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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2020年02月11日

猫と過ごすカフェ

一気に冷え込んできた夜。
でも、そこは、部屋の真ん中で丸ストーブが赤々と燃えていて、白い大きな猫がほんのりオレンジ色に染まり、椅子の上でしあわせそうに眠っていたのでした。

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ストーブを取り囲むようにいくつもの猫ベッドがあります。
なんて暖かい光景。なんてほっとする光景。

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初めてやってきた旅先のカフェです。

先週の道ばた猫日記でご紹介した京都・嵐山の「京女・京男」取材後、日が暮れかかっていましたが、滑り込みで訪れたい場所がありました。
JR京都駅から琵琶湖線に乗って、草津方面へ4駅(新快速だと3駅)。「石山」で降ります。
滋賀県大津市。琵琶湖の南端にあたります。

駅に降り立った時はすでに真っ暗になっていたので、駅前にあったMKタクシーに飛び乗りました。親切この上ない運転手さんに町案内をしていただきながら、瀬田川沿いを玉之浦に向かうと、あっという間に目的の店に到着。

電灯に浮かび上がった、こんな手描きの猫の絵と「Cafe Bar」の文字を見たときのときめきといったら。

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Cafe vivinoba(cafeびびのば)。
初めての店なのに、遠い昔に来たような錯覚に襲われました。

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おとぎの国にいざなうような、ペンキ塗りの楽しい外観。
「ねこ います」のプレートがドアにかかっています。猫の脱出防止のためでしょう、鍵がかかっているので、ノックをすると、すぐお店の女性が気がついて開けてくださいました。

店内も、武井武雄画伯のクレヨン画絵本のような色彩であふれていました。
オルガン、トランク、絵本、玩具人形、写真、ソファ、テーブル・・・どれもやさしく時を経たモノたちばかり。

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けっして「猫カフェ」ではなく、ふつうに猫が店内で過ごしていると聞いて、憧れていた店でした。
寝ている白猫、お客さんの隣席でくつろいでいる猫、棚であくびをしている猫・・・・。いったい何匹いるのだろう?

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美味しいチャイとフレンチトーストをいただきながら、店内をうっとり眺めていると、2階から、コトコトと何匹か降りてきました。

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マスターのパートナーとしてお店をやっているナミさんが教えてくれました。
「7匹いるんですよ。みんなワケアリの保護猫たちです」

「それで、ストーブの周りに猫ベッドが7つあるんですね! どのベッドが自分のか、決まってるんですか?」

ナミさんは笑って答えます。
「いいえ、好きな時に、好きなベッドを」

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ああ、その答えだけで、この店が猫にとって、どんなに居心地いいかわかります。
そして、猫を愛する客にとっても。

夜の訪問猫もいます(なかなか、いい面構えです)。店の猫たちは、興味津々。

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椅子の上で寝ていた大きな白猫は、最年長の9歳の「ビビ」くん。
猫店長で、猫たちのいい兄貴だそうです。カギシッポで、前脚をけがしているところを保護されました。
ひと回り小さな白猫は1歳の「ZIN」くん。京都の「おうちcafeたまゆらん」さんに保護され、子猫の時にここにやってきました。

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おかっぱ髪の白黒「アトム」くんは、2歳。
同じく白黒で、ベッドで寝ているまだ幼顔の「エイト」くんは、脚を骨折しているのを去年保護されたばかり。

シャムっぽいキジトラのチャイくんは5歳。よく似ているティティくんは、2歳。
黒猫「ノア」くんは、3歳。
「みんなオス猫。みんな仲がいいんです。メス猫を預かったときもありましたが、その時は、みな色めき立って大変でしたね」と、ナミさんが笑います。
何匹もの保護猫たちをしあわせにしてきたおふたりのようです。
「じつは、もう1匹、絶対に店に出ない猫がいるんです。その猫は猫が大っ嫌いで、自分の毛皮も許せない子なんです」

その「猫嫌いの猫」も含め、それぞれの「ワケアリ」話は、この次来た時にゆっくりお聞きすることにしましょう。
なぜなら、東京行の新幹線最終の間に合わせるには、店にはあと少ししかいられないからです。

ナミさんが手にハサミを持つと、猫たちがわらわらとナミさんの元に集まってきました。
なぜ?

