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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

保護猫しあわせ物語

2020年01月11日

「保護猫しあわせ物語」Vol.38幸せになった4きょうだいのお話(その3)~「第39回 神戸猫ネット・フェリシモ猫部 譲渡会」より

みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.38は、「第39回 神戸猫ネット・フェリシモ猫部 譲渡会」で幸せになった4きょうだいの女の子「詩織ちゃん(保護時:リクちゃん)」のお話です。

詩織ちゃん(保護時:リクちゃん)は、一番臆病で控えめな茶白の唯一の女の子でした。
わちゃわちゃと賑やかなきょうだいの中で、詩織ちゃんだけがいつもマイペース。ご飯タイムにも気付かずにスヤスヤ寝ていたり、ボール遊びもみんなが飽きて投げ出した後にこっそりコロコロ転がしたりと、がっついているところが全然ありませんでした。おやつも横取りされてしまうので、詩織ちゃんだけはいつもガードしながらあげていました。

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小食な分、力も弱くてにゃんこプロレスではみんなに攻撃されても小さい悲鳴をあげながら耐えている不憫な場面も多くて、特に目が離せない子でした。
譲渡会までに人慣れをさせたかったのですが、抱っこどころか触られることも極度に嫌がるので、詩織ちゃんだけはあえてあんまり無理強いするような接触をしないように心がけました。

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もしかしたら、私が保護時に怖い思いをさせてしまったのかもしれない。やっぱり愛想のいい猫ちゃんの方が里親様が決まるだろうし、トライアルに行っても慣れないで帰ってくるかもしれない。このまま誰にも懐かない猫ちゃんに育ったらどうしようかな......。
正直、譲渡会では詩織ちゃんが一番の難関のように思えました。
ところが譲渡会当日、想定外のうれしい展開が待っていました。一人の女性が会場に着くなり一目散に4きょうだいのケージの前に立ち止まって「私、今日、リクちゃんに会いに来ました」と言ってくださったのです。その女性は、「神戸猫ネット」ブログの譲渡会参加予定の写真を見て、わざわざ加古川から来場してくださったのだとか。それは、その日一番の嬉しい出来事でした。
里親様はご結婚されてから女の子を産んだら「詩織」と名付けようという想いがずっとあったけれど、お子様はお二人共に息子さんだったようで、女の子の茶白の猫ちゃんを探すことが出来たら「詩織ちゃん」に決めていたのだそうです。
里親様のお宅には里親様とご主人様と息子さん、オスの先住猫ちゃんが2匹とわんちゃんが1匹いらっしゃる大家族とお聞きして、きょうだいにも遠慮がちの詩織ちゃんが先住さんたちとうまくいくのかと最初は不安でなりませんでした。里親様には詩織ちゃんの性格を正直にお伝えして、もしかしたら先住さんたちとソリが合わなかったり、全然懐かなかったりする可能性が大きいので、無理かなと感じたら気兼ねしないで教えて下さいとお願いしました。
トライアル開始直後から、里親様から詩織ちゃんの実況中継をいただき、情報を共有させていただきました。一日目、二日目と詩織ちゃんは食べない、飲まない、排泄もしないのないないづくし。ケージの中のトイレの砂の中にうずくまったままです。まずは詩織ちゃんが食べてうんちを出す。それだけをクリアしてほしくて悶々と情報交換しました。その間、里親様にはご飯の種類やハンモックの設置など随分工夫していただきました。

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三日目に突入した朝、待望の詩織ちゃんの初うんちの画像が里親様から届き、一緒に喜び一安心しました。
その日から里親さんから届く写真には、日増しにどんどん詩織ちゃんとお兄ちゃんたちの距離が縮まる様子がありました。

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あれよあれよと先住猫コンちゃんとしっぽくんが詩織ちゃんを迎えてくれて、詩織ちゃんもお兄ちゃんに甘えているようです。あれ? 詩織ちゃん、気のせいか随分な積極的な猫ちゃんに変貌しているみたいなんですけど......。
1週間も待たず里親様から「もう、3匹は大丈夫と確信しました。詩織ちゃんを家族にさせて下さい」と正式譲渡のご連絡をいただきました。
正式譲渡で加古川を再訪問させていただいた際は、久しぶりに会うのを楽しみにしていましたが、詩織ちゃんは私から手の届かないように隅っこに小さく隠れてしまいました。
どうやら「二度と神戸には帰らないからね」と詩織ちゃんの意思表示のようです。それ位に詩織ちゃんは居心地のいい場所を見つけることが出来たのでしょう。ちょっとだけ淋しかったけれど、それ以上に嬉しくもありました。
里親様から後に聞いた話によると、トライアル最初の頃は詩織ちゃんの様子に本当はへこたれそうになったそうです。だから、詩織ちゃんとコンちゃんとしっぽくんが仲良くなっていく過程を見ていると、3匹共がけなげで泣きそうだったと。

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その後もお兄ちゃんたちと一緒の詩織ちゃんの写真を里親様は沢山送ってくれます。
今は大変な甘えん坊のようで、抱っこをせがむ詩織ちゃんを里親さんはトイレまで抱いていくそうです。
その上、お兄ちゃんたちが優しいのをいいことに、ご飯のお皿に割り込んだり、上に跳び乗ってのわがまま放題の詩織ちゃんの様子を聞いて驚くばかりです。
本当にあの控えめな詩織ちゃんと同一猫ちゃんなのでしょうか? 今も不思議でたまりません。きっとお兄ちゃんたちの影響で詩織ちゃんの本来の性格が開花したということですね。
コンちゃん、しっぽくん、詩織ちゃんのお兄ちゃんになってくれてありがとう。いつまでも仲良くしてあげてね。

~幸せになった4きょうだいのお話(その4)へ続く~

(詩織ちゃん/5ヵ月 ペンネーム: にくきゅうーんより)



スタッフより

みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。

保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード(Before)と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード(After)の2つを盛り込んでお送りください。
ご応募いただいた作品はリサイズや加筆修正等させていただく場合がありますのでご了承ください。

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みにゃさまのコメント

ウニャ~♥
詩織ちゃん きゃわゆ~い♥
お鼻ピンク~✨
お目々キレ~イ✨
こ~んなカワユイ妹にゃら
コンちゃんしっぽくんの
(にゃんてイイお名前♪)
お兄ちゃんズは、うれしくて
たまんないだろニャ~♥
そのあったかい気持ちが、
詩織ちゃんに伝わって
三人そろってのご飯や
キャットタワーで戯れるの図は
見ているこちらも
幸せな気分に包まれるほど
見事にハッピーにゃのです~(^^)

by にあ 2020-01-14 00:13