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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2021年02月23日

手ごわい保護猫

先週ご紹介した、愛らしい3代目看板猫ギラちゃんがいる、柏市の「ペッツアイ」。
その店内にいた、もう1匹の子猫が今日の主人公です。

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わ、手ごわそう! でも、可愛い!

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「そうなんですよ。ギラのきょうだいなんですけどね・・・・」と、店長さん。
ということは、噂の「長毛のものすごい美人だけど、バッリバリのノラ母さん」の子ということ。
ギラちゃんメラちゃんとはずいぶん違うタイプのようですが。
店長さんは言います。
「ギラたちは、去年、まだちっちゃい時の保護できたから、人馴れもすぐだったけど、この子は、かなり大きくなった1月の終わりに地域のボランティアさんが捕獲器で保護したんです。この大きさになるまで母さんと一緒だったから、しっかりノラ教育されてしまって、全然心を開いてくれなくってね」

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店で引き受けるのは、馴化して譲渡しやすい原則2か月齢までなのですが、ギラのきょうだいということで、特別に申し出て引き受けたそうです。
が・・・・思った以上に手ごわかった!
なんせ、子猫の社会化期を過ぎてしまったため、噛みつく引っかく。

ペッツアイでは、ここ数年で、50匹以上保護子猫を預かって譲渡してきました。
捨て猫だけでなく、ギラちゃんたちの母さんが産んだ子も毎年やってきます。
なぜなら、母さん猫は、とっても頭がよくて警戒心が強くて、人間にも捕獲器にも絶対に近寄らないので、いまだ手術ができないのです。
怪しい罠には、我が子を差し向けるので、いつも子猫は保護できるのですが。
捕獲経験豊かなボランティアの方が、何度挑戦しても、立ち打ちできない母さん猫。

ペッツアイはお客さんの相談にとても親切に応じ、情報交換や親睦の場にもなっているので、犬猫好きの輪がいい感じでできています。
2か月以内で保護できた子猫は、店内で馴化して、いいおうちが次々と見つかります。

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ギラちゃんメラちゃんもそうでした。

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この子も、すぐにもらわれていきました。
その直後にやってきたのが、母さん猫薫陶の野生児チロルちゃん。(まだ男の子か女の子かも確認できず)
この仮の名は、ギラちゃんの飼い主であるスタッフの奈緒子さんの命名です。ドラゴンクエストに出てくるキラーパンサーというどう猛なモンスターが、勇者になついて「チロル」という名になったのだとか。

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毎年子猫がやってくるのはたまらん、と、店長さんがせんだって依頼した名うての捕獲名人もあえなく退散という、逞しいママと離れ、怖いやら心細いやらのチロル。
やってきて2週間たっても、イカ耳のシャアシャア猫として、完全隔離。
だけど、チュールの誘惑には・・・・。

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さらに、猫じゃらしの誘惑。やっぱりまだ子猫です。でも、触ろうとすると、シャアッ。

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じつは、チロルがやってきた頃、「子猫がいたら迎えたい」という声がかかっていました。数年前にここから保護子猫をもらってくれたご夫婦です。
会いにいらした時、奈緒さんはこう言ったそうです。
「しばらく待てば、もっと飼いやすい子がくるかもしれません」

先週の日曜に、そのご夫婦は再度会いにいらっしゃったのですが、保護されて2週間たっても、イカ耳で、とても「触れ合う」とは程遠いチロルちゃんに、ちょっとしょんぼり。
でも、気持ちは変わりませんでした。

それを見た店長と奈緒子さんは、決めました。
次のステージに進むしかない!
「猫で馴らす作戦」です。
噛まれひっかかれながらも、何とか捕まえて奈緒子さんのうちの保護部屋へ。

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先住猫のうち、面倒見の良いロメオくんと、好奇心いっぱいのギラちゃんが、すぐに部屋を訪問してきました。
奈緒子さんは、猫じゃらしをブンブンふって、ロメオやギラが楽しそうに遊ぶところを見せつけます。

