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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2021年09月14日

猫の不思議・・・サビ猫

今週は、サビ猫の不思議のお話です。

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サビ猫というのは、漢字で書くと「錆び猫」。
つまり、鉄の門扉などが錆びた色と同じく、黒と赤茶が混じりあった色柄の猫です。

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縞っぽいと「縞サビ」、黒っぽいと「黒サビ」、三毛っぽいと「サビ三毛」、灰色っぽいと「灰サビ」、マーブルだと「マーブル猫」、色が薄いと「麦わら猫」「パステルサビ」などと呼ばれ、その柄は1匹たりとも同じ柄はありません。お顔の配色で、哀愁が漂ったり、いたずらっぽかったり。
猫の不思議を体現しているサビ猫さんです。

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外国では「トーティシェル(べっ甲)」と呼ばれます。日が当たると、まるでべっ甲のように輝く美しい猫だからです。
日本では、「地味」だとか「ごちゃごちゃしてる」などという人もいて「雑巾猫」など失礼な呼び方もされていたこともありますが、「べっ甲猫」の別名がだいぶ広まって、サビ猫の唯一無二の魅力が見直されているようです。

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サビ猫と暮らしたことのある人は、口をそろえて言います。
「温厚で協調性があって聡明な猫」と。
たしかに、私も、怒りっぽいサビ猫には会ったことがありません。(トラウマのある子などは別でしょうが)
これは私の実感でしかありませんが、サビ猫は、その性格を反映してか、とても柔らかい毛質の持ち主ばかりのような。

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我が家のスーちゃん(眉間にスーッと小さなスジがあったので)も、穏やかそのもの、他の猫になんでも譲る優しい猫でした。
同じ姉妹でも、濃い三毛のナツコは、とてもはっきりした自己主張をする猫で、対照的でした。
スーちゃんは「私は、お日様さえあれば」といった感じで、19年をのんびり生きました。

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猫好きの文豪、谷崎潤一郎の小説『猫と庄造と二人のをんな』には、主人公の庄造が溺愛するリリーという雌猫が登場します。
「茶色の全身に鮮明な黒の班点が行きわたっていて、つやつやと光る」毛並みと、「美しい金眼」の持ち主と書かれていますから、まぎれもないサビ猫です。
庄造がリリーちゃんを溺愛するのは、そういった外見とは別に、「性格が実に愛らしかった」からとも、書かれています。

森繁久彌さん主演で映画化されたときは、猫は白キジっぽい猫が使われていました。
現在の文庫本のカバーでは、日本画家・竹内栖鳳の「班猫」が表紙になっています。
(リリーの描写、絵の題名共に、「斑」ではなく「班」の字が使われています)

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ところで、あまり知られていませんが、サビ猫も三毛猫と同じく、ほとんどが雌猫です。

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というのは、こんな遺伝子のメカニズムから。
雄の染色体はXY、メスの染色体はXXです。
赤茶や黒の濃い毛色を発色する遺伝子は、Xのみ。

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そのため、赤茶(オレンジ)と黒の2色を持つのは、雌だけとなるのです。
サビ猫には白い毛があったとしても目立たない程度で、三毛猫の一種と考えられます。
実際、三毛とサビの境界は曖昧です。

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サビ猫と一度暮らすと、その飼いやすさ、愛らしさにぞっこんとなる人が多いと聞きます。
譲渡会でも「サビ猫は飼いやすい」というのが定評となってきています。

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サビ猫の目は、金色または金色っぽいマスカット色がほとんど。

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肉球も、黒などの一色が多い他の色柄と違って、うすピンク・黒・茶色などの3色がついていることが多いようです。

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色の出方によって、困った顔にも見えるサビ猫。
3年前、小さな漁港で出会ったこのサビ猫さんも、ちょっとよるべなさそうなお顔をしていました。
どこか儚い感じもしたので、「また会おうね。元気でいるんだよ」と約束して別れました。

その子に、この夏作った新しい本「猫との約束」の表紙になってもらいました!

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猫と交わしたいろいろな約束をテーマとし、これまで取材した猫さんや新たに取材した猫さんが登場します。
これまでの本とはちょっと趣を変え、写真は少なめで、文をしっかり読んでいただくオトナ向けの本にしました。
当ブログでおなじみの、海辺のマリちゃんや珈琲豆焙煎店のミーちゃんや顔でかナッツくん、ねぎ様のお話も。

9月21日発売(本屋さんに出回るのは数日後)で、アマゾンでの予約はもう始まっています。
表紙のサビちゃんとの再会は、あとがきに書きました。
読んでいただけましたら、とてもとてもうれしいです!





