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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2019年07月02日

海辺の三毛子さん

先々週にご紹介した、猫たちの心強い味方・祐貴さん母子が暮らす房総の勝浦を訪れた帰り、小さな漁港に寄りました。
同じ勝浦市の浜行川(はまなめがわ)港です。
国道から漁港に下りて行って、海への突き当りに、「なめがわダイビング・サービス」の建物がありました。
夕刻なので、今日の営業はもう終わり。陽に灼けた船長さんとスタッフの方が後片付けをしています。

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建物の前のベンチで、潮風に吹かれながら、漁港を眺めているのは、器量よしの三毛猫さん。
「ミケちゃん」と、船長さんは目を細めて紹介してくれました。

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ミケちゃんこと「三毛子」さんの後ろにいるのは、息子のトラくんこと「虎男」くん。
トラちゃんは、シャイな甘えんぼう。呼んでも、ベンチの下からなかなか出てきてくれません。

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「チュールを見せたら、すぐ飛んできますよ」と、ダイビング・サービス・インストラクターのトムさんこと古賀さんが、わざわざ店からチュールを持ってきてくれました。
その通り、たちまち、チュールに釣られる母と子。

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ここには、三毛子さんと虎男君、そしてもう1匹、娘のチーちゃんことちびちゃんが親子3匹仲良く暮らしているそうです。
母子で面倒を見てもらってるなんて、なんて幸せなファミリーでしょう。
チーちゃんは、いちばん人見知りで、なかなか人前に姿を見せないのだとか。

「オーナーの家には、もう1匹、ミケちゃんの娘がいるんですよ。小さい時けがをしていたので保護されて、そのまま家猫になりました」と、トムさん。

このダイビング・サービスは、オーナーご夫妻が始めた店です。
奥さんのれいこさんが、2年前の8月に、前脚にケガをした、生後数週間くらいの子猫をこの浜で保護したことから、三毛子さんファミリーとダイビングサービスとの縁は始まりました。

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ミルクを3時間おきに与え、通院治療。
シッポがシマシマの茶トラの女の子は「シマエビ」と名づけられ、けがが治って元気になったら里親探しを始めるつもりでしたが、あまりの可愛さにそのままオーナー宅の猫になりました。

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ケガもすっかり治り、大きくなって、幼名「シマエビ」から、「シマ子」ちゃんに。
そして、れいこさんは知ります。
シマ子ちゃんの母さん猫や兄妹猫もこの浜にいることを。
母さんの三毛猫は、4年ほど前にここに捨てられた子だったことを。
元気になったシマ子ちゃんを店に連れて行った日は、母子4匹で仲良く遊ぶようにもなりました。

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じつは、れいこさんの旦那様は、そもそも猫嫌い。
シマ子ちゃんがやってきて、可愛がっていてくれますが、これ以上家に猫が増えるのは許してくれそうになりません。
(でも、猫好きれいこさんの野望は、猫屋敷!)

「雪の日も、嵐の日も、シマ子だけ安全な家の中。ごめんね、母さんも兄妹もどうにかしてあげたい」
そんな思いから、れいこさんは、人馴れしてなかった3匹を少しずつ少しずつ手なづけ、三毛子母さん、ちびちゃん、虎男くんの順に、無事避妊去勢手術も済ませました。

三毛子さんたち3匹は、ダイビング・サービスにねぐらも用意され、訪れる客たちにモフモフされる、看板猫としての穏やかな日々を過ごしています。
チュール持参のお客さんも多いのだとか。

帰りになってやっと、ビビりのチーちゃんがちらっと姿を見せてくれました。

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三毛子さんも、階段の下でお見送り。

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「チュール、待ってるからね~!」

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帰り際、トムさんが「海中公園近くの勝浦ダイビング・サービスにもカワイイ看板猫がいますよ」と教えてくれました。
青森りんごの箱入りで捨てられていたから、「青森くん」という名になって、やはりお客さんたちに可愛がられているそうな。

「青森くん」!
会いに行かずにはいられません。
小さなトンネルを抜けると、昔ながらの港が。
日没寸前セーフ!
青森くんにも会えました!