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その答えは、外の鉢で育てている「猫草」。
みんな、猫草が大好物なのです。
「ちょうだい、ちょうだい!」

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店内のお客様も、猫草を分けてもらって、おねだり猫たちに甘えられて、うれしそう。

あああ~、夢のような楽しいひとときがあっという間に過ぎて、おいとましなければ、新幹線の最終に間に合わない!

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さよなら、またね。
店長さんのビビくんの窓越しのお見送りに後ろ髪がひかれます。
びびのばのマスターとナミさん、見知らぬ夜の客を親切にもてなしていただき、ありがとうございました。
この次は、ゆっくりと訪問して、評判のオムライスも食べたいし、1匹1匹の物語も聞かせてもらわなくちゃと、再訪を夢見ています。

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※川口市のカフェ・ド・アクタにて展示中の「我が道を行く猫」展。残る会期は、水曜~日曜となりました。
はるばる秋田や和歌山から来てくださった方も。また、お会いできず残念でしたが、新潟から珍しい縁起物「ちんころ細工」の猫たちを持ってきてくださった方も。
ネロ君を囲んでの猫話が弾み、楽しい展示が続いています。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

わー。猫に囲まれたい私には夢のような所ですこんなところで、一日過ごしてみたいです。きっと、猫になる夢をみられそうです。
ちゃちゃことぽんずは、弟の横を通過するときすりん、とするのが習慣になりました。早く一緒に遊ぶ光景が見たいです。

by ふみちゃん 2020-02-12 11:41

学生時代、私は校舎の近くの小さな珈琲屋さんでバイトしてました。最初は客として通ってました。初めて私好みのマンデリンという豆を教えてもらいました。それが始まりで珈琲の1~10までそこの主人に教えてもらいました。
そんな縁でバイトするに至りました。

休店日に店で新しいデザートやブレンドの試作を手伝っている時、主人の傍らには小さな黒猫さんがいつもカウンターで寛いでました。
そんな光景を思い出しました。

以来、私の将来の夢は早くセミリタイアして猫がいるカフェ&バーをやる事だったんですよ。
壁いっぱいの棚に好きな本を並べて、段々に空いてる棚は猫さまが自由に行き交って...。

by 才蔵 2020-02-12 14:22

こちらのお店の前を通るたびにいつも気になっていました。
猫さんがいらっしゃるのですね!
知らなかった!
今度絶対行きます!

by はなママ 2020-02-12 15:56

素敵な雰囲気のカフェですね!どこか懐かしい感じがして、川口のアクタさんと似ているような。猫がたくさん居るのも、最高です。猫カフェの猫じやなくても、こんな風に普通に、知らない人の側で過ごせるものなんですね…。うちのコは絶対無理だなぁ。飼い主だけ猫カフェ気分♪猫は1匹だけですが(^_^;)。

by さび茶風 2020-02-12 18:28

この暖色系の室内がいい雰囲気だの。
アートというか文学的というか。

おいらは今はあばら家
将来は世捨て人になって

「方丈庵」

目指すだ!

しかし毎回どうやって取材ネタ仕入れてくるのだに?

by ドラ猫マスター 2020-02-12 18:31

わ、わー!素敵な空間!ほんとだ、まるでおとぎの国のよう。猫さんたち、今にも話し出しそう。暖かいお部屋で幸せそうに眠っていたりそれぞれがゆったり過ごしている姿はいいですね。何時間でもいたいカフェですね。近くだったら毎日でも通いたい。外猫さんもほんとだ、いい味のお顔。こんなに素敵なカフェ、私も行きたいなぁ。
川口のカフェ・ド・アクタさんは、色々なところからいらしているのですね!人の繋がりも素敵ですね。そして黒猫ネロくんもいいですよね~。ネロくんがモデルの絵ハガキ、写真はがきもとーっても素敵で何枚も買いました♪壁に掛けられるハガキサイズの透明ポケットがいくつかあるハガキフォルダー?のようなものに入れて飾っています♪みてるとニコニコです♪

by とも 2020-02-12 18:47

あたたかみのある佇まいと「ねこいます」のプレートの文字にとても惹かれます。近所にあったら是非行ってみたいです。ずっと居座って、猫さん達に話しかけてる迷惑な客になりそうですが(汗)

by シーマン 2020-02-12 21:50

>ふみちゃんさん

弟のそばを通るとき、スリンとする光景、わあ、可愛いなあ~。
これから、楽しいきょうだいアルバムがたまっていくのですね。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:03