「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

初めてコメントさせて頂きます。
以前、さび猫さんを保護し、一緒に暮らしたことがありますが、性格がとても穏やかで、いつも癒やされておりました。

それ以降、さび猫さんの「さび」は、わびさびの「さび」だな~と勝手に解釈しております(笑)

可愛いさび猫さん達のお写真、ありがとうございます☆

by アトム 2021-09-14 15:50

うちのサビ猫さんも、誰にも優しく、賢く、極上の毛並みをしています。保護した時は、家に入れてと網戸に張りつきました。ワオキツネザルの様な顔をしていましたが、今や、飼い主自慢の美人猫さんです。サビ猫さん、最高!

by ちぃ 2021-09-14 17:14

サビ猫たちは皆、何と個性的な顔をしていることか。性格も、聡明さを基本に本当に様々なのでは。それぞれの写真とじっと向き合っていると、何か話し合えるような気がしてくる。このシリーズで随分猫知識を得たので、猫談義でもしてみたいものだ。待望の本、発売も近いとのこと、早速注文して楽しみにお待ちます。

by Y.M 2021-09-14 17:28

17年連れ添ったサビお嬢様も本当に賢く優しいコでした。

by ちょこねこ 2021-09-14 20:07

いいですね、さび猫さん。
さび猫さんや濃い三毛さん、和風な佇まいがとても落ち着きます。
動物病院の保護施設で保護され、あわちゃん、いよちゃん、とさちゃん三兄妹(姉妹)と里親を待っていた我が家の黒白娘さぬき。どんな柄でもいい、お外で暮らしている猫さんたちの幸せを願います。

by ヤンヤン 2021-09-14 21:44

サビ猫さんとは余りご縁がありませんが、物静かで賢そうだな、というイメージです。昔ウチにいた猫(マリリン)はサビ柄ではありませんが、麦わら色?で微妙な柄でした(汗)でも大人しい、穏やかなコでした。旅立って21年経ちます。
新作、楽しみです!本屋へ行かなくては!

by シーマン 2021-09-14 23:53

サビちゃんとは暮らしたことはありませんが、友人の家のサビちゃんは、めちゃくちゃ性格のいい子です。
模様で分かりにくいけどよく見ると、とっても美人さんです。

by ひじきママ 2021-09-15 00:22

そういえばサビネコとは暮らしたことがないです。クロネコともシロネコともないのです。
予約しました!

by 16にゃんず 2021-09-15 00:35

いやー
ベッコウかぁ!まさに!!
どの子も宝物の様な
かわいさですね♪♪♪

by ミンディー 2021-09-15 06:38

わぁー、さび猫さん、みんな個性的で味があってたまりません。性格の優しい子というのはまたいいですね♪猫好きな漫画家さんの猫漫画にも顔がごちゃごちゃしているからチャコちゃんとなったサビ猫がでてきますが三毛猫おばさんにいつも何故か叩かれて(笑)でも、ほよ?としていてこれまた可愛いんです♪サビ猫は雌猫ばかりというのもはじめて知りました。ホントにお顔の模様で哀愁があったりおちゃめだったり可愛いですね!
サビ猫さんの表紙の最新本はAmazonで予約しました。届くのが楽しみです。表紙の子、哀愁のあるお顔と姿、惹き付けられますね。

by とも 2021-09-15 07:18

家は長女猫と3女猫がべっ甲サビさん、次女猫は、黒サビさんと家中サビ柄だらけです(笑)
長女猫さんは、野良猫さんでした。12年前に保護してまもなく‥夜中に主人がくも膜下出血になっているのを私に教えてくれました!命の恩にゃんです。サビ猫さんの特集嬉しかったです。ありがとうございます!

