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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2022年11月02日

子から親、そして親から子へ――。家族で誓った終生飼育のカタチ

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絵ではありません

 元飼い主が介護ホームに入居することになり、「ハナ」(当時4歳)は現飼い主の元へとやってきました。飼い主2人の関係は母と娘。想定通りのバトンリレーだったと言います。


両親のペットロスを心配して



 元々、アメリカンショートヘアの「ハナ」(15歳・メス)は娘さんがペットショップで購入し、両親に預けた猫でした。その理由は離れて暮らす高齢の両親の「ペットロス」を危惧してのこと。当時、両親は14歳のシニア猫と暮らしていました。最初は新たに猫を飼うことにあまり乗り気でなかったという両親でしたが、ハナの魅力にすぐにメロメロ骨抜きに。先住猫は、ハナが来て1年後に虹の橋を渡りましたが、おかげで深く落ち込むことなく暮らしていけたようです。

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上目使いの達人。こりゃー可愛い

 飼い主さんがアメショーに決めた理由の一つに、推しの漫画家のエッセイにアメショーが「フレンドリー」に描かれていたからというのがあります。ハナもとてもフレンドリーで、特に高齢者がお好きのよう。飼い主さんの両親のことが大好きだったことも窺い知れます。しかし、後から家族に加わったキジトラの「ヒナ」(10歳・メス)との関係は可もなく不可もなくといった様子で、現在は2匹体制でお互いのお気に入りスポットを死守しながらうまく共生しているようです。

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ロックオン!

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じゃらしで遊ぶ15歳

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取材の後半にやっと顔を出したヒナ。飼い主さんが神社で保護した猫



2匹のフードと健康について


 猫たちのフードは朝晩の2回。「昔はお皿を綺麗に空にしていたけど、最近ハナは残すこともあるんです」と心配する飼い主さん。ちなみに、ハナはクレアチニンの数値が高いので腎臓サポートフードが主食なのだそうです。多頭飼育で年齢差があるとフードの種類も別々になってしまうといったお悩みを抱えるご家庭もある中、こちらはヒナの肝機能が弱く(元々肝臓のサイズが通常の猫の半分のサイズ)、同じフードを与えても大丈夫という獣医の判断もあり、年齢差による給餌のトラブルはないようです。

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ごはんをください。無言の圧力

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ぺろーり

 ハナが14歳頃、くしゃみと鼻水の症状で動物病院へ行ったことがありました。抗生物質の薬を与えると一時は治るのですが、薬をやめるとまたぶり返すといった症状が続き、なかなかすっきりしませんでした。ちょうどその頃、飼い主さんの友人の猫が「副鼻腔のがん」で亡くなるということがあり、「ハナもそうなのでは?」と心配になった飼い主さんは、精密検査をお願いしました。しかし、幸いにもそういった症状はなく、「慢性鼻炎」と診断されたのでした。ただ、こちらは短期間で治るものではないという見立てで、これからも引き続き要注意とのことです。

_K7A6706.jpg ベランダの猫草を食べてルンルン


_K7A6582.jpg まったりモードへ



家族で育てた15年


 若い頃のハナと比べてもらうと、「高いところに登らなくなった」「歩いているときに足を滑らせる」など筋力の低下が気になるところですが、見た目は若々しく、まだまだ元気な様子。あと5年は一緒に暮らせるだろうという感覚で飼い主さんに焦りはなく、今日もお空にまっすぐピンと立つハナの尻尾を見て幸せを感じておられるようでした。飼い主さんの両親をよく知り、一家で繋がりも深い猫のハナだからこれからも大事に大事に繋いでいきたいとも。
ご両親には待ち遠しいかもしれませんが、まだまだハナには現生で活躍してもらいますね。

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今日もモデル猫として大活躍でした

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おやすみー

【お知らせ】 今月で猫又トリップは終了となります。 今までご愛読ありがとうございました。
読者のみにゃさま


これまで「猫又トリップ」を応援してくださり本当にありがとうございました。
2015年1月から連載してまいりました「猫又トリップ」ですが、連載を終了させていただくこととなりました。
読者のみにゃさま、これまでたくさんの応援とあたたかいコメントをありがとうございました。

「長生きして私たち人間を惑わして欲しい」という願いを込めたタイトル、
猫又トリップ。旅を通じて、たくさんのご長寿猫さんとの出会いがありました。
取材にご協力くださった猫さん、飼い主のみなさま、
そして長きにわたり連載を続けてくださったケニア・ドイさん、
本当にありがとうございました。


フェリシモ「猫部」 編集部
「猫又トリップ」が書籍になりました。

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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

試し読みはこちら (ΦωΦ)


写真

猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

ケニア・ドイ様
おもしろい記事、勉強になる記事、毎回楽しく読ませていただきました。
連載終了は残念ですが、今まで本当にありがとうございました。

by hiro-RX7 2022-11-02 19:22

ドイさん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございます。可愛い子猫も当たり前に老猫さんになります。うちの猫さんのうち10歳越えは2匹。一匹は、15歳。
可愛さは変わらないけど、老いは感じる。寂しくもあり、自分の行く先を見せてくれているようで、人生の師かも。

by ちぃ 2022-11-03 13:05

残念です。綺麗な写真と高齢猫さんのお話を毎回楽しみにしていました。
これからもご活躍お祈りしてます。

by こはく 2022-11-03 20:52

猫又トリップ、大好きな連載でした。今回が最後とのこと、とても残念です。毎回、ご長寿猫さんたちから長生きのヒントをいただいていたように思います。また、何度か出てきた猫又さんをみては、「あの子、まだこんなに元気なんだ〜!良かった!」と思ったり、虹の橋を渡った話に寂しくなったり、登場する猫又さんにも思い入れを持ってしまうような、素敵な写真と文章でした。
連載開始時は生後半年だったうちの子も8歳になり、「猫又トリップにでられるくらい長生きしてね」と思っていました。登場された先輩猫又さんたちのように、元気でいて欲しいものです。連載の書籍化を希望します。
ケニア・ドイさん、長年にわたり楽しませていただき、本当にありがとうございました。優しい写真と文章、大好きでした。

by よえちゃん 2022-11-04 00:06

残念です。綺麗な写真と高齢猫さんのお話を毎回楽しみにしていました。
これからもご活躍お祈りしてます。

by こはく 2022-11-04 22:12

ケニアドイ様ありがとうございました‼️いやされました❗️楽しいお話ありがとうございます‼️

by ばつ丸 2022-11-07 01:18

ケニアドイ様ありがとうございました❗️🐈️ちゃんのいろいろなお話ありがとうございました‼️いやされました❗️毎回楽しんで読んでいました‼️残念です❗️

by ばつ丸 2022-11-07 01:25

ケニアドイ様
沢山の癒しをありがとうございます。
沢山の勉強をありがとうございます。
我が家のサンク、目指せ猫又トリップ"と頑張ってきましたが終了は大変残念な思いです。
今後のご活躍を楽しみにしております。

by miko 2022-11-10 07:42

長い間お疲れ様でした。私の愛猫も猫又に出るまで長生きして欲しい、そして出演して欲しいと思っていましたが、それは自分で記録(写真)に収めていこうと思います。
本当にありがとうございました。

by みずたに 2022-11-10 15:15