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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2025年11月05日

お寺猫ウメちゃんとレンくん

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おもちゃをくわえ、楽しげに走り回っている子猫がいます。

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その様子をじっといているのは、よく似たキジトラさん。
お母さん猫でしょうか。いやいや、この子もまだ幼顔です。

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一緒に遊び始めました。大きいキジトラさんも遊びたいけど、小さいキジトラさんにそっと譲ります。

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ここは香取神宮に近い里にある珠宝山地蔵院の広い本堂。
境内には鎌倉時代の石の板碑がある、古い歴史を持つお寺です。

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大きいほうのキジトラさんは、まだ1歳前。春先に保護されたのですが、保護した方が高齢のため譲渡先を探し始めました。この夏、職場でその話を聞いて引き受けたのが、地蔵院住職の奥さま。猫を飼うのは初めてでした。
ウメの咲くころに保護されたので、ウメちゃん。奥様は、じつは猫アレルギーのような症状が出たらしいのですが、ウメちゃんが来て数日で治ってしまったのだとか。
ウメちゃんを引き受けるのと同じ頃、住職さまの知り合いのお寺から「庭で子猫を保護したけれど、寺にはもう3匹いるので、譲渡先を探さなくては」という話が。
「それで、ウメの遊び相手にいいかなと、引き受けました」と、なんとも懐の広い住職さま夫妻。

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それがこの子、レンくん。ウメちゃんよりやや長毛です。2日くらいで、2匹はじゃれあい始めたそうです。
「お盆の頃に生まれたのだろうと名前をボンにしようとしたら、娘がそれはかわいそうと言って蓮の花のレンと名付けました」と奥さまは笑います。

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ご住職に抱っこされると、その小ささがわかりますね!
やさしく思慮深くてシャイなウメちゃんと、天真爛漫でやんちゃなレンくんは、とってもいい兄妹になりそうですね!

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2匹はお寺の室内飼い、正真正銘の寺猫です。
奥さまはお勤めなので、日中、ごはんやら猫トイレの掃除やら遊び相手やら、猫たちのお世話をするのは、ご住職。それで、すっかりご住職っ子に。

「ちょっと面白くないですね(笑い)。私も同じくらいなついてほしくて、ときどき猫の寝る部屋のソファーで一緒に寝てます」と、奥さま。猫愛を競うご夫婦なのでした。

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「あっ、ご住職様、猫が木魚に爪を!」
「いいです、いいです」

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「仏具の中に飛び込んじゃいました!」
「いいですよ~」

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「ご本尊の足元をちょろちょろしてます!」
「いいんです、いいんです」

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普段は、本堂奥のお部屋で過ごし、本堂では夫妻の目の届くなかで自由にさせているのですが、寺猫として心得たもので、ふすまも障子も破らず、仏具や飾りを倒したこともないそうです。 「さすがに法事の時は本堂には立ち入り禁止ですよね」とお聞きしたら、「はい、法事のときはさすがに」と朗らかに笑うご住職でした。

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地蔵院のホームページの「ご挨拶」の初めに、住職さまはこう書いていらっしゃいます。
「本来お寺は敷居の高いものではなく、気軽に足を運ぶところ」だと。
そんな理念を受け継ぐお寺で、仏様の慈愛に見守られて遊び育つウメちゃんとレン君は、なんて幸せな子たちなのでしょう。

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お経を聞いて過ごすウメちゃんのたたずまいが、すでに仏性を帯びているように見えるのは、錯覚でしょうか。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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猫は奇跡
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

P9210072-2.jpg
猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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いつもそばにいる猫
描き下ろし猫スタンプが登場。猫たちがあなたのトークルームに寄り添います!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

どれだけいたずらしても「仏の顔は無制限」ですね。

by ムヨク 2025-11-05 14:50

本当に優しげで穏やかな猫さん達🐱
見ているだけで幸せになりますね🍀

by こはく 2025-11-05 20:40

ウメちゃんとレンちゃん お利口さんですね~
お寺の仔だと分かっているんですね。
檀家の皆さんにも、可愛がってもらってるんでしょうね。こんな優しい、住職さんの講話聞いてみたいなぁ…

by ちぃ 2025-11-05 21:30

お寺とキジトラ姉弟、絵になります。仏様も猫がお好きなのかもしれませんね。
「本来お寺は敷居の高いものではなく、気軽に足を運ぶところ」、本当にそうだと思います。
猫にも人にも優しい、仏様の教えですね。

by ヤンヤン 2025-11-06 07:32

流石に心の広いお寺さん、ウメちゃんレンくん、一緒になれてほんとうによかった。二匹並んでどっきょう

by Y,M 2025-11-06 12:40

二匹並んで読経出来る日も近いかも。平和で安全なお寺さんでこれからも幸せに。

by Y,M 2025-11-06 12:44

>ムヨクさん

そうか、「仏の顔も三度まで」ではなく、「無制限」なんですね!
仏さまも、可愛い猫たちにちょろちょろされて楽しいかも。

by 道ばた猫 2025-12-05 13:43

>こはくさん

御本尊さまも、ご住職ご夫婦も、
懐が大きく深いからこその子猫天国。いい光景でした!

by 道ばた猫 2025-12-05 13:44

>ちぃさん

「門前の小僧なんとやら」で、そのうち、お経を理解するかも、と思った2匹でした(笑)

by 道ばた猫 2025-12-05 13:46

>ヤンヤンさん

はい、絶対に仏さまは、猫がお好きと思います(笑)

by 道ばた猫 2025-12-05 13:48

>Y・Mさん

二匹並んで読経ですか!その図を想像してニヤニヤしてしまいました。

by 道ばた猫 2025-12-05 13:50