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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2020年08月05日

ロシアからやって来たスパイ?! シニア猫の名はニャンコスキー

「ニャンコスキー」何度でも呼びたくなる名まえ、スパイと言う設定も面白い。なかなか会えなかったのは、ロシアからの横やり? いえいえ(笑)、コロナの影響で取材の延期を何度も余儀なくされましたが、無事にこの日を迎えられてうれしいです。

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ニャンコスキーもうれしい?


人生初の猫、21歳になるまで


けっして年齢で優劣をつけるものではありませんが、ニャンコスキーが21歳(キジ白・女の子)と聞けば、よりいっそう尊く思えてしまいます。「私もこんなに長く一緒にいられるとは思ってもみなかった」と話す、飼い主の山本豊子さん(東京都在住)にニャンコスキーの生い立ちから伺いました。

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"ハッ"(見つかった!)

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不敵な笑みを浮かべる。表情豊かだ

ニャンコスキーには同じ歳のきょうだいがいました。しかし、交通事故に遭い、2匹を一緒に生活させるのが難しいと考えた元の飼い主である作家さんが、親しくしているギャラリーに相談、そして「元気な方の猫を飼わない?」と山本さんに依頼が入るのです。それまでの人生で一度も猫と暮らしたことのない山本さんでしたが、ちょうどその頃、家の周りにやって来る野良猫を可愛がり、たまにごはんも与えるという、ちょっとした猫との交流を楽しんでいる時期でした。何気ない気持ちで飼ってみようかなとすぐに紹介してもらい、相談主の元へ車で受け取りに行ったと言います。それが1999年10月のこと、当時の心境をスパイという設定を楽しみながら飾らない言葉で聞かせていただき感謝です。山本さんのお人柄がわかります。

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人間用に買ったクッションは

_03A4363.jpg 猫専用に

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猫ファーストだからと山本さんは笑う

最初の1年は猫との距離感がつかめず、「(今なら)もっとうまく育てられたのに」と少しの後悔を口にする山本さん。そこには猫歴21年、一時は5匹の猫と暮らして来た自負があるからなのでしょう。現在、山本家には長老のニャンコスキーを筆頭に、14歳の「ニャコフ」(女の子)、9歳の「ニャフカ」(男の子)の3匹の猫がいます。まだ体力のある下の2匹が仲良く遊び、それをそばで見守るニャンコスキーといった構図が私の目にも浮かびます。ちなみに2匹は取材中、私の前にあらわれることはありませんでしたが......。

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後半へつづく


救世メシ現る!


17歳まで大病がなかったと言うニャンコスキーでしたが、やはり1年、1年と体力が落ち、食欲も低下してさらに体重が落ちると言うサイクル期に。4kgあった体重も2kgになり、食欲不振で悩んでいた時です。出張の時にいつもお願いしているペットシッターさん(のちに救世主)から「おやつ」の差し入れをいただいたと言うのです。それまで山本さんは猫たちに嗜好品やウエットフードを与えて来なかったので、まさかそれが救世メシになろうとは夢にも思っていませんでした。半信半疑で与えたその正体とは......?! ニャンコスキーも御多分にもれず「CIAOちゅ〜る(いなば)」の虜となりました。スパイが捕まった瞬間でもあります。

_03A4143.jpg ごはんよー。しっぽでわかるその感情

_03A4150.jpg この日もペースト状のものを

_M5A8979.jpg ペロリと瞬殺だ

_M5A8958.jpg そして、おかわりの催促


ひとつひとつを大切に


信頼している獣医からも「なんでも食べるものを優先して」と体重管理に重点を置き、今では総合栄養食から一般食、ドライやウエット・ペースト状を問わず与えるように改め、また山本さん自身の作家活動の自粛も重なって1日10〜15回の食事回数を達成しているとのことです。最近は通院が週1回から週2回に変わり、その主な目的は輸液で、他にも高血圧・腎臓の薬・白血球のコントロールの処置を。ニャンコスキーは輸液をして帰宅すると体調が良くなるようで、いつもは避けがちなドライフードまで食べるのだとか。「ドライフードを食べるには体力がいる」そういった発見がまたひとつの目安になって山本さんに蓄積していくのですね。

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大好きな膝の上でマッサージ

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お二人は似ているなぁと思う

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長年一緒にいると見た目も性格も似てくるようだ

大人の猫から赤ちゃん返りし、歳を重ねてわがままな性格が顔を出し、ごはんの催促は大声で! その回数も多くなったニャンコスキーに、今この時にしっかりと対応できている日々が「いい時間だったなぁ」と振り返る山本さん。どうかいつまでも一緒に¬、そして、いつまでも穏やかな毎日が続きますように。

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

ニャンコスキーちゃんとの毎日は飼い主さんにとっての宝物ですね。この日々が続くことを願ってます。

by 総総 2020-08-06 18:54

なんて穏やかな可愛らしい猫ちゃん!
やはりお年寄りだからこその独特の可愛さがありますね。
そしていつも素敵な文章に癒されております。
月に一度の更新になったのは寂しいですが、これからも楽しみにしています(*^_^*)

by くーこん 2020-08-07 10:55

猫って本当に表情が豊かですね~。
‘’ハッ‘’の顔に思わず笑ってしまいました(^o^)
犬ほどわかりやすくない、細かな表情を見分けられるのは、飼い主の特権ですよね。
飼い主さんにとって初めて迎えた猫が、21歳になって、猫又トリップに登場!というお話に元気を頂きました。ありがとうございました。

by さび茶風 2020-08-07 18:47