[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

先週のNHK「もふもふモフモフ」は、さっちゃんと里山の仲間たちが５分間登場、猫小屋から猫たちがいっせいに原っぱへ飛び出していくシーンで始まりました。
真っ先に飛び出してきたのが、グレーっぽい子猫。

「あの子はだあれ？」
子猫の登場はそれきりだったので、気になった方も多かったのではないでしょうか。



「あの子」の名は、「シユウ」ちゃん。
３か月半すぎくらいの男の子です。



これは、やってきてまだ３週間めの９月の光景。
「おチビや、ここに慣れたかい？」
みかんおばさんが、気にかけてくれます。



「チビっちゃいの、びびらなくていいからね」
ゴローくんも新入りが気になってなりません。



シユウちゃん、後から匂いを嗅がれてるよ！
とわちゃんも、この子が気にかかります。
いつも遠くで、さりげなく見守るちくわくん。



シユウちゃんは、８月の終わりにここにやってきました。
夕方、麻里子さんが犬のタロウジロウ兄弟、そしてハッピーの娘カナの散歩のために村内を歩いていたときのこと。
先頭を歩いていたカナちゃんが、急に村の集会所のほうへ早足に。

集会所の前の桜の木の下で、生後２か月経つか経たないかくらいの灰白の子猫がにゃあにゃあ鳴いていました。
それを見たタロウジロウは興奮して吠えまくり。
麻里子さんはリードを力いっぱい引っ張って向きを変え、とりあえず帰宅して犬たちを犬小屋へ。
さてどうしようとちょっと悩んだあと、麻里子さんの足は再び集会所へ。
「犬にあんなに吠えられたのだから、もうあそこにはいないだろうなあと思いつつ、向かったんだけど・・・。遠くから私を見つけて『ボク、ここにいるよ。連れて帰ってよう』って叫んでるみたいににゃあにゃあ鳴いてたの」

そして、子猫は里山の子の仲間入り。
集会所の前で出会ったので「シユウ」という名になりました。
とにかく人なつこい子で、体も汚れてなかったことから、直前に捨てられたのかもしれません。

シユウちゃんは、猫小屋の先輩猫たちにもまったく「猫見知り」せず、誰にでも寄っていくので、すぐにみんなのアイドルとなりました。



やってきて、ひと月半が過ぎました。
広い里山を我が庭に、毎日やんちゃ三昧のシユウちゃん。なかなかに意志のあるお顔をしています。



お兄ちゃんお姉ちゃんたちのやってることは、何でも一緒にやりたいシユウちゃん。ちくわくんやゴローくんがお気に入りの伐り竹が積まれた山頂にも、登ってみました！
「わあ、遠くまで見える！　ボクのおうち、ボクのお庭！」



里山には、いろんな草花が咲いています。
みんな匂いが違うのって、不思議。



いつもプロレスごっこの相手をしてくれるキタロウお兄ちゃんは、ここに夜ごとこっそりご飯を食べに通っていたノラで、、いつの間にか仲間に入れてもらった猫さんです。



ときどきわざと負けて、おおげさに「参ったあ」と言ってくれるやさしいお兄ちゃん。
ふたりの取っ組み合いを離れたところから呆れて見ているのは、あっこちゃん。
元ノラあっこちゃんも、ようやく仲間との暮らしに慣れてきたところです。



ちくわおじさんは、あんなにお腹がたっぷりしてるのに、猛ダッシュで一気に柿の木に登ります。
それを、憧れの目でいつも見ていたシユウちゃんは、先週、柿の木に初めて登ってみました。
わあ、竹山よりずっと遠くが見渡せる！
低めの柿の木だったけど、降りられなくなって、にゃあにゃあわめいていたら、山仕事をしていたお父さんが見つけてくれました。笑いながら「ほれ」とお尻を軽くはたかれ、思い切ってジャンプして着地できました。

だけど、おとといのこと。
シユウちゃんと遊びたくてたまらないマナ・カナ兄妹にふざけて追いかけられ、高い高い柿の木に一気登りしてしまいました。

にゃあっにゃあっ（たちゅけて～。こんな高いとこ、ボク降りられっこないよう）という必死の鳴き声に、麻里子さんもキャンプ場のお客さんたちもなすすべもなし。
わらわらと猫たちも集まってきました。
ケンジ、ゴロー、ちくわ、ヒロミ、ヒデキ、小春、ふっくん・・・。みんな心配顔です。

麻里子さんが脚立を取りにいって戻ってきてみたら、、ドラマが始まっていました。
なんと、あの悪ガキ小鉄くんが、シユウちゃんのいるところまで登っていって、「こうやって降りるんだよ」という風に、シユウちゃんの目の前でゆっくり降りて見せたのです。
小鉄くんの真似をして後について、シユウちゃんは無事自力で降りることができました。

さらに、驚いたことに、シユウちゃんの後から、もっと高い枝にいたあっこちゃんが降りてきたではありませんか。
あっこちゃんは、左前脚が欠損しているので、木に登ったことは初めてのはず。
どうやらシユウちゃんが犬に追いかけられているのを見てびっくりして、一目散に初めて木に登ったしまったようでした。

「シユウちゃんのSOSにすぐ集まってきた仲間たちの心配ぶり。代表で救助に向かった小鉄のやさしさ。３本足で初めての木登りを成し遂げたあっこちゃん。猫ってすごいなあ、という思いで胸がいっぱいになったわ」と、麻里子さんは言います。



木登り騒動なんてなんのその。シユウちゃんのやんちゃな目は今日も「楽しいこと」を探してピカピカです。

自分が最初に集会所の前で見つけた子猫だったせいもあって、シユウちゃんと遊びたくてたまらないカナちゃんなのですが・・・。
カナちゃんがそばに来るだけで、「ひゃあ、おっきい犬が来たあ」と、逃げ出すシユウちゃん。
きっとそのうちカナちゃんの思いはシユウちゃんに届くはず。ここでは、みんな仲間だから。



シユウちゃんは、里山のみんなのアイドル。
同じくアイドルを長いことやってるサチおじさんとも、仲良しです。
みんなにもまれ、助けられて、すくすく大きくなあれ。

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