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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2019年05月29日

運命の分かれ道で幸運をつかんだ猫と飼い主さんのお話

ある場所でのこと、隣の席から聞こえてきたのはこんな内容の会話でした。「引越しで猫が飼えなくなった。」「飼ってくれる人を探しているけどまだ見つからない。」「捨てるわけにはいかないし、あとはもう殺処分しかないのかな......(涙)。」(なぬ?ちょっと待ったー!)
「すいません!だったらうちで面倒を見ましょうか?」
突然、他人の会話に切り込んでいったその勇気に私は拍手を送りたい。

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2歳と17歳。


この時、声を掛けたのは小川嘉美さん(神奈川県在住)。夢を追いかけキャリアアップ系の講演会に参加したのに、まさか自分の隣にいた名前も知らない参加者から猫を譲り受けることになろうとは、夢にも思っていませんでした。そんな類をみない奇跡のマッチングで、当時7歳だった三毛猫「ナナ」は嘉美さんの実家に迎え入れられたのでした。
それから10年という月日が流れ、17歳になったナナはおばあちゃんというにはまだ早く、その綺麗な毛並みはブラッシングの賜物(たまもの)!常に身だしなみを気にするレディーに成長したのです。

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元の飼い主さんから託されたメモ。病歴、健康診断書などとともに。

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お客さん?急いで身繕いを。

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いらっしゃいませ!執事的振る舞い!




しばしの別れと再会、そして新しい家族へ


その後、嘉美さんは結婚を機に実家を離れました。それは同時にナナとのお別れでもありました。自分の責任で譲り受けた猫、もちろん連れて行きたいという気持ちはあったのですが、猫が苦手というご主人の猛烈な反発があって、泣く泣くナナを実家に任せて嫁いだのです。しかし、嘉美さんにとって猫がいない生活、モフモフが足りない状態はむしろ不健康!ということでご主人を少しずつ説得し始めました。そして、説得に要した期間は約2年!嘉美さんの執念の勝利です。
それから再びナナと一緒に暮らし始めて約4年、2年前には第一子「友子ちゃん」が誕生し、今の3人家族+ナナの生活スタイルに。当初、ナナがいても良い部屋を限定することを同居の条件としていたご主人も、ナナと暮らし始めてすぐ猫の虜に(笑)!今はオープンで、ご主人はナナと一緒に寝るまでになりました。

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英才教育!

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猫好きは、親から子へ。




ごめんね、ナナ!


嘉美さんは、初めての出産で友ちゃんに構ってばかりの日々が続いていた時期がありました。ナナは気にすることなく普通に生活しているように見えたのですが、ご主人の何気ない一言「あれ?フードが減ってないなぁ。」で事態が急変!ナナがガリガリに痩せていることに気づくのです。「しまった!」慌てて動物病院へ駆け込み、すぐに点滴処置に。もともとナナは少食の猫。そのため異変に気づくのが遅れてしまったのです。久しぶりの病院で「腎臓」の数値も芳しくありませんでした。その後、自宅での点滴に切り替え、療養食は注射器に入れて給仕するほどナナは弱っていました。しかし、食事療法に献身的な看護、ナナの回復力もあって普段の生活に戻るまでに。今は自らごはんを食し、子育ても落ち着いた嘉美さんもナナに注視する余裕がでてきました。特筆すべきことは「カリナール」(バイエル薬品)で消化管内のリンを吸着して排泄、主に腎臓に効く健康補助食品をディナーにふりかけているとのこと。ナナ自身も病気を機に、成長した友ちゃんに遠慮しなくなったというのもどうやら回復に繋がっているようです。(今までは遠慮して素直に甘えられなかったのかな?)

