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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2018年09月11日

「特定非営利法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」さまの活動レポート(2017-18後期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:茨城県、福島県

保護犬猫のうち障害等がある犬猫は、飼うのが難しいためか保護順位が後回しになり、殺処分になることが多いです。
当会では障害のある犬猫をこれまで多数保護してきました。今回は、そのような犬猫のお話をさせてください。
とある週末のことです、茨城県動物指導センター(センター)に負傷猫が入りました。
センターは猫については、子猫か傷病猫しか引き取りません。子猫と傷病猫は飼い猫である可能性がほぼないからです。
この負傷猫、センターによると交通事故によるケガで、週末は越せないだろうという見立てでした。
CAPINはこの猫を、手遅れにならないようすぐ引き出しました。
大きな黒白のオスで、ぐったりして動きません。

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引き出した負傷猫

いつもお世話になる動物病院に即入院です。
懸命な治療により一命は取り留めましたが、交通事故のためか、見えない、臭わない、聞こえない、犬が来ても怖がらず逃げない、そして、ごはんを鼻先に運んでも自分で食べない、というヘレンケラー猫であることが分かりました。
排泄はペットシーツに垂れ流し、体にも麻痺が有るようで、ふらついたり、ぺたっと横になってしまいます。ただ、元飼い猫だったのでしょう、人を怖がることはなく、穏やかです。
このヘレンケラー猫は、ヒゲが立派なのでヒゲオと名付けられました。
ヒゲオは当会の会員さんが預かることになり、毎日の熱心なリハビリが始まりました。
そして3週間後、少し感覚が戻ってきたのか、人の後をついて歩くまでになりました。

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歩けるようになった負傷猫

ゆっくりゆっくりですが、日々出来ることが増えてきて、最近は頭を人に擦り付けたりもします(これは、ひょっとして嬉しいと言っているのでしょうか...)。
犬猫が諦めず生きようとする意欲とその能力には、いつも驚かせられるのです。まだまだリハビリは続きますが、性格のいい子です。いつかは良い里親さんが見つかることでしょう。

K市での出来事です。
保護犬14頭の飼い主が病気に倒れ、飼い主のご親戚と市役所が相談して、14頭をセンターに収容(つまり殺処分)することになりました。
現場のご近所に住む方からの相談で事情を知った当会が、14頭を引き取るということで親戚の皆様を説得しました。
こういうケースでは、頭数が多くて当会だけでは対応できない上に、費用について人間相手の困難な交渉をしなければならず、非常に大変なのですが、ほぼ何とかなりました。
14頭は散歩もなく室内に閉じ込められていました。
犬たちを譲渡するためには、犬の性格や健康状況をみなくてはなりません。14頭を病院に運ぶのは現実的ではないので、獣医師を現場に呼んで庭先で健康診断をしました。
その中で1頭だけ、自力では歩けず毛布にくるまれて運ばれてきた子がいました。
クーです。

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寝たきりだったクー。

クーは、左前脚が無く、左後ろ脚には巨大な腫瘍がありました。1年以上寝たきりだったと考えられています。
でも、そんな境遇だったのが信じられないくらい、お目々クリクリのとってもいい子です。
腫瘍は脚の組織に深く入り込んでいて、断脚するしかないと複数の動物病院で診察されました。しかし、左前脚がすでに無いのに、この上、左後ろ脚まで無くなると、決して歩けないでしょう。
そこで、東京の著名な動物病院に無理を言って、腫瘍だけを除く手術をしてもらいました。
腫瘍は完全には切除できませんでしたが、なんとか成功。
そして、驚いたのは、腫瘍を除くと3本脚ですが歩けるようになったことです。
クーは、現在預かりさん宅でリハビリに励みながら、先住犬と仲良くしています。

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先住犬とクー。よかったね、クー。

真冬の夜のことです。
CAPINの相談窓口に、K市某所で犬が捨てられていると、複数の通報が寄せられました。
1つの件に複数同時に通報があるのは異例です。これは大変だということで会員さんが深夜にもかかわらず現場に駆けつけてくれました。
犬が1頭係留されたまま捨てられていました。
係留して捨てるのは飼い主の後をついて来ないようにするためです。捨てられた理由はすぐ分かりました。
犬は妊娠していて、すでに臨月だったのです。
これ以上飼いきれないと思ったのでしょう。会員さん宅で出産することになり、7匹出産しました。

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無事出産。

そのうち最後の1匹は死産。6匹目(ヒナと命名)は出産に時間がかかり、その後障害があるのではないかと心配されました。そのため譲渡がなかなか決まりませんでしたが、後日優しい里親さんに譲渡されました。
ヒナは生まれた6匹のうち最後に譲渡された1匹でした。

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最後に残ったヒナの譲渡。

障害があるから、妊娠したから...様々な理由で犬猫は捨てられます。
犬猫は生まれてくる境遇を選べません。しかし、生きる喜びは、家庭で飼われている犬猫も、捨てられた障害を持つ野良犬猫も皆等しく持っています。
人間なら絶望してしまいそうな障害を体に持っていても、そのために捨てられても、生きていることをただシンプルに喜んでいます。そんな犬猫たち。応援したいとも思いますし、同時に、人間もそんな風に生きられたらいいなとも思うのです。


<ご支援くださっているみなさまへ>
この度は多額のご支援を大変有難うございました。
犬猫の保護活動に必要な費用で最も大きな割合を占めるのが医療費です。
野良犬猫は、皮膚病や寄生虫、フィラリア、といった何がしかの病気を必ず持っており、通常の家庭犬に比べて医療費がかさみます。
いただいたご寄付のおかげで、このような野良犬猫にも医療を施してやることができ、新しい里親様に譲渡が可能となります。
今後ともご支援いただければ幸いでございます。最後になりましたが、いただいたご支援に会員一同心より感謝申し上げます。



「特定非営利法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク(CAPIN)」
HP: http://www.capinew.jp/
ブログ: http://ameblo.jp/capin-blog/
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