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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2019年07月09日

寄り添いあって

人に寄り添ってこそ、猫は安心して暮らし、寿命を全うできるのだと思います。
でも、その「寄りそう」かたちや「しあわせ」のかたちは、じつににさまざま。

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奄美大島の「ノネコ」として捕獲されたゆわんくん。東京の獣医さんに引き出してもらってコロッと懐き、今は、横浜のご夫婦のおうちで天然ぶりを発揮しています。
奄美では、森に暮らすノネコが希少生物のアマミノクロウサギを捕食しているとされ、「捕獲後1週間で譲渡先が見つからなければ殺処分」というノネコ管理計画がスタートしています。(現在まで殺処分なし)
「ノネコ」の先祖は、そもそも人間に捨てられたり迷ったりして、森で暮らさざるを得なかったイエネコたち。
ゆわんくんの顔つきは、本来の「人に寄りそう」暮らしを取り戻した安心感に満ちています。

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よれよれボロボロの行き倒れ状態で、以前「困ったらうちにおいで」と声をかけてくれたひとみさんの家の玄関先までたどり着いた黄色い猫。
獣医さんには「もうあまりもたない」と言われましたが、「にゃあ」という名をつけてもらい、手当てを尽くしてもらいました。
この5月に「家猫になって3年」記念日を無事迎え、夫妻の愛情を一身に浴びています。

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画一教育からこぼれ出た子どもや若者たちの集う浜松市のフリースクール。
彼らに寄り添い、率先して「自由に生きればいいんだよ」とマイペースを貫いているのは、灰色の大きな猫。
捨て猫だった「ごま」ちゃんです。

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道ばた猫日記「家族のように」でご紹介したこのホームには、入所猫や通所猫として面倒を見てもらっている猫が何匹も。
白猫デップくんは、ケガをしてホーム内で手当てをしてもらい、通所からロングステイ、そしてまんまと入所してしまった元ノラくん。
恩返しに、せっせとお年寄りの方たちををなごませています。

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道ばた猫日記「縁あって大家族・その2」でご紹介した、のりえさんち。
亡きご主人が遺した言葉は、「16匹の猫たちは1匹も手離さないでほしい」でした。
見送ったり保護したりで、現在は11匹。最年長の「こまった」ちゃんは、17歳を過ぎました。

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東日本大震災後、この3月まで、福島県に通い続けた美幸さん。
人のいなくなった村で生き延びている小さな命に「誰かが寄りそってやらなければ」という思いからでした。
美幸さんが立ち上げた埼玉県のシェルターには、「なごみ」ちゃんをはじめ4匹の被災地出身猫が、家族のできる日を待っています。

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捨て猫から、漁港のボスの彼女に。
ボス亡きあとは、後を継いで女ボスに。
だいぶ年をとったけど、小さな漁港の人たちに見守られて、マリちゃんは今日も元気に漁港を歩き回っています。

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保護猫カフェ「鎌倉ねこの間」で、卒業が決まったイチゴちゃんをやさしく舐めてあげているのは、新人教育係のスタッフ猫とらくん。
散歩中の柴犬にいのちを救われ育ててもらって、ここにやってきました。その犬もまた保健所での処分寸前に引き出してもらったいのちでした。
人と犬と猫と。愛情が巡ります。

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道ばた猫日記「拾った『子猫』は、おばあちゃん」でご紹介した、ジャガーちゃん。
道ばたで雨に濡れているのを、小学校に登校中の姉妹に助けられました。
もう20歳越えのはずですが、まだまだお達者で、子猫のように甘える日々を過ごしています。

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今年最初の道ばた猫日記で紹介した、カラスにつつかれていたキュー太くん。
あおいちゃんは8歳に、キュー太くんはもうすぐ1歳です。
相変わらず仲良しのふたりです。

こんな「寄りそう」情景を17話集めて、一冊の本ができました。
タイトルは「寄りそう猫」。辰巳出版から、あさって11日に発売です。
表紙は、キュートなキュー太くん。
我が家の菜っ葉ちゃんに、本に寄りそって宣伝してもらおうと思ったのに、転がってしまいました。

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新取材のほか、道ばた猫日記やsippo連載「猫のいる風景」にこれまで登場した猫たちにも再取材をして、登場してもらっています。
寄りそう人や仲間を持たない境遇の猫たちにも思いを馳せ、自分たちに今できることは何か、手をつなぎ合いたいという願いも込めました。
読んでいただけたら、うれしいです。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

nekodatte200-290.jpg
猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

satoyamanoko.jpg
里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

shiawaseni.jpg
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

アマミノクロウサギの
ゆるキャラ

「コクトくん」

のファンのおいらが来ましたよ(^_^;)

ゆわん
ゆわん。
ゆわん。。
ゆわん。。。

うーむ
必死に考えても名前の由来がわからぬ!

デップ
デッブ

い、いや違うか(^_^;)

こまった
こまった。

な、何が困ったんだに??


