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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2025年10月14日

「NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道」さまの活動レポート(2024年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:北海道札幌市

いつも活動をご支援くださり、ありがとうございます。
今年の春も、とても残念なことに、多頭飼育崩壊の相談が舞い込みました。
4月上旬、北海道北斗市の地域包括支援センターからの連絡でした。支援中の認知症の方のおうちで、猫の面倒を見きれなくなり、保護できないだろうか、との相談でした。お話を伺えば、もともとお元気だった頃は、地域の餌やりさんだったという利用者さん。徐々に体も不自由になり、命への責任感からか、ご自宅に猫を入れてしまったようです。徐々に認知機能も衰え始めると、自身の身の回りも、猫の世話もできなくなっていきました。本人は「猫が増えてしまったからこんなふうに(部屋が汚く掃除ができない状態)なったんだ」と訪問した相談員に話をしていたようですが、掃除だけではなく、経済面でも影響が出ており、猫のご飯も買えなくなり、猫たちがお腹を空かせて人を見るとねだる様になっていったそうです。ヘルパーを手配しようにも、猫がいるために家に訪問をさせられず、当会に保護の相談となりました。
幸いにも、猫への愛情は厚かったようで、人馴れした子ばかりでした。4月16日、函館メンバー3人、伊達メンバー1人、代表副代表の6人で保護のため現地に入りましたが、13匹のうち1匹は間に合わず、冷たくなった状態で見つかりました。残り12匹は、家と外とを自由に出入りしながら、彼らのペースでのんびりと暮らしていたようです。

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江別市の獣医師、大門先生にも出張していただき、メディカルチェックと去勢避妊手術は函館で行いました。函館と札幌とで譲渡を進め、人馴れの猫たちばかりでしたので、里親もスムーズに見つかり、6月25日現在、残り3匹が里親探しの最中です。
当会では以前から行政や包括支援センターなどの高齢者支援機関との連携を密にしていたおかげで、今回もスムーズな対応が叶いました。
社会的弱者の方への支援制度は、人のことだけしか手を差し伸べることができません。たとえ利用者さんの衛生環境が悪化しようとも、ヘルパーさんたちは猫のトイレを片づけたりご飯を上げたり、撫でて体調を観察したりすることはできない決まりです。
当会が対応する保護現場では、とても多いケースです。連携を確立する以前は、この支援の手のはざまに取り残された動物たちの現状に怒りとも悲しみとも区別のつかない苦い思いを抱えて活動をしていました。私たちが行政側のシステムと判断基準を理解し、私たちができることを理解してもらう、そうやって歩み寄ることで、早くに救護できる今の体制は当会の代表が一番力を入れてきたことです。シェルターや預かりさんたちの受け入れ数に限界もありますが、この先も、支援の手が届かない、はざまでとり残される命が1つでも救われるよう、尽力しつづけていきたいと思います。

また、札幌市内ではTNR活動も行っています。新琴似地区の餌やりさんからの相談でした。オスと思っていた猫が6月に入り、子猫を連れ立ってくるようになった、というのです。子猫は保護をしケアが終わり次第譲渡会へ、母猫は避妊手術後リリースとしました。毎日丁寧に世話をしてくださる方がいらっしゃるところでは、来ている猫の変化にいち早く対応することができ、悲しい最期を迎える猫を増やさないで済みます。今後も自主活動している方の相談窓口として当会の知恵をお貸しできたらと思います。

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<ご支援くださっているみなさまへ>
ニャン友ねっとわーく北海道では、かねてから、保護動物専用の動物病院施設を自営したいと考えていました。保護動物専用とすることで、保護した環境に左右されず、速やかな加療が可能になるからです。
命を救う活動を協働してきた動物医療関係者の皆様のお力添えもあって、24年11月7日「ペットクリニックつなぐ」を開院しました。当会は3階保護シェルター&ラウンジ・事務局、4階保護シェルター&クリニック、と2フロアを活かした新しい体制を整え、動物福祉へ直接的に関わっていける体制へと前進しました。またこれに伴い、個人宅に大型保護シェルターを新設し規模を縮小することなく活動を続けています。クリニックは開院日を週2日とし、獣医師の先生2名で対応をしてくださいます。シェルターの猫はもちろんですが、正会員が保護する猫も価格を抑えて治療を提供することができるようになりました。
私達は譲渡の際、一定額の譲渡金をいただいていますが、その金額ではすべてのケア費用を賄えません。会や正会員自らがその費用を担って、里親を探しています。1匹でも多く保護と譲渡が叶うよう、費用削減もまた課題の一つでした。
クリニック内では猫と一緒にすることができない、例えば保護犬を預かるなど、会の保護機能は格段に向上しました。日常的なお世話と専門的なケアの双方を兼ね備えることで、「動物福祉の向上拠点」の目標に大きく近づくことができました。

保護した猫の多くは「家族の一員」だった子です。なにかしらのきっかけで心身ともに傷つき、人や外の世界を恐怖の対象とし、死と隣り合わせで生きてきた子が多いのです。健康で安全な暮らしをさせてやりたい、私達が目指す動物福祉の願いです。
皆様のご支援金は、保護猫のメディカルチェックや手術・治療費、飼育費に活用をさせていただきます。里親が見つかるまでの間、命を繋ぐお手伝いを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



「NPO法人ニャン友ねっとわーく北海道」
http://nyantomo.jp/
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