手446-1
　℡042-980-1038
（現在のところ、木～土曜11:00～17:00　完全予約制）

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