ジャガーと
キュー太
は納得


はっきり言ってこのブログ

内容より名前の由来考えることに
大半を費やしてるぞ。

みんなは
気にならないのけ?

おいらは火曜の夜は
寝付きが悪いだ!!

by ドラ猫マスター 2019-07-09 12:37

人間の都合で(ノネコ)にされたり、猫カフェでアイドルにされたり、色々な猫がいるけれどみんな逞しく、元気で生きてほしいです。
明後日発売の本、楽しみに待ってます。

by ふみちゃん 2019-07-09 13:40

ブログに登場の懐かしいネコさん(マリちゃんとかジャガーちゃんとか)や、はじめてのネコさん。
17の寄りそうネコの物語が楽しみです!

by さび猫びいき 2019-07-09 15:29

デップと聞いてジョニー・デップを連想してしまった(^_^;)

あんなにカッコよくなくてもいいから
しっかり寿命まっとうするんだよ

家のぽんちゃんも元の飼い主に捨てられて
野良生活してるときに家に天ぷら泥棒にきて
それがご縁で家の子になりました

最初は警戒心がスゴかったけど
無理もない

助けてあげられてよかったと
心から思う今日この頃です

by ぽん子 2019-07-09 17:47

いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
そして、新著「寄りそう猫」のご発刊、まことにおめでとうございます。
すでにアマゾンで予約済みでして、到着を楽しみにしているところです♪
梅雨時の天候ですが、ますますのご健勝をお祈り申し上げますね・・

by しろくま1124 2019-07-09 18:32

野良だったキジトラを迎えて昨年見送りました。猫白血病だったので寿命は短かったですが手を尽くして後悔はありません。今お外で暮らしている子が少しでも幸せになれますように!
鎌倉猫の間のイチゴちゃんはもしかして、でんすけ君に助けられた子ですか⁈
前にブログを拝見してたのでもしかして…と 笑

by もずくかーちゃん 2019-07-09 19:38

ずっと前、サチに会いに花はなの里に行ったとき、お会いした者です。
ちょうど ちくわ が 花はなの里の子になった頃でした。

それ以来 毎週火曜日の「道ばた猫日記」を楽しみにしている私です。
毎週ありがとうございます。

私の知り合いの家にも、今年23歳になるであろう猫ちゃんがご家族に愛されて
幸せに暮らしています。
登場してもらいたいなあ…なんて思っている私です。

by さと 2019-07-09 21:01

>ドラ猫マスターさん

ゆわんくんは、奄美の「湯湾岳(ゆわんだげ)」から。デップくんは、デブ → デプリン → デップに。こまったちゃんは、ノラ時代、小道の真ん中に寝そべって車が来てもどかず、近所の人から「困った猫」と呼ばれていたから。みんな「過去」を背負った、いじらしい名前なのです。

by 道ばた猫 2019-07-10 04:14

>ふみちゃんさん

ほんとうに、いろんな過去、境遇、出会い、今を猫たちは生きています。
どの子も、どの子も、いい人に出会ってしあわせになあれ。

by 道ばた猫 2019-07-10 04:16

>さび猫びいきさん

マリちゃん、ジャガーちゃん、再取材して、現在の元気な写真を載せています。
22歳越えねぎ様も再登場です。お楽しみに。

by 道ばた猫 2019-07-10 04:20

>ぽん子さん

天ぷら泥棒に入ったノラから、マフィン、ぽん子へ。
ドラマを生きてますね(笑)。幸せなドラマを末永く!

by 道ばた猫 2019-07-10 04:23

>しろくまさん

ご予約ありがとうございます。
じつは、ゴンちゃん、写真カットで、こっそり載ってます。お楽しみに。

by 道ばた猫 2019-07-10 04:26

>もずくかーちゃんさん

元ノラさんに、短くてもしあわせな日々をありがとうございました。
そうです、とらくんは3年前に、イチゴちゃんは去年、殿介君の散歩中に命を救われた子たちです。
殿介君は、名犬中の名犬なり。

by 道ばた猫 2019-07-10 04:35

>さとさん

猫小屋の前で、ちくわ君やさっちゃんのお話を楽しくさせていただいた方ですね!
23歳の猫さん、猫日記に登場してもらいたいなあ~。花はなの里の麻里子さんに連絡先を伝えておいていただけるでしょうか。

by 道ばた猫日記 2019-07-10 04:39

ゆわんくんの甘えん坊なお顔♪ほかの子もみんなみんな辛い思いをして優しく強い人々のおかげでしあわせいっぱいで良いお顔していますね(*^_^*)「寄り添う猫」読みたい!みたい!買います!横になっちゃった菜っ葉ちゃん、これまたキュートですねぇ♪

by とも 2019-07-10 07:26

私も(いきなり「も」から始まるってどうなのよ(笑))ドラ猫マスターさんと同じく最近登場する猫さまの名前が気になって、気になって症候群になっております。_(^^;)ゞ

