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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2018年10月16日

ほっとけない

美奈子さんは、南房総の海辺の町に住んでいます。
4年前の春に、旦那さまの一郎さん共々、当時の職を捨て、東京から移住してきました。
縁のある土地とはいえ、かなりの決心がいることでした。

この土地は、漁港にも、、家々の路地にも、猫が歩き回っていました。
これまで飼ったことのない猫を「いずれ飼ってみたい」という思 いはあったけれど、まだこの地にしっかり根を張っていない身ですから、先のことと思っていました。

が、早くも、移住して1年目に、猫との暮らしが始まりました。

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三毛猫の「里見」ちゃんです。
里見ちゃんを迎えるまでは、いろいろ逡巡があったそうです。

「痩せた猫が庭にやってくるようになり、夫が不憫がって餌を与えたんです。一度でも餌をやったら、不妊手術をするか飼うかしなければ、という思いがあったのですが・・・。。ゴロゴロと言いながら足元に頬をすりつけてくる三毛猫を愛しいと思いながら、経済的なことも考え、夫婦してどうしても踏ん切りがつかずにいたんです」

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ところが、その猫が3~4日姿を見せないと思ったら、大ケガをして庭にたどりついたのです。
片目が開かず、あごが割れています。
猫同士のケンカなのか、この辺に出没するイノシシなどに突かれたのか、それとも、虐待なのか・・・。
「病院に運びこみ、手当をしてもらって、4歳近くと知りました。痩せて小さかったので、もっと若いと思っていました」

夫婦の思いは一緒。もうほっておけませんでした。
完全室内飼いで迎えることに決め、不妊手術も終えました。

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痩せた猫は、今やこんなにふっくら猫。かつてさまよっていた外の世界を陽の当たる部屋からのんびり眺めます。

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「猫がいる生活が、こんなにも気持ちをまろやかにしてくれるとは思いませんでした」と、美奈子さん。

そして、去年、またもや新入りが。

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ある日、一郎さんが「猫が鳴いている」というので、美奈子さんはその辺を探してみます。だいぶ離れた駅前の駐車場で、目がぐちゃぐちゃの子猫がにゃあにゃあ鳴いていました。
またもや、美奈子さんはこう思いました。
「ほっとけない」

獣医さんに連れていくと、「歯が生え変わっているので、4か月くらい」とのこと。
その子は、「幸一」と名づけられ、里見ちゃんに甘えて大きくなりました。子猫の時の猫風邪で、右目が白濁したままです。

幸一くん、やってきて1年ちょっと、どんな猫に成長したのでしょう。

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じゃ~ん!
え、幸一くん、まだ1歳5カ月ですよね・・・。なんという貫禄。何という味のある顔。

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「ちぎれ尻尾で、おマヌケで、ブサイクだけど、すごく愛嬌があって性格がかわいいんです。気に入ってくれる人もいるだろうと、最初は里親を探すつもりだったんですが、数日一緒に暮らしたら手放せなくなりました」
その気持ち、わかりますとも。

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あ、そうやって甘えポーズで転がっていると、やっぱり まだまだお子様ですね!

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いや、やっぱり、とても2歳前には見えません・・・。

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とうわけで、期せずして、「ほっとけない」あまりに、2匹と暮らすようになった美奈子さん。
「猫を飼ってみて初めて分かりました。どんなに猫自慢してもしたりない猫飼いの気持ちが」

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見送ってくれた幸一くん。なんだか、こそ泥みたいだぞ。

美奈子さんは、2匹を受け入れたことで、「何気なく見ていた町の猫たちが、つらい思いをしていないか、気になって気になってたまらなくなった」そうです。
「こんなに気になってたまらない のなら、何かをしよう」と決めました。
ネットで検索して、近くの町に、信頼できる保護団体があることを知り、そのお手伝いを始めました。
道ばた猫日記でもご紹介した、海辺の猫たちのお世話を続けている「ドリームキャット」です。
海辺の猫たちの餌やりを替わったり、保護子猫の里親探しをインターネットでお手伝いしたりしています。

美奈子さんが住む町の港にも、未手術の猫たちがたくさん暮らしています。その猫たちのことも「なんとかしたい」という気持ちがあります。

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「自分のできることから、一歩づつです。ほっとけない、という気持ちをそのままにしておきたくはないから」

猫たちも、同じ町の住民。
ほっとけないという気持ちをほんの少しずつでも実行に移そうと努める美奈子さんご夫婦は、この町にしっかりと根を下ろしはじめたところです。


(○´艸`) 【 お知らせ2つ。】
♪今週木曜夜10:25からの、NHK総合テレビ「もふもふモフモフ」に、
 里山の子さっちゃんと仲間たち、登場です! 5分間のコーナーですので、
 お見逃しなく。
♪発売中の「猫びより」11月号特集に、「平成を生きた神保町猫ものがたり」を
 書いています。
 25歳のしあわせな一生を終えたばかりの「ミーコ」と、今も人々に可愛がられて
 路地に生きる25歳の「ゆき」の2つの物語です。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『里山の子、さっちゃん』『猫だって……。』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