by ririreiohana 2021-09-15 08:28

サビ猫は本当に賢くて愛情深くてかわいいです~✴️ ハナちゃんの子猫時代の写真、かわいい~✴️懐かしくあれこれ思いだしながら読ませて頂きました~✴️

by Ruinko 2021-09-15 10:11

楽しかったです。うちにもサビちゃんいたらな~💛と思います。本当に可愛いですね~。本楽しみです。

by ぺったんの母 2021-09-15 10:38

今まで出会ったさび猫さんたちは、みんな賢くて愛情深くてかわいい猫さんたち、でした。
みんなのこと思いだしながら読ませて頂きました~✴️

by Ruineko 2021-09-15 13:04

>アトムさん

たしかに。「寂び猫」と呼びたいくらいの、奥ゆかしいひっそりした、でも品のあるサビ猫さんっていますよね~。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:02

網戸にへばりつくワオキツネザル! わかります(笑)
サビちゃんは、幼い時はご愛嬌顔だけど、成長すると、たいてい美人さん。もちろん、ご愛嬌顔のままでも、充分かわいい!

by >ちぃさん 2021-09-15 17:05

>Y.Mさん

サビちゃんは、人とお話しするのが好きな子がけっこう多いですよ~。
対話に照れるのは、茶白さん(笑)。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:09

>ちょこねこさん

17年を一緒に過ごした賢く優しいサビ猫姫。
いい思い出をいっぱい残してくれて、いまも見守ってくれているんでしょうね。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:11

あわ、いよ、とさ、さぬきの四国猫さんたち。それぞれに幸せな今と思います。
ほんとうに、どんな柄でも、出会った日から一番かわいい子。どの子もしあわせに!

by >ヤンヤンさん 2021-09-15 17:14

>シーマンさん

サビちゃんはこれまで本の表紙とかにあまり使われてないんですよ~。目立たないからかな?
それで、サビちゃん可愛いのに~という思いもありました(笑)

by 道ばた猫 2021-09-15 17:18

たしかに、模様で分かりにくいけど(笑)、よく見れば、聡明そうな、味のある顔立ちの子が多いサビ猫さん。もしかしたら、ブームくるかも?

by >ひじきママさん 2021-09-15 17:21

あれあれ、↑のコメントは、ひじきママさんへです。すみません!

by 道ばた猫 2021-09-15 17:24

>16ニャンズさん

地域によって、黒猫が多かったり、チャトラが多かったり、キジトラばかりだったりしますからね~。
白猫はこの頃少ないと聞きました。うちは、通してみるとキジトラが多かったような。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:28

>ミンディーさん

サビ猫飼いは、宝石なんかなくっても、べっ甲猫という宝物で、毎日うっとりでしょうね。
うちだって、毎日、黒水晶(笑)。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:31

>ともさん

たしかに~。三毛さん、よくぽかりと手が出ます。さびは「なんで?」。さびと三毛を両方飼ったことのある身としては、漫才のようで楽しかったです。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:37

>ririreiohanaさん

ご主人の急を知らせた、賢い長女サビさん。すばらしい!!
いまも、サビ猫天国で、末永くおしあわせに。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:42

>Ruinekoさん

花ちゃん、保護時と、家猫のなったばかりと、今とで、全然雰囲気違いますよね~。
今は、どっしり、一家のムードメーカー?

by 道ばた猫 2021-09-15 17:45

>ぺったんのお母さま

コロナ禍の取材自粛で始めた、色柄別猫の不思議。調べたり思い出したりしているうちに、
あらためて、ああ、どの柄の子も、最高にチャーミング!と思います。

by 道ばた猫 2021-09-15 17:48

我が家の初猫もサビ。
7年前、初めて行った譲渡会で、
物おじせず娘の肩に乗って来た2ヶ月の子猫さんは、
娘のハートを射抜き、
今や、でっぷりボディの、おしゃべりニャンコになりました。

甘え上手で、自己主張が激しくて、
メンタルが弱く、すぐ拗ねる、笑。
他の猫はダメだけど、人には興味深々。

本日の記事を読みながら、
他のサビちゃんにも会いたいな〜と。

本、もちろん予約しましたよ!
楽しみです。

by さくら 2021-09-16 16:41

毛が柔らかい!同感です。
初めて迎えた猫がさびだったので、猫ってこんなに毛も体も柔らかいんだ~と思っていました。親戚の家の猫を撫でたとき、違いにびっくり。
うちのコは左前足が黒いのですが、まるでビロードのよう(親バカ(笑))。
さび猫が表紙の本って、めったにないですね。
楽しみです✨

by さび茶風 2021-09-16 20:30