[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

くりちゃんは、のどかな農村にある旧家の農家さんで、完全室内飼いで暮らしています。



10月に3歳を迎える、ピカピカの目をした可愛い雄猫さんです。



なんで僕に会いに来たの～って、不思議そうな目でまじまじ見つめられました。

それは、こういうわけなんです。
もうすぐ夏休みという時に、カフェmagataさんの前庭で、こんがり小気味よく日に灼けた龍（りょう）くんに出会ったからでした。6月14日の道ばた猫日記でご紹介したくぅちゃんのいるカフェです。



龍くんは、くぅちゃんと大の仲良しのようで、ずっと遊んでやっていました。「これはかなりの猫好き男子！」とうならせる触り方でした。陸上選手をやっているご近所の中学2年生ということで、「うちにも、くりという猫がいる」と聞き、「くりちゃん、いつか取材させて」と頼んでみたら「いいよ！」と、すぐにおうちの方に了解をとってくれたのでした。
それで、夏休みに入った先週土曜日、会いに行ったのです。



くりちゃんと、龍くん。
そして、高校1年生のお兄ちゃんの颯人（はやと）君も、龍くんに負けないくらいの猫好きでした！



兄弟よく似ていますが、白いシャツがお兄ちゃんの颯人くんで、黒いシャツが弟の龍くん。
お兄ちゃんも中学まで陸上で活躍していましたが高校ではテニスを始めたという、爽やかなスポーツマン兄弟です。



さらにお父さんもお母さんも猫好きという猫好き一家だったのでした！
お父さんのご両親が住む母屋には、くりちゃんの妹のあいちゃんが暮らしていて、ときどき兄妹で遊ばせるために連れてくるそうです。



きょうも、連れてきてもらったあいちゃん。美人さんです。おっとりお兄ちゃんと違ってかなりアグレッシブな妹なんだとか。



くりちゃんとあいちゃんは、2019年に房総半島に大変な被害をもたらした台風15号の直後に木更津で生まれ、保護された3匹きょうだいのうちの2匹です。
その頃、母屋でネズミが出るので猫を飼いたいという話をおじいちゃんおばあちゃんから颯人くんが聞き、自分もずっと猫が飼いたかったので、すぐに「保護猫　千葉県」とネットで検索。くりちゃんたちに辿りついたのでした。



くりちゃんとあいちゃん以外の1匹はもう譲渡先が決まっていて、くりちゃんを2020年の春に迎えました。
飼いたくてたまらなかった猫が母屋にやってきたものだから、颯人くんも龍くんも大喜び。ちょうどコロナで学校が3カ月間休校になっていた時期だったので、朝から母屋に入りびたり。夜は離れがたい思いで、おうちに帰ります。
くりちゃんは、もちろん母屋のおじいちゃまおばあちゃまからも可愛がられていましたが、つきっきりで面倒を見てくれていた颯人兄弟が夜はいなくなってしまうさびしさに、毎朝同じ場所に下痢をするようになりました。
「学校も再開して、息子たちも母屋に朝から通えなくなり、くりのさびしさを思うと、ここに連れてきた方がいいのかな、と。それで、母屋にお願いして、くりをうちに迎え、まだ譲渡先が見つかっていなかった妹のあいちゃんを母屋に迎えたのです」と、お母さん。あいちゃんは、かなり大きくなっていたので、母屋にすんなりなじみました。くりちゃんの下痢もぴたりと収まりました。



というわけで、くりちゃんもあいちゃんも、それぞれのおうちで可愛がられて、ときどき合流して遊べて、めでたしめでたし。ネズミも、パタッと姿を消したそうです。



夏休み。午後からはずっとお兄ちゃんたちがいてくれるので、くりちゃんはご機嫌。



コロナで、友達と外で遊ぶことも、家族で旅行に行くこともなかなかできない毎日ですが......颯人くんも龍くんも、口々に言うのです。
「猫がいるから、どこにも行けなくても全然いい。おうちが一番楽しい」って。



お母さんが、こっそり教えてくれました。
「猫たちにいちばんメロメロなのは、この人（お父さん）なんですよ」と。
そうか、兄弟の猫好きは、お父さんのDNAだったのですね！
お母さんは言います。
「もう一緒に暮らすとペットとかなんかじゃなく、家族ですね、猫って」 それを聞いていた龍くんが、そっと言い添えました。 「そう、家族。ちゃんと最後までね」



猫好き男子の夏休み。コロナや猛暑でどこにも出かけられなくたって、楽しく充実した日々が続きます。
「このまま、学校が始まらなくてもいいんんだけど」という龍くんのつぶやきは、聞こえなかったことにしましょう。



くりちゃんのしっぽは、福を招くカギしっぽのなかでもまた珍しく、ぐるりんと一回転したしっぽです。たっぷりとおうちに福を招いてくれることでしょう。

※お知らせ......昨年5月と10月の道ばた猫日記でご紹介した23歳のながれ爺さま。めでたくこの夏24歳を迎えました。春吉という若いルームメイトもできて、ますますお達者な日々を、朝日新聞WEBの連載で書きました。読んでいただけたらうれしいです。
sippo.asahi.com/article/14687106

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。


『猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを


『寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。


『猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。


『里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。


『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化！