フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:長野県千曲市
2024年度の当会の飼い主のいない猫不妊化手術頭数は、219頭でした。
毎年200頭を越える手術を行っています。ここまで来れば、さすがに今年度は、200頭越えないだろうと思っていましたが。
10頭、8頭、11頭、10頭、20頭・・・。
3月から多頭繁殖のご相談が続きました。
それもほとんどが高齢者のエサやりが起因するケースでした。
自宅に来た飼い主のいない猫にエサをやったために、猫が居付き。メス猫が子猫を産み、またその子猫が子猫を産む。皆さんが今までは、病気や栄養失調、山間は獣に狙われるなど、猫が増えることは無かった。しかしなぜか今回は、皆育ってしまって・・・と仰います。生まれて半年の子猫が既に妊娠していた例もあり、その繁殖力に改めて驚かれるばかりでした。頭数が増えれば、手術の代金も工面しにくくなり、エサを与えても慣れない猫は、捕まえることもできないとお困りでした。

山間部の農家倉庫に集まる猫たち

高齢者宅に流れ着いた猫の一家
私たちに相談されたきっかけは、ご近所や、ご親戚からの紹介や勧めでした。ここのところSNSを使っての啓発活動に力を入れていましたが。やはりそれを利用されていない高齢者の方のところで、多頭になる傾向があります。

生活困窮の高齢者宅で繁殖している猫
当会も千曲市高齢福祉課から「高齢者の多頭飼育」について、ケアマネージャー講習会でお話をいただきたいと要望をいただきました。これまで市環境課に寄せられた苦情に対して対応してきましたが。福祉関係の皆さまともより連携を行い。早期対応に努めていきたいと感じています。
また当会が地域のことは地域で解決できるようにと、特に力をいれている地域猫活動の普及啓発と支援について、2年ぶりに新規の区と活動を行いました。
千曲市K区は、前段のように高齢者によるエサやり事例が多く、猫が繁殖し、糞尿被害のトラブル及び住民同士のトラブルが深刻化していました。当会も個人の方の繁殖抑制活動をご支援してきましたが、その後猫たちが地域で暮らすことへの理解をなかなか得ることができず、市環境課と共に役員の皆さまを訪ねて、過去市内で行ってきた地域猫活動の例とその後の改善例をお話ししました。働きかけにより、年度末のK区の総会にて、地域猫活動を行うことが決定しました。4月に住民の方々と共に、地域の猫の一斉手術を行いました。

K区での猫不妊化のための一時保護活動

K区住民による猫リリースの様子
今後は地域に認められた形で、住民に猫たちの管理を行っていただくことが可能になりました。千曲市内に猫と共存する地域が再び誕生した瞬間でした。
最後にこちらをお読みくださった皆さまに・・・
ロードキルに遭って命を落とした飼い主のいない猫が、どのように処分されるのかご存じでしょうか?
時には発見した方のご厚意で(自治体によっては、火葬料を押さえて、合同葬にしてくださるところもあるそうです)。時には、ご自分の敷地にこれも縁だから・・・と埋葬してくださる方もいらっしゃいます。
しかし大半は、公共ゴミと一緒に焼却処理場へ送られるということを、収集指定業者にお勤めの方が教えてくださいました。猫のお好きなこの方は、収集の度になんともやるせない気持ちになると仰っていました。
改めて、こういった不遇に命を落とす猫や、それに関わる方の悲しみが減っていくように活動を続けていきたいと思いました。
<ご支援くださっているみなさまへ>
任意団体から活動を行い、7年となります。
多頭繁殖、当事者が、高齢者や生活困窮者など、活動当初より難解なケースも出てきています。
これまで培ってきた経験や、つながりを大切にして対応しています。
猫の問題は、人に起因することを改めて感じています。
今後とも応援をお願いいたします。
「NPO法人千曲ねこの会」
https://www.chikumanekonokai.com