菜っ葉ちゃんは菜っ葉が好きなのかしらん?
菜っ葉ちゃんかわいいの~!ウチの黒助に骨格、顔立ちが似てます。ある意味親バカ発言かも。(笑)

私実は数年前にIT断捨離した際に蔵書もこれ以上増やすのは止めようと思ったんですよ。
変なもん残されても困るだろうと思い...。(蔵書なんてものは本人以外には所詮その程度のものかなってね。)
でも最近知り合ったある方から「そう頑なにならなくてもいいんじゃない?人間の営みは死ぬ瞬間まで続くものだから、好きなことはそれなりに続けてもいいのでは?」と言われまして.
..。
久々にAmazonで予約しちゃおうかな!

by 才蔵 2019-07-10 16:49

明日が楽しみです!
菜っ葉ちゃん、しっかりカメラ目線ですね~。うらやましい…。うちのコは、写真撮ろうとすると、必ず目線外します。まともな写真、あまりないです(^-^;

才蔵さま
差し出がましいようですみません。私もモノはなるべく増やさないように努力しているのですが、本は別物、と割り切っています。そんなにポンポン買えるほど裕福ではありませんが、読みたいと思う本は、その時読まないと後悔すると思っているからです。本で一部屋埋まるほどでなければいいだろう、くらいの気持ちでいいのでは。

by さび茶風 2019-07-10 22:11

>ともさん

ゆわんくんは、飼い主さんの肩やら頭の上やら駆け上がるんです。
運動神経抜群なのは、森の中を駆け回っていたからかな。マンション暮らしにも違和感ないようで、めでたしめでたしです。

by 道ばた猫 2019-07-11 03:32

>才蔵さん

菜っ葉ちゃんは、子猫時代農園で菜っ葉をかじって生き延びていたからなんですよ~小さな黒ネズミみたいに痩せてました。
私の母は最期の日まで…ingで、紙類(本、手紙、資料)が捨てられず、埋もれていました。
「死んだら私が一気に片付けてあげるから、捨てたくないものは捨てなくていいんじゃないの」と言ったら、ホッとした顔をしていましたね。

by 道ばた猫 2019-07-11 03:40

さび茶風さん

私も本はなかなか捨てられません。「猫びより」は100冊以上大事にとってある(笑)。
いろんな猫が載ってるから、捨てるとその猫さんに会えなくなる気がして…。

by 道ばた猫 2019-07-11 03:46

amazonから一足先に新刊が届きました♪
今はサッとページをめくり、写真を眺めています。
私も、アラッ、ゴンちゃんがいる!と思ったのですが、ヤッパリ!!

菜っぱちゃんの名前の由来が気になっていましたが、解決しました。

これからドップリ「寄りそう猫」の世界に浸かります♪

by リオママ 2019-07-11 07:18

> さび茶風さま & 茉莉子さま
お二人とも優しいですねぇ。私の愚痴みたいな言葉にコメントいただきもう涙が出そうです。
茉莉子さんのお母さまの気持ちよくわかります。


本は別物。いい言葉ですね。(’-’*)♪
ひとつやふたつ人生に別物があってもいいですよね。

以前私なりに蔵書が増えちゃった理由を分析。
ひとつは...地方に住んでて借りてた部屋が手狭になったんで仕方なく当時専攻してた専門書を古本屋にまとめ売り。それがもう信じられないぐらい買い叩かれて。本の世界ではあるあるなんですけど...後日、東京神保町の専門書の古本屋での買取り価格の2割位と判明してしまい、もう2度と本は売るもんかぁ!と硬く決心しました。(苦笑)

もうひとつの理由は、読書好き人間のあるある悪い癖、積ん読が本人の認識以上に多く...。
今回は積ん読厳禁だけは死守することを肝に命じて、本は別物と解禁しようかと思います。
ホントにうれしいです。お二人ともありがとうございました。


菜っ葉ちゃん大変だったんですね。
ウチの黒助も小さい頃は食が細くてガリガリ。引き取った時に健康診断済みということでしたがお腹に虫がいたことが判明したり...ちゃんと育ってくれるのか、いつも心配でした。

今は食いしん坊のりんこりんよりも食欲旺盛。催促されるとついついあげちゃうダメ親です。(^^;

小さい頃飼ってた柴犬系のトムは野沢菜漬けが大好きでした。だから菜っ葉ちゃんには、より親近感倍増なのです!

今回も長々すんません。

by 才蔵 2019-07-11 09:29

>リオママさん

いつも心強い応援ありがとうございます!
ゴンちゃん、こっそり入れました(笑)。何人、気づくかな。

by 道ばた猫 2019-07-11 22:43

>才蔵さん

野沢菜好きのトム! うちには、猫好きのジャムがいました。って何のことやらですよね。
猫が大好きな雑種の犬「ジャム」がいたんですよ~ トムという猫もいました。

by 道ばた猫 2019-07-11 22:50