[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさまと一緒につくる連載、「保護猫しあわせ物語」。
Vol.110は、しあわせのバトンを受け取って愛情いっぱいに暮らす「月」ちゃんのお話です。



もーちゃんとの出会い　～月ちゃんがお家に来るまで～
去年の夏、自販機に体をくっつけながら、こちらをジーっとみつめる野良猫と出会いました。娘と私は放っておけなくて根気よくアプローチを続け、野良猫は毎日家にご飯を食べに来るように。体の模様が黒と白の牛風だったので、「もーちゃん」と名付けました。
華奢な身体は薄汚れて、肩には傷を負っていたハチワレもーちゃん。でも、小さかった体は、数ヵ月の間に腹ポテにまでなってくれました。



もーちゃんは、いつも玄関を出ると必ずシャーでお出迎え。1メートル以内には近寄れなかったのですが、ご飯を食べ終わると、数十分ほど家の敷地で居眠りしていくようになり、庭に作ったトイレも使ってくれました。
ある日、肩の傷が心配で、意を決して捕獲を試みたのですが失敗。でも、その三日後には、またご飯を食べに来てくれて......。それが嬉しくて嬉しくて、外猫として、この子の一生をお世話しようと決めたのでした。

秋も深まり冬の気配を感じ始めた頃、夜の冷えこみと傷の悪化が心配で、やはり冬が始まる前に捕獲しようと再び決意。でも、決行予定日の1週間前に台風が来てしまい、その日以来、もーちゃんはパッタリと姿を見せなくなったのでした。

月との出会い
年が明けても、外に出ると必ず車の下、狭い通路、庭のトイレチェックはやめられなくなりました。来なくなったもーちゃんは、きっとどこかの優しい人に、冬を前に保護されたんだと思い込もうとする毎日......。ある日、お世話になった動物愛護協会が地域猫にご飯をあげている場所があって、「そこに行ってみよう」と娘が言い出しました。私は、あまり気がのらなかったけれど、「猫ちゃんと一緒に暮らしたい」と数年前から言い続ける娘におされて、夜の9時に地域猫のご飯場に出かけてみることにしました。
ご飯場では、数匹の猫ちゃんが、真冬の寒空の下に集まって、あちこちでご飯。もーちゃんの姿がなくて少しブルーになったけれど、どの猫ちゃんも愛らしくて......。みんな外でも元気でいてほしいなと、切ない気持ちになりました。
保護猫ボランティアの方が、里親待ちの猫ちゃんのことを教えてくれたので、娘と一緒に愛護協会のHPを見てみることに。そして、目力強力なハチワレちゃんを発見！！ 産み落とされてしばらくしてから親猫と共に保護された女の子で、お腹に回虫がいて、尿結石もあり、治療のためか、なかなか里親さんが見つからなかったらしいのです。早速、家族で施設へ会いに行ったら、とっても人懐こくて、訴えるような目をしていて、みんなその子にひと目惚れしちゃって――。



それが、月との出会いでした。

馴染むのが早すぎる月
お家での初日、ゲージに篭っていたのは2時間くらいでした。ほどなくお家探検が始まり、さんざん歩き回って、うんちもおしっこもして、ご飯もガッツリ。夜は一人でゲージの中で眠らせるのが心配で、結局私だけゲージの側で寝てしまいました。
２日目からは、ラグの上で家族と一緒に普通にくつろいだりして、「もしかして、ずっと前からいたかな？」って感じるほどに。家族が帰ってくると、ゴロンしてお出迎えする甘えん坊全開な毎日でした。



そして、3週間過ぎくらいから、月は「お帰りなさい」ゴロンはしなくなり、自ら1人の時間をつくるといったツンデレな猫らしい様子も見せてくれるようになりました。その月の変化に、もしかして、ここが自分のお家なんだとやっと思ってくれたのかなと、なんだか嬉しくなりました。



月が「ここは心地いいなぁ」って思ってくれたら、もーちゃんも、どこかでそう思ってくれているような、そんな気がしています。だから、月にこれからもいっぱい愛をあげようと思うのです。

（月／10ヵ月　ペンネーム: こだまさんより）

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スタッフより

みにゃさまからの、「保護猫しあわせ物語」を募集しています。

保護される前、または家に迎え入れる前のエピソード（Before）と、家に迎え入れた後しあわせに暮らしているエピソード（After）の2つを盛り込んでお送りください。
ご応募いただいた作品はリサイズや加筆修正等させていただく場合がありますのでご了承ください。

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