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ロメオ君が遊ぶのを、棚の上からじっと見ているチロルちゃん。

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ギラちゃんも楽しそう。

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もう、チロルちゃんは、たまりません。
たまらず、棚から降りてきて、じゃれつき始めます。
あ、目が丸くなってる!
ロミオ君が近づくと、可愛い甘え声で鳴きました。

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2日もたつと、ごっろーんと転がりながら遊ぶように。
作戦はどんどん進みます。
「見える位置からゆっくり手を近づけて、ちょっと撫でることで、人の手は怖くないことを少しずつ覚えさせました。人の存在に慣れさせるため、仕事後にする資格の勉強をチロルの部屋でやりました。手を休めて、おもちゃで遊んでやったり、チュールをあげたりしながら」

そして、ご夫妻に伝えます。
生後4か月の子猫の時期の可愛さを堪能してほしいこと。どうせ馴らすなら、もう移動のストレスがない状態がいいのではと。
答えは、「すぐ引き取りに来ます」でした。

そして、おとといの日曜、チロルちゃんは、もらわれていきました。
1週間の滞在で、プロレスごっこをするまで仲良くなっていたチロルちゃんとギラちゃんは、きょうだいだったことを思い出したのでしょうか?

チロルちゃんも、きっとコロッと甘えん坊に変身することでしょう。
時間はもうちょっとかかるかもしれませんが、なつかない子が、おずおずと心を開き始めるいじらしさとうれしさは格別だということを、私も何回も経験しています。
「こんな大変な子猫は初めて」と言っていた店長さんや奈緒子さんの手の傷は(破傷風の予防注射をしているそうです)、チロルちゃんを幸せにした証です。

家猫になったチロルちゃんに、店長さんと奈緒子さんからのエールです。
「チロル、おめでとう! よかったな。元気に成長して、新しい家族のみんなを幸せにしてこい~」
「外で生まれて亡くなる子猫もたくさんいるなか、縁あってここにきて3週間。頑張って生きるチロルを毎日見てきたよ。、受け入れてくれるやさしい人にも出会えたキミは、きっと人とともに幸せになる猫だから、がんばれー」

半年後くらいに、甘えん坊になったチロルちゃんを、またご紹介できたらいいな、と考えています。
あとは、なんとか母さん猫の手術ですが、人間に心は開かなくても、地域のみなさんに大事にされているとのこと。いい町だと思います。




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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

イカ耳シャーシャーからのコロリで、遊ぶー、になるなんて、思いもよらなかったです。
それにしても、美人で、頭の良い母さん猫には驚きです。怪しい罠には子猫を差し出して、自分は、捕まらない。この賢さをなんとかしないと。地域猫として、可愛がってもらっていても、やはり、危険がいっぱいのノラ生活を子猫にさせたくないですよね。

by リコママ 2021-02-23 15:23

チロルちゃんがギラちゃんと兄弟であったとは。純粋なノラが心を開き、温和な表情に変わってゆく姿には、何時もほっとさせられます。店長さんや奈緒子さんの努力もさることながら、ギラちゃんとロメオくんの力も大きかったことでしょう。ノラ母さんの豹変が期待通りにならないのなら、これからもベッツアイに子猫たちを送り届け続けることになるのでしょうか⁈

by Y.M 2021-02-23 16:11

チロルちゃん、イカ耳の時はギラちゃんたちと全く違うタイプに見えましたが、おもちゃで遊ぶ姿は、そっくりですね。みんなおうちが決まってよかったですね。

by さび猫びいき 2021-02-23 17:44

謎のニャンコ、チロルちゃんを紹介して頂き有難うございます💕イカ耳でシャー子だけど、とても美人さん!流石ギラちゃんメラちゃんの兄弟(姉妹)ですね。優しいご家族といつまでも仲良く過ごしてね。超美人さんのお母さん猫の事も機会があったら是非!お姿拝見したいです。

