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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2019年03月20日

4匹のご長寿猫を育てる飼い主さんと、そこで暮らす猫たちのお話

精神的支柱だった愛猫「ナナ」がなくなり、小林さんは重度のペットロスに陥りました。ナナが大好きだった鶏肉のササミを思い出すからと、スーパーの精肉コーナーに立ち寄ることもできなかったほどです。そんな中、自分自身も消失感を抱えながら「このままでは母も私も......。」と前を向いたのが小林さんの娘さん。そして、ネットの里親募集サイトでナナにそっくりな子猫を発見したのです。
「この子、ナナの生まれ変わりかも?」

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トトはナナの生まれ変わり?


小林和美さん(東京都町田市在住)の家には6匹の猫がいます。そのうち15歳以上の猫がなんと4匹というご長寿猫マスター! 18歳の猫「トト」(三毛猫・女)を筆頭に、16歳の「武蔵」(アメショーミックス・男)、15歳の兄妹「モモ」(黒・女)と「小次郎」(白・男)、14歳の「タンゴ」(キジトラ・男)、9歳の「ハッピー」(ロシアンブルー・男)と続きます。

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「今日は取材ですよ。」とトトに説明中。

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武蔵は来客が苦手?取材後半にようやくご対面。


ナナの生まれ変わりではないかと思うほど、ナナにそっくりな猫がトトです。ナナがなくなったあと、「ナナじゃなきゃダメなの。」と猫を飼うことに消極的だった小林さんでしたが、娘のみゆきさんから見せられたトトの写真に惹かれて埼玉県所沢市まで足を運ぶことに。実際に見ると本当にそっくりで、さらに保護主さんが困窮していることも相まって、その日のうちにトト(当時生後1ヶ月)を譲り受けることになりました。トトと命名したのは、生まれた日が10月10日だから。実は、ナナも7月7日生まれのナナ。その運命的ともいえる不思議な流れも継承してトトは家族になったのです。みゆきさんの親孝行に拍手を送ります。

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モモ。兄妹猫の小次郎と抱き合って寝ます。

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小次郎。史実に反して武蔵と仲良し。少々ビビリ。
ちなみに武蔵、小次郎、モモの名前は岡山県由来。




多頭飼育までの道


トトと暮らして初めて約2年が経過。武蔵を保護したのは小林さんのご実家(岡山県)で、「母猫が子猫を置いていった。」というSOSからでした。小林さんの代わりに娘のみゆきさんがすぐに出動したところ、庭先で普段は農薬を入れておくような容器の中で雪をかぶった子猫を発見しました。みゆきさんは、居た堪れない気持ちになりすぐに保護。帰省でゆっくりする暇もなく帰京しました。その一年後、これまた岡山県の実家の物置に現れた子猫の兄妹猫モモと小次郎を保護。この時は「足の悪い猫がいる。」との相談を受けての出動でした。
そうして3年の間に小林家の猫は4匹に。一人の子に愛情を注ぎたいからと多頭飼育には否定的だったという小林さんですが、「出会ってしまえば仕方がない。」と笑います。「自分の体が一つなのがね。」と多頭飼育のもどかしさも感じつつ、それでもさらにタンゴとハッピーの2匹も家族に加えることができた背景の一つとして、猫をまとめる武蔵の存在が大きかったのだと言います。誰にでも優しくて面倒見も良く、新しい家族をすぐに受け入れてくれた武蔵。ちなみにトトは「女王様」タイプで新しい猫がやって来ても我関せずタイプです(笑)。

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タンゴ。名前の由来は5月5日生、端午の節句から。

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ロシアンブルーの元保護猫、末っ子のハッピー。肩乗り猫なんです




猫たちの食事と健康について


食事は1日3回。トトは「シーバ」「三ツ星グルメ」「モンプチ」のドライフードを好み、小次郎や武蔵、モモには獣医から勧められた「消化器サポート」(ロイヤルカナン)ドライフードが基本食。小林さんがウエットフードをメインに与えない理由は、歯石がつくことによる歯周病や虫歯を予防したいとの思いがあるからだそうです。

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察知!

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わらわらと、キッチンに集まる猫たち。

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めしー!めしー!と初動は中2レベル。

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おいしい顔。モモが一番の食いしん坊。※ドイ調べ。


現在、15歳の小次郎がお腹をこわして投薬治療中なのですが、「お腹を壊すのは飼い主の愛情不足」と捉え、気を引き締めたと言う小林さん。最年長のトトは好調とは言えるものの、首のしこりだけが気になっています。それは手術をしなくては詳細がわからないものですが、この歳で外科的手術は心配事も多く、困難を極めます。良性なものであって欲しいなと、今は願うばかりです。

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そして、食いそびれた武蔵。スマン......。

6匹になっても一匹一匹それぞれに愛情を注ぐことをモットーにしている小林さんの前には、当たり前のように猫が集まります。「ニャーニャー」と話掛けてくる猫がなんと多いことか。猫との「会話」も大事にしているという小林さんは猫の言葉も理解しています。トトは「あったかいお湯」が欲しいと言うし、それは長年暮らしていればわかるものなのだそうです。小林さんは猫と暮らして60年。私も小林さんのようになれるのだろうか......。小林さんと猫たちの姿を見ていると、ついそんな風に考えてしまいます。
いやっ、私もならなければなりません。猫たちのために!

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小林さんの空きを伺う猫たちが、

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テーブル周りで順番待ち。

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入れ替わり立ち替わり。

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猫の話を聞いてあげること、それがご長寿の秘訣なのですね。




「猫又トリップ」が書籍になりました。

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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

にゃんこたちに慕われてうらやましい、小林さん!
私もにゃんこたちに順番待ちされるぐらいになりたい

by ペンギン 2019-03-20 12:56

長年一緒に暮らしていれば、猫の言っていることが理解出来るようになるんでしょうか?
私は初めての猫が来てから、もう少しで4年ですが、「ゴハンくれよー」ぐらいしかわかりません。まだまだ修行が足りませんね(笑)
猫の話をよく聞くこと。心掛けます!

by さび茶風 2019-03-20 18:02

うちもいつの間にか6匹になってしまいました。
平等に・・・という考えと裏腹にどうしても長女や長男にしわ寄せがいってしまいがちです。
なかな小林さんのようにゆったり・・・というわけにもいかず奮闘中です。
いつかは勤務をやめ、のんびりねこたちとゆったり過ごしたいものです。

by あずにゃん 2019-03-22 17:34

愛を感じますね。うちの子もこれだけ愛してあげれば長生きしてくれるかな。

by しましま 2019-03-25 12:45