[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

　漁村の石段のわきでは、ファミリーだと一目瞭然の、よく似たキジトラ軍団が、陽だまりでひなたぼっこ。「きょうはあったかいね！」と声をかけると、ぽわ～んとした顔をいっせいにこっちに向けました。おやおや、陽気のせいで、よそ者への警戒心がまるでなくなっています。



　海辺の廃船の上では、ちょっと大きくなった息子が、子育てと潮風で毛並みがパサパサになっている母さん猫をなめてあげています。春の日差しがまぶしそう。
 

　コンクリート護岸の上で、毛づくろいしあっているのは、（たぶん）お兄ちゃんと弟です。時間をかけてのんびり、丁寧になめあえるのも、春だからこそ。

　下町の路地にも春はやってきました！　冬の夜は、路地の人の置いてくれた発砲スチロールハウスのなかで、寒さのあまりアンモナイトのようにギュッと丸まりあって寝ていた姿が切なくいじらしかったものですが、今夜は、くつろいでネオンを見上げているノラきょうだいです。
 


　２年前の３．１１以後、春がちょっと嫌いになりかかっていました。でも、こうして、春を迎えて体を伸ばし、しあわせそうにほどけた表情を見せる外猫たちに会うと、「春っていいな」と、素直に思えます。

　そう思わせてくれた、道ばたで懸命に生きている猫さんたち、ありがとう。

　春って、いいね！