by シーマン 2021-02-23 18:39

>>リコママさん

何とか知恵を絞って、時間をかけてママ猫を手術しないと、ですね。
ママが家ネコになるのは無理としても、ノラになって早死にする子猫を生み出すのはかわいそうです。

by 道ばた猫 2021-02-24 01:19

>Y.Mさん

保護猫を豹変させるのは、子猫のうちなら容易なんですけどね。
それでも、時間をかければ、ママだって必ず心を開いてくれるようになるはずと信じます。

by 道ばた猫 2021-02-24 01:22

>さび猫びいきさん

同じ兄弟でも、長毛と短毛が生まれる猫の世界は不思議ですね~
でも、やっぱり兄弟は、探せばどこか似ているものですね。

by 道ばた猫 2021-02-24 01:24

>シーマンさん

そうなんです! 私もどんなママ猫か知りたかったのですが、写真がありませんでした。
よっぽど警戒心の強い猫と思われます。

by 道ばた猫 2021-02-24 01:27

チロルちゃん、とっても可愛い!!温かいご夫婦のお家の子になってよかったですね。人間は怖くないって思ってくれているかな。
ものすごい美人のバリッバリのノラ母さん(見てみたい)、人間に心を開いて穏やかに暮らせるといいなぁ。猫は猫から人間との接し方や猫社会を学ぶことを佐竹さんのブログやテレビ等々たくさんみてきまして猫ってすごい!!といつもいつも感心しています。人間からはたくさんの愛情をもらって半年後の甘えん坊になったチロルちゃんを見たいです♪

by とも 2021-02-24 01:43

チロルちゃん良かったね!きっとすごい甘えん坊になるでしょう。ニンゲンもまんざらではないということわかってきたな?うちのちー子ファミリーも最初は大変でしたよ。イカ耳にシャーッ!!ちー子母さんにしっかり教育されていたりん吉、ゆいぽん。でもそこはさすがに子猫!ニンゲンの甘~い誘惑には勝てずだんだんとなついてくれ、今は私を母親と思ってくれてる(しもべかも)ちー子母さんは結局家庭内のらのまま猫生を終えましたが・・・私の後悔でもあります。チロルちゃんの半年後楽しみです。♡

by ぺったんの母 2021-02-24 10:21

>ともさん

はい、飼い主さんがOKしてくださったら、必ずチロルちゃんのその後をリポートしたいと思います”
ほんとに、猫って、いじらしくて、けなげで、凄い!

by 道ばた猫 2021-02-25 08:47

>ぺったんのお母さま

りん吉、ゆいぽんも、チロルも、みーんなお母さんの言うことをしっかり守って、小さな「ノラ」を貫いていたんですよね~。そして、自分で発見した。あれ、人間って、怖くないかも。ああ、可愛いなあ。

by 道ばた猫 2021-02-25 08:51

ギラちゃんメラちゃん♪
チロルちゃんもいい顔してますねー

バリバリの野良育ちですと・・・
メチャクチャ外に出たがりますよね~

「脱走には、ご注意ください」って
取り越し苦労かな?(笑)

by ミンディー 2021-02-25 15:44

ミンディーさん

元ノラさんは、「出せ~~」と言い続けるタイプと、「もう外なんてこりごり」と絶対に外に出ないタイプと、いろいろ知っていますが、チロルちゃんはどっちなんでしょうね。でも、脱走には、注意!ですね。

by 道ばた猫 2021-02-26 09:10

ペッツアイさんからのバトンタッチで
チロルの新しい母やらしてもらってます。
ひかりです。
このblogのコメント欄がある事に、気が付きませんでした。ずっと前に読んでいたのに…
チロル改め、しまという名前になりました。
我が家に来てもう少しで3ヶ月。
まだまだ、私達家族や先住猫に対して
過敏なところはありますが、元気に暮らしています。どちらかといえば、甘ったれになりました。
ビクビクしながらもゴロゴロ喉を鳴らして擦り寄ってきます(笑)

by ひかり 2021-05-17 19:32