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モンプチがお気に入りのようです。

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友ちゃん、撮影にノリノリです。

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猫の扱いが上手くなった?ナナもまんざらではない様子。

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でも、しつこいと......。

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ソファーの下へ(笑)。




ご長寿の秘訣は適度な食事とコミュニケーション


「もしかしたら、少食が健康の秘訣なのでは?」とは嘉美さんの見解です。ナナは昔から食が細く、たくさんを求めませんでした。1日の摂取量も、実家で飼っていた他の猫たちと比べて少ないのだとか。少ないガソリンで燃費が良いとは、まさにハイブリット車のよう。また、病気を機にコミュニケーションを取ることの大切さを痛感し、いっそう気を引き締めなければ!と家族は一致団結。これからもナナをみんなで見守って行くことに決めたのです。

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後ろ姿。ナナはうちの猫に似てるから重ねて見てしまう。

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おいでー。

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ブラシでゴローン。


あの日あの場所、ナナの運命を決める会話が交わされた隣の席に、偶然嘉美さんが居合わせたのがもう奇跡としか言いようがないですよね。そんな強運の持ち主のナナ。ラッキーナンバーって普遍ですね。

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ナナとの時間を作って。

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ともに歩んで行くのです。
(気持ちええわー♪)



「猫又トリップ」が書籍になりました。

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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

ナナちゃんの奇跡の物語ですね。
本当にねこの出会いとはなんとも劇的です( ´艸`)
そして猫嫌いのご主人さんをもトリコにするねこ。
ナナちゃんの魔性っぷりにやられましたかね?
こうやって猫嫌いの人が、猫好きになるのは仲間が増えてウレシイデス♥

毛並みの美しさといい、とてもご長寿にはみえないナナさん。これからも家族3人+1匹でしあわせに!

by あずにゃん 2019-05-31 10:48

軽々しく‘’殺処分‘’なんて、口に出さないでほしいです!でもその会話がきっかけで、ナナちゃんは優しい飼い主さんを得たわけで…。こんな偶然はなかなかないので、ナナちゃんはラッキーキャットですね。

少食というのは、どのくらいでしょうか?キャットフードの袋に書いてある、体重に対する目安量よりだいぶ少ないのかな~。そうだとしたら、うちのコは少食ではないです。その目安量より少し多めなので…。(もっとくれ~と言うときもある…)
ナナちゃん、毛並みがツヤツヤですね(^o^)。少食って、健康にも見た目にもいいのでしょうか。ニンゲンも一緒なのかな(笑)

by さび茶風 2019-06-01 10:17

我が家にも2年前、施設に入所した高齢の両親の所から和猫を引き取りました。
頑固な両親を説得する為の1番のネックが和猫あっ君の行き場。
我が家にはその時既に4匹の猫がいて・・・
悩みましたが、なんとかなると飛行機に乗ってやってきたあっ君。
両親の所で甘えたい放題だったこが、生存競争激しい我が家へ(^^;
高齢猫ばかりの中、ちょっかいをだし怒られていますが、のんびり過ごしています。

殺処分など、絶対にできない小さな命。
癒されてるのは、人間の方だと思います

by ねこ屋敷 2019-06-02 08:45

あずにゃんさん
猫嫌いの人ってただ猫と一緒に生活したことがない人がほとんどですよね。
私は嫌いではなかったですが、猫と一緒に暮らすまでは「未知の世界」でした。
が、住めば都!旦那さんの今の気持ちわかるわー

by ケニア・ドイ 2019-06-03 09:04

サビ茶風さん
出会いがなかなかレアでしょう?そんなことがあるのか!と貴重な取材をさせていただきました。
ウエットは1袋(40g)は割と短時間に完食するようです。
猫によって、また年齢によって適正体重は違うと思いますから心配でしたら獣医さんとご相談してくださいね。私の周りでも指導されてる「メタボ予備ニャン」が多くいますw

by ケニア・ドイ 2019-06-03 09:12

ねこ屋敷さん
猫や動物が一緒に入れる施設が当たり前になればいいのになぁって思います。
あっ君の行き場が決まってよかったです。高齢猫の中にヤングなあっ君の構図、興味深いです。
先住猫たちのいい刺激になればいいですね。

by ケニア・ドイ 2019-06-03 09:21