>才蔵さん

才蔵さんの夢見た猫のいるカフェ&バー…びびのばさんみたいな店だったのかな。もし実現してたら、きっと訪ねあてて、道ばた猫日記に書いていたでしょう(笑)。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:14

>はなママさん

お近くの方なのですね。7匹揃うのは、珍しいそうですが、きっと何匹かには会えると思います。
いいなあ、近くで…。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:17

>さび茶風さん

こんなに全員くつろいでいるのも珍しいですよね。
きっと、静かに猫を見守るお客さんが多いのではないでしょうか。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:21

>ドラ猫マスターさん

ネタは「仕入れる」んじゃなくて、出遭うのがほとんどです。歩いて出会う。人の話で出会う。
ネットでの検索はしません。出遭う楽しみがないから。「方丈庵」…傍らに猫1匹いたら最高ですね!

by 道ばた猫 2020-02-13 00:32

>ともさん

ネロ君のハガキを楽しんでくださって、すごくうれしいです!
4月は、鎌倉のカフェ・ギャラリーでの「黒猫展」に参加します。また、当ブログでお知らせしますので、散歩がてらぜひ。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:35

>シーマンさん

私も、猫を見ているだけで、何時間もしあわせな時間を過ごせそうでした。が、新幹線に間に合わせるため、一時間ちょいで立ち去る無念…。絶対に再訪したい!店です。

by 道ばた猫 2020-02-13 00:38

初めましてm(_ _)m
大好きなお店に
道ばた猫様が来てらしたなんて〜♪
お会いしたかったです
私は7匹の猫さんスタッフさんに会いたくて
びびのばさんに通っています
そして優しい雰囲気のなかで
癒やされています
またいつか
びびのばさんで
道ばた猫さまにお会いできたらと
楽しみにしております。

by あずきまま 2020-02-13 01:46

七匹の猫さんがいるカフェバー。素敵!
猫さん達が自分で心地よい場所や関係を保っている。大人の関係。お店の方達も素敵なんだろうな。私の町にも、黒猫がいるカフェが一軒
会いたくなりました。
久しぶりに会いたくなりました。

by 妖怪元気ババァ 2020-02-13 16:39

>あずきママさん

ほんとうに、びびのばさんでお会いできたらすてきです。
7匹に会いに通うなんて、うらやましい!!

by 道ばた猫 2020-02-14 01:04

>妖怪元気ババァさん

猫がのびのびと暮らしている場所は、人と人もいい関係ですよね。
黒猫がいるカフェ。そそられます!

by 道ばた猫 2020-02-14 01:08

出逢う喜び。よ~くわかります。
街歩きの醍醐味のひとつですね。
その昔、休日に通勤経路を歩いたことがあります。普段鉄道経由で1時間かかってたのが3時間。意外に時間かからなかった印象が。途中、素敵なお店も何軒か発見。何にゃんかの猫さまにも出会えて楽しかったです。

街の本屋さんをぶらぶらするのも楽しい♪。
ベストセラー以外にどんな本があるのか売り場のスペースは限られてるので店主のこだわりが見えたりして楽しい。
ぶらぶらしなければ決して手に取る事は無かっただろう新しい本と出会えるのもうれし♪
ある本屋で看板サビ柄猫さまがペーパーウェイト代わりに鎮座してるのを発見した時はもう歓喜(笑)。
でもコンビニや通販に追い出されるように街の本屋さんはどんどん減ってしまって残念。

by 才蔵 2020-02-15 18:30

才蔵さん

ぶらぶらしなければ決して出会えなかったこと。人生も同じかも、ですね。
迷う楽しさ。私の車にはカーナビはついていません(笑)。

by 道ばた猫 2020-02-17 00:37