「ほっとけない」わかります!!うちの子達もそうして大切な家族になりました。それにしても幸一くん
なんて味のある、一度みたら忘れられない風貌。大好きです。ふっくらした里見ちゃんも可愛い♡

by ぺったんの母 2018-10-16 17:31

ホント「ほっとけない」ですよね。
でも行動する勇気は見習わないと!
最近「ほっとけない」というか「ほっといていいのかなぁ」と思うことがあっていろいろ模索中。
ヒトの感情とネコの気持ちが一致するとは限らないですものね…
路地に生きる25歳、気になります。

by 16にゃんず 2018-10-16 17:48

里見ちゃんも幸一くんも、優しい人に出会えて本当に良かったですね。私も見習わないといけません。里見ちゃんのケガの原因が、虐待でないことを祈ります。

by ふみちゃん 2018-10-16 19:25

わぁ!こんなにふっくら可愛いおじょうさんがお外暮らしのときはやせっぽちだったのですね……切なくなります。でも今は毎日幸せに暮らしていますね♪幸一くん、可愛いよ~!!猫はどの子もみーんなそれぞれ可愛い♪
ほんとだ、こそ泥みたいだ(笑)でもやっぱり可愛いぞ!
ほっとけない、温かくてエネルギーを感じる素敵な言葉ですね♪
美奈子さんにたくさんのハッピーをと思います(*^_^*)

by とも 2018-10-16 22:46

>ぺったんのお母さま

うちも「ほっとけない」子ばかりでした。
「ほっとくしかない」ではなく「ほっとけない」人が増え、あたりまえになりますように。

by 道ばた猫 2018-10-17 05:14

>16にゃんずさん

ミーコもゆきちゃんも、私が出会ったのは10年以上前で、その時、路地猫で15歳はすごい!と感心したものです。ゆきちゃんは今も元気で、路地の入口で「ゆきちゃーん」と呼ぶとうれしそうに迎えます。

by 道ばた猫 2018-10-17 05:20

>ふみちゃんさん

温暖な房総は、外猫が暮らしやすそうに見えて、さまざまな野生動物に遭遇する危険もあるんですよね。子猫で生き残るのは少数と思われます。

by 道ばた猫 2018-10-17 05:27

>ともさん

幸一君、ほんとカワイイでしょ。ボス顔なんですけどね(笑)、ビビリの甘えんぼさんなんですよ~
里見ちゃんは美猫でした。

by 道ばた猫 2018-10-17 05:31

幸一くんのお顔を見て、佐野洋子さんの[100万回生きたねこ](←私の好きな絵本です)の主人公を思い出しました。里見ちゃんも丸々とした後ろ姿に幸せが滲みでているよう。
ふたりとも、安心出来るお家に行けてよかったね!

by さび茶風 2018-10-17 07:47

みなさま、温かいお言葉をありがとうございます。

>さび茶風さま
われらが駄猫、幸一から、[100万回生きたねこ]の主人公を思い出されたとのこと、こ、光栄すぎます。
私も何度も読み返した絵本です。

でも・・そういえばちょっと似てるかも。ふふふ、ふふふ(^^)

by 美奈子 2018-10-17 19:40

里見ちゃん
幸一くん

やっぱりど迫力(^_^;)


おいらも

「ほっとけない」

タイプだなあ。


神奈川エリアでちょっと奥まったところだけど
東日本大震災で被災したワンニャンの保護活動をしている


『清川しっぽ村』


ってところにたまに応援に行くよ。

機会があれば一度取材してみてはいかがか
にゃん?(^_^;)

by ドラ猫マスター 2018-10-17 19:57

お外を眺める里見たんの
後ろ姿がたまんにゃ~い(〃▽〃)

by にあ 2018-10-18 00:21

>さび茶風さん

「100万回生きた猫」の「ねこ」は、最後にもう生きかえらなかったけど、白猫奥さんと仲睦まじく、子どもたちもできて、この上なくシアワセでしたよね。たしかに、幸一君、似てる!

by 道ばた猫 2018-10-18 01:51

>美奈子さん

里見さんの気立てのよさ、幸一くんのお顔と甘えんぼのギャップに、やられました。
猫たちを見守る、地域の輪ができますように!

by 道ばた猫 2018-10-18 01:57

>ドラ猫マスターさん

清川シッポ村を応援なさってるんですね! すごくハートのある団体と思ってました。
檜原村にはよく行くので、今度足を延ばしてみますね。

by 道ばた猫 2018-10-18 02:00

>にあさん

ふっくら三毛猫さんは、日本家屋の縁側や窓辺によく似合いますね!
里見さんは、つらいノラ時代があったのに、おっとり美人さんでした。

by 道ばた猫 2018-10-18 02:04