[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

牡丹（ぼたん）ちゃんは、もうすぐ1歳。



真っ黒な毛並みと、好奇心に満ちたアンバー（琥珀）色の瞳を持つ女の子です。
佐々木家の優しいパパとママに愛されて暮らしています。



今は、しあわせいっぱいの牡丹ちゃんですが、とある町の多頭飼育崩壊現場からレスキューされた子猫でした。
このブログで何回かご紹介している、千葉県内で社会福祉活動として猫たちの保護譲渡を続けているチーム「goens(ごえん）」が現場に入って保護。おうち探しを始めました。
譲渡会で牡丹ちゃんを見染めてくれたのが、パパとママでした。



おうちには、先住猫の葵くんがいました。
ノルウェージャンの若い雄猫です。



生後半年くらいのこんなフワフワ子猫のとき、ペットショップで一目ぼれされて、おうちに迎えられたのです。
ふたりがお仕事に出かけるとき、出窓から見送る姿があまりに寂しそうなので、きょうだいを迎えようと決めました。
「葵はペットショップでの出会いでしたが、その後、テレビなどで殺処分や保護活動などのことを知り、2匹目を迎えるなら保護猫と思っていました」と、おふたりは言います。

近くのショッピングセンターで開かれたgoensの譲渡会に出かけ、葵くんといちばん年齢が近かったのが、「くぅちゃん」の名で参加していた、生後半年の黒猫でした。
葵くんのいい妹になってくれるに違いありません。



ケージ越しのご対面。
葵くんは、気になって気になって仕方ありません。
1週間ほど、ケージのそばでじっと観察。手でちょいちょいしては、ケージの中から負けずにやり返されます。
この可愛い攻防は続きましたが、牡丹ちゃんという名になった妹がケージフリーになるや、あっという間に仲良くなりました。
「葵のほうが牡丹を好きで好きで。牡丹は人間のほうが好きで、最初あんまり葵に興味がなかったようですが、だんだん仲よし兄妹になってきました」と、うれしそうなパパ。



葵くんはオトナ食。牡丹ちゃんのほうはまだ半分お子様食。
なのに、気がつくと、取り換えっこして食べていたり。



最近では、窓辺でよく一緒に抱き合って寝ていたり、毛繕いしあっているそうです。



取材の時は、人見知りの葵くんは、ソファーの下。
牡丹ちゃんが、張り切って対応してくれました。



「葵お兄ちゃん、ソファーの下に潜っちゃって、どうしちゃったのかしら」と、時折、気にしながら。



おっとり優しい葵くん。
ちょっぴり気が強くて、好奇心旺盛な牡丹ちゃん。
兄妹の相性はバッチリでした。
仲よしゆえに、ときどきケンカも始めます。
「このケンカ、終わるのかなとハラハラするときもありますが、葵がいつも引き下がります。猫じゃらし遊びなどもすぐ妹に譲ってやるんです」と、パパ。
「体格では葵のほうが断然上なのに、気の強さでは牡丹に完全に負けてます」と、ママ。



おふたりに、2匹のチャームポイントをお聞きしました。
「葵は、まっピンクな鼻先と肉球の色」
「牡丹は、ぽんぽこりんな幼猫体形のお腹」とのこと。
もっと小さい時、ぽんぽこお腹が心配で獣医さんに連れて行ったら、「あ、これは、ただ太ってるだけですね」と言われてしまったそうな。



ママが作ったあみぐるみのおもちゃの数々にも、あたたかな愛情を注がれる牡丹ちゃんの幸せが伝わってきます。



そうそう、牡丹ちゃんの名前は、葵ちゃん同様、花の名から。
「葵」の花言葉は「高貴な」だそうですが、それに負けない名前を探して、同じく「高貴な」という花言葉を持つ「牡丹」にしたそうです。



過酷な子猫時代を過ごした牡丹ちゃん。
レスキューから預かりボランティア宅、譲渡会へとつないだ人々の連携で、今の家族と巡りあいました。
くぅちゃんという名も庶民的で可愛い名前でしたが、牡丹という名も、パパママの「ずっと大事にするよ」という思いがこもった、唯一無二感漂う素敵な名前。
これからもお兄ちゃんと仲良く元気に幸せな日々を！

---

「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！