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俗化してないきれいな海と、猫と、やさしい人たち。
3拍子揃った海辺が、房総にはまだまだありました。

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><((゚> なめがわダイビングサービス <゚))><
 千葉県勝浦市浜行川166-2
 30分の体験ダイビングもあります。
れいこさんの「勝浦アウターのブログ」では、毎日の海情報の後に、
必ず猫たちが登場します。ฅ(ミ・ﻌ・ミ)ฅ


「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

可愛いねこさん達と優しい人達、綺麗な海。
本当に素敵な光景ですね。
これで猫をゴミと区別のつかない人間がいなくなれば言うことないですね。
最近、ちゃちゃことぽんずが、お腹にすり寄ってくるそうです。弟か妹の存在がわかっていたら嬉しいです。

by ふみちゃん 2019-07-02 16:11

三毛子さんファミリー、みんな美男美女ですね。
ずっと仲良く元気でね。

by さび猫びいき 2019-07-02 17:28

「三毛子」(^_^;)

そのまんまやん(^_^;)

でも
「おみこ」
も同じようなもんか(^_^;)

チュールww

それは最終兵器じゃんか
そう簡単に使っちゃダメねんよ(^_^;)
肉体が変化するだに。


漁港にネコ

やはりこれが一番ピッタリくるだな。

でも
チュールにネコ

こ、これは改名する必要に
迫られる恐れあり
取扱いは慎重に(^_^;)

by ドラ猫マスター 2019-07-02 17:39

今日もかわいい子が勢揃いですね

でもチュールあげすぎは危険です
家の子はスリムな野良子だったのに
家の父親がチュールで気に入られようとしてあげすぎた結果
現在6.5㎏のデブ猫になりました(^_^;)

そしてマフィンがぽん子に·····

ホントはぽんぽんなんですが
私はぽんちゃん
他の人はなぜかみんなぽん子と読んでます

もちろん今はチュール禁止令発布しました(^_^;)

by ぽん子 2019-07-02 19:53

家族で可愛がられて幸せな猫ちゃん達ですね。そして、てっきりリンゴくんという名前かと思いきや、まさかの青森くん!イケメンですね。また忘れられない名前の猫ちゃんを紹介して下さって有難うございます。

by シーマン 2019-07-02 20:13

三毛子さん、正統派(?)美猫ですね~。その母に似たトラちゃん、チーちゃんも。優しい人達に可愛がられて、幸せですね。猫には海がよく似合う。と、勝手に思っています。

それにしても、恐るべしちゅーる!うちは、月1回の病院での爪切りのご褒美として与えていますが、がっついて食ってます。皿ぴかぴかになるまで舐めてます(^-^; 普段ろくなもの食べさせてないみたいに…。

by さび茶風 2019-07-02 23:09

>ふみちゃんさん

この浜は、漁師さんにも猫好きとそうでない人といるそうですが、三毛子さんたちがおりこうさんなので、みんなに可愛がられているそうです。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:05

>さび猫びいきさん

猫の世界も、オス猫の方が母さん離れが遅いみたいです(笑)。
トラくんはたいてい三毛子さんのそばで、ちびちゃんはひとりで遠出パターンなのだとか。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:07

>ドラ猫マスターさん

浜辺の猫は新鮮なお魚があるから見向きもしないと思っていましたら、恐ろしやチュール!
たしかに、あれは、気を付けないと食感覚を麻痺させますから、ここぞというときでないと。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:12

