先週の水曜日。
こんな愛らしい子猫に会いました。
まだキトンブルーの目をした墨色の子です。
やっとお母さんのおっぱいから離れたくらいの、生後50日くらいのいたいけな男の子。
ここは、成田市の郊外にある有機農家さんたちの共同出荷所そばにある販売所「かざぐるま」です。
そう、今年2月31日の当ブログ「
農場のチャーリーちゃん」でご紹介したチャーリーちゃんがいる、有機農家さんたちの共同出荷場の直売所です。
夏毛でスレンダーになったチャーリーちゃん。「今日も暑かった~」と、伸びてます。
チャーリーちゃん、子猫の存在にはもちろん気付いているのですが、知らん顔。
最初の顔合わせでシャ~をお見舞いしてからは知らん顔。だって、ここはチャーリーちゃんの縄張りですからね。最初はみんな、こんなもんです。そのうち、いつのまにか面倒を見始めるのが、たいていのケースです。
ところで、子猫くん、キミはどこから来たの?
子猫をここに連れてきたのは、有機農家さんの尚子さん。
尚子さんは、路上でカラスにつつかれていた子猫つなちゃんを保護して、一緒に暮らしています。
その日の作業を終えた尚子さんが販売所にやってきて、ことの顛末を話してくれました。
直売所の販売当番をしていた、前日の火曜日のこと。
近くの個人商店のご主人が、「裏で子猫が朝から絶叫している。ちょっと見に来てくれないか」という相談が。そのお店は、クリーニング業という商売柄、猫を店や家に入れることができません。
見に行った尚子さんは、ほおっておけず、子猫を直売所に連れ帰りました。
酷暑や大雨の後の農作業で忙しい日々、「えらいこっちゃ」と思いながら。
ひとりぼっちで、よっぽど怖くてさびしかったのか、子猫は甘えまくり。
ここら辺にノラの母猫の心当たりはないので、どこかから運ばれて捨てられたのかもしれません。
事務所住まいのチャーリーちゃんが子猫に拒絶反応だったため、とりあえず、尚子さんは自宅に連れ帰りました。
ところが、自宅で迎えたつなちゃんも、子猫の鳴き声に激しい拒否。
ナーバスな行動を見せたため、自宅に置いておけず、翌水曜は、子猫と一緒に共同出荷所に出勤。収穫や出荷の作業中は事務所のスタッフや、販売所で面倒を見てもらいながら、一日を終えたところなのでした。
作業の合間に獣医さんに連れて行ったところ、体重580グラムの健康体。猫エイズも白血病もマイナスで、ひと安心。
スイカに比べると、その小ささがよくわかる子猫ちゃん。
でもビビったり隠れたりせず、人のそばから離れない、賢い扱いやすい子です。
下腹にちょこっと白い毛があるのが、ご愛敬です。
お客さんに抱っこされても、まったく人見知りなし。
よく食べ、トイレもばっちりです。
譲渡先募集中のため、名前は付けていません。
預かり申し出や問い合わせはあったそうですが、今日現在、まだおうちは決まっていません。
尚子さんや農家仲間の願い通り、一生大事にしてくれるいいおうちが見つかりますように!!
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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