フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:長野県松本市
■広大なゴミ屋敷に50頭
2024年9月末 妹さんから、実家が多頭崩壊・ゴミ屋敷となっているので助けてほしいと連絡が入りました。
10月から様子を見に行くことになりました。
住居内に40頭いて、20頭ほどは8年ほど前から自分で病院に連れていき不妊手術をしたが追い付かないという本人談
月に1匹のペースで手術していても他の子たちが何匹も産んでいれば増える一方
どうにかしたいとしいう思いはあっても、ゴミ屋敷になってしまったところに人を入れるのもはばかれる。

ゴミ屋敷の中
まだ、床が見える部屋に何とか捕獲器を仕掛ける

ゴミ屋敷の中の洗面台付近の写真
どこもこのくらい足の踏み場が無い
そうやって、悩んでいるうちに増えてしまった50頭
本人の中では、40頭しかいないと信じていたけど、捕まえてみると、思っていたよりも多い。
本人が病院に連れて行き手術した子は耳カットしていないため、本人に確認してもらいながら、金曜日のオペに向けて木曜日に捕獲作業を開始。
広大な屋敷内のどこにいるか全くわからない状態。
2階から上は足の踏み場はなく、その上を飛んで逃げる猫たち
捕獲器を仕掛ける場所を作るのに一苦労
4週間かけて27頭の不妊手術をしました。
初めて入った日に、新聞紙が山積みになっている下の隙間で3匹の子猫を出産しているのを発見。
その後、その子たちの親が育児放棄したため、3匹は本人がミルクで育てることになりました。
20頭は自分で手術。27頭を捕獲して手術。頭の子猫の出産。総数50頭
その他にまだ捕まっていない猫が5匹くらいはいるとのこと。
ただ、部屋の戸が閉まらず、猫たちを把握確認する手段がないため、11月は、本人に捕獲作業を続けてもらいながら、ごみの片づけを業者さんにしてもらうことになりました。
ゴミが片付いて、部屋の戸が閉まるようになったら、再度、猫たちを2部屋に追い込む作業をして、全部で何頭いるのか、手術が終わっていない子が何頭残っているのかの確認作業に入る予定だったのですが、片づけに手間取って、現在も細々と捕獲作業を続けている状態。
50頭と聞くと、手術代は払えるのだろうかという不安がよぎります。
けれど、みなさまからのご支援のおかげで、すぐにとりかかろうという意識に変わってきます。
支援して頂くことがどれだけ猫たちを救っているかと思うと感謝しかありません。
■市の保健所から、年配の方が17頭飼っているが不妊手術をしていないので同行してほしいとの依頼
12月に入ってからの相談
2月の発情前に終わらせてしまいたいという思いから、保健所と同行して様子を見に行くという最初の日に、捕獲器とミニケージを車に乗せ向かいました。
家の中もきれいで、不妊手術をしてしまえば大丈夫かなという印象でした。
家の中の一部屋に8匹
トイレはあるけれど、砂の代わりにペットシーツが1枚
ペットシーツは、おしっこをしたときに掻いて片隅に追いやられ、トイレの中にそのままおしっこがたまっていて、足について濡れた状態で部屋の中を歩き回るので、床はべたべたとおしっこの跡。
本人も気になっているけれど、トイレにお金をかけたくない
どうしていいかわからないとのこと。
とりあえず、猫8匹を捕まえて持ち帰りました。
その方がトイレ掃除を続けていけるように、ここにはシステムトイレを用意してみました。
その後、1週間やってみて、これなら続けられるというので、システムトイレの砂を買い足すことも納得してもらいました。

サンルームの様子
サンルームのような形の猫が住める場所は提供してくれて、庭にはちゃんとトイレ用の砂場も用意してありました。
3カ月ほどの子猫が2匹
それ以外の子猫たちはみんな死んでしまったとのこと
その2匹も、風邪の状態がひどく、めやにでほとんど目が開いていない状態。
体重も軽すぎて、栄養が足りていないので、この2匹は保護することになりました。
すべて捕まえるのに1週間ほどかかりました。
1匹の長毛の子が口の中に大きな穴が開いていて、先生に縫合してもらいました。その子は長毛のため、毛玉で甲羅のようになっている箇所が何ヶ所かあり、ぼろぼろの状態。体もやせ細っていて、外にリリースすることは難しく、この子も保護することになりました。
人懐こいのでからだの状態がよくなって新しい里親さんを見つけられたらいいなと思っています。

長毛の子は甲羅のような毛玉があちこち。
口の中にも大きな穴が開いていて、縫合手術をしてもらいました。
サンルームの中は暖房が無く、雨風しのげるだけですが、リリースした猫たちは、元気よく雪の中を走り回っていました。

リリースした日は雪の残る地面
松本市の中でも高台でかなり寒い場所
人懐こい子でこの子だけ首輪をしていた。
<ご支援くださっているみなさまへ>
日々活動を続けていけるのは、ご支援があってこそなのです。
毎日毎日、相談が後を絶たず、助けられない猫たちの数は、まだまだ多いです。
それでも、目の前に来た子は何とか助けたい。
多頭飼育でオペ代を分割で支払ってもらっても、その子たちにかかった治療費まで請求できないことも多々あります。
でも、目の前に怪我している子がいたら、治療を必要としている子がいたら、先生にお願いして助けてあげたい。
その治療費はもらえないかもしれない。だけど、そのあと、生きていくために治療してあげたい。
その費用は、ほぼ寄付金や支援金で賄われています。
野生動物に両腰嚙まれて、3回に分けて手術をした子。
尻尾がちぎれて断尾しなければならない子
交通事故で断脚した子
こんな子達の治療ができるのも、基金からのご支援のおかげです。
今年は例年以上に保護した猫の数も多く、治療の必要な子も多かった年でした。
それでも、やってこれたのは、基金のおかげと本当に感謝しています。
「一般社団法人もふもふ堂」
http://www.mofumofudou.com/