三毛子さん、美人ですね♪虎男くんもチーちゃんも美形!家族みんなで飼われていいですね~。幸せですね(*^_^*)こういう海辺の猫と人間の暮らし、心がぽかぽかになりますね。青森くんもいいお顔!海と猫の風景って本当に素敵ですね~☆

by とも 2019-07-03 00:15

>ぽん子さん

チュール禁止令が出るほどに、ぽん子ちゃんは……。
ちなみにうちの子はチュール大嫌いですが、お腹たぽたぽです(笑)。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:15

>シーマンさん

れいこさんのブログには、はまぐりくんやら、こばしらくんやら、おにぎりくん(犬)やら、おもしろい名前がいっぱい出てきます。会ってみたい!

by 道ばた猫 2019-07-03 00:19

>さび茶風さん

たぶん、三毛子さんたちにチュールをお土産に持ってくるお客さんにとっては、それぞれその日が三毛子さんたちに会える「トクベツな日」なのでしょう(笑)。まあ、毎日でなければね。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:23

>ともさん

この浜でもう一つ心に残ったのは、皆さんでとても浜辺を大事にきれいにしていらしゃったことです。
猫たちも、その浜の住人という感じでした。

by 道ばた猫 2019-07-03 00:28

美猫の三毛子母さん、とっても目力があって子供たちをしっかりと守っている姿が、今は亡きちー子母さんがりん吉とゆいぽんを連れて我が家に来た頃を思い出させてくれました。子供を守ることって本当に大変なことですよね。三毛子さんファミリーもみんなの温かい愛情につつまれていて本当に良かったです。

by ぺったんの母 2019-07-03 10:18

幼名シマエビいいよねぇ!
ホントにシマエビみたいなきれいなシマ模様。
シマエビ→シマ子さん。なにやら出世魚みたいですね。ちと脱線しちゃいますけど...首都圏では最近鉄道の乗り入れが盛ん。昔の職場の上司は田園都市線沿線住民。この路線は田園都市線→新玉川線→半蔵門線と一本で名前が変化。上司は出世魚みたいだから出世路線と命名。サラリーマンにとっては縁起がいいと豪語してました。ホントは混み混みに長時間耐えなきゃいけない毎朝を嘆きたいのを強がってただけなんですけどね。(笑)

チュールのおかげ?で体型が変化してマフィンさん→ポン子さん。なんだかとっても愛しいです。私も会ってみたいです。(^ー^)
(ウチのりんこりんも超巨大化して困ってますので他人事とは思えないのです。)

三毛子さんのチュールを一心に見つめる目がいっちゃってますね。(((^_^;)
恐るべしチュール!
周りのみなさんに見守られて幸せな猫さまファミリーですね。こんな光景が全国どこでも当たり前の光景になって欲しいです。
周りの生き物に優しい地域、町、から国へ。
これは国の豊かさをはかるひとつの大きな指標だと思うのです。
生き物リテラシーとして、人間を含めたバランスのいい環境を実現するために教育が必要なのかも...と思う今日この頃です。

私の身近では青森のりんご畑で保護されたリンゴさんというサバシロさんがいます。
大阪在住の友人がSOSに応じて青森まで引き取りにいったんですよ。(私まで勝手にちと誇らしいのです。(^_^;))

by 才蔵 2019-07-03 14:23

>ぺったんのお母さま

ほんとうに外猫さんは、人間の本性を一目で見抜き、身一つで子供を守り抜く。
すごいです。かないません!

by 道ばた猫 2019-07-04 10:32

>才蔵さん

まったく同感です。せめて周りの人たちが、まず身近にいる猫の命を守るのがスタートと思います。
幼少時、とりあえず(笑)「チビ」という名をつけられて、その後「チビじゃなくなった」と正式名をつけられる猫さんはとても多いですね~

by 道ばた猫 2019-07-04 10:39

>皆さま

タマタマがあったような気がしたのは…・私の勘違いでした。
青森ちゃんは、女の子でした!
青森くんを、青森ちゃんに、訂正お詫びいたします。
れいこさん、お知らせいただき、あいがとうございました!

by 道ばた猫 2019-07-07 11:28