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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2018年05月02日

猫がいると、部屋が広くなる?

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М(えむ)くんです。

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L(える)くんです。

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Мくんです。

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Lくんです。

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二人そろって、МL兄弟です。
さて、二匹の違いがわかりましたか?
額の「М」模様が、よりはっきりしていて、ややふっくらしているのが、Мくん。
左キバがちょっと出ていて、ややスレンダーなのがLくん。
動いていると、なかなか見分けられません。
光の加減で、シャインマスカットの黄緑になったり、深海の深緑になったりする目の色がなんとも魅力的です。

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そして、もう1匹。
黒ヒョウのような美しい毛並みを持つ、ちょっと人見知りのミミくんがいます。

3匹が暮らしているのは、南房総・館山の海辺のおうち。
パパの出口さんは、ここで「冨銀」という彫金工房を営んでいます。
ちょっと変わった経歴の方で、カー・デザイナーとして働いていたある日、太平洋でサーフィンをしていたら、誰かに海の向こうから呼ばれた気がして......休職して青年海外協力隊員として中米南部にあるコスタリカへ。コスタリカは、「軍隊のない国」「電力のほとんどが自然エネルギー」「世界で一番幸せに暮らせる場所」として知られている、共和制の小さな国です。そこで奥さまとなるタティアナさんと出逢いました。
世界各地を見たのちに、地に足をつけて生きていきたいと、故郷の町で工房を開きます。

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「この子たちは、3匹とも、海辺で拾った子たちです」ということですが、それまでご夫妻ともに、猫にはまるっきりも縁も興味もなかったそうで・・・。
そのなりゆきを聞きましょう。

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最初に出遭ったのが、ノラの子だったミミくん。
家の近くの側溝に落ちて上がれなくて、ピーピー泣いていたのです。
「そばに母猫がいたのですけどね、ぼくが子猫を助けるのを見て、そのまま立ち去ってしまったんです。手の中には、子猫・・・。やむなく家に連れ帰りました」と、
出口さん。
しばし育てて里親を見つけるつもりで、工房に出入りの猫好きたちからアドバイスをもらい、はじめてだらけの猫育てを開始。

高度の高い村に住んでいたため、猫はめったに見たことがなかったタティアナさんは、突然わが家にやってきた子猫をどう触っていいかもわからず。
ノラだった子猫は、シャ~、ハア~、と威嚇の連続。
「ひと月ぐらい触れませんでした。でも、気がついたらなついていて、可愛いと思うようになって」と笑うタティアナさん。

里親探しがとりやめとなり、子猫ミミくんが晴れて出口家の猫となったのは、タティアナさんがせっせと猫のトイレやベッドを用意して「あれ?飼うつもり?」と出口さんに思わせたこともありますが、何より、小さかった長女が猫がやってきたのを大喜びしたからでした。

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その2~3年後。
「すぐ近くの海辺の公園に遊びに行った長女が、キジトラの子猫2匹を連れてきたんです。『ついてきちゃった』と言ってたけど、しっかり自転車の籠に入ってた(笑)」と、出口さん。

2匹は、ミミくんのようにノミダニがいなかったので、たぶん捨てられたばかりだったのでしょう。
里親を募集するつもりだった出口さんをまたまた驚かせたのは、タティアナさんが、すぐさま新しい猫トイレを用意したこと。
「えっ、この子たちもうちの子にするの?」

というわけで、いまや、仲良し3兄弟で、工房の看板猫をつとめます。

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出口さんは、シルバーなどの彫金のみならず、青年海外協力隊時代の縁でドミニカ共和国から直輸入のラリマー(天然石ブルーペクトライト)のルース(裸石)を使った作品も手掛けます。
ラリマーの青は、空と雲と海を融合させたような不思議な不思議な青色で、愛と平和の象徴として人気です。

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「猫を迎えるまでは、工房の彫金教室に集まる猫好きたちがこぞって猫話をするのを『なに、言ってんだ』と聞いていたんですが・・・今では一緒に楽しく猫話をやってます」と言う出口さん。

「不思議なんですが、猫たちがやってきてから、部屋が以前より広く感じられるんです。猫の暮らしや目線が、自分たちのそれと重なり合うというか......、つまり『家族』ということなんでしょうねえ」

この言葉を聞いたとき、いまいちピンとこなかったのですが、帰宅して、工房のHPにあるプロフィールに書かれた文を読んで、大いに合点がいきました。
そこには「コスタリカで暮らして得たこと」として「周りへの敬意と感謝」「挨拶の大切さ」に続き、こう書かれていました。
「幸せというのは、会いたい人に会いたいときに会えること。家族と過ごす時間は、自分の生きる時間に喜びと深みを与えてくれます」

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気ままにのびやかに、つつましく愛情深く、自然の恩恵を肌で感じ、地に足をつけて生きる猫がそこにいて、時間や暮らしや感覚が、複合的に自由に広がっていく。
猫と暮らす醍醐味ここにあり!ですね。

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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『里山の子、さっちゃん』『猫だって……。』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

みみちゃん、グッドタイミングで出口さんに助けられたのですね。良かったですね。うちも仲良し3兄弟とまでいかないですが(たまに戦いあり)似たような光景、3ニャンがワラワラと部屋の中を自由きままに過ごしています。外出先から戻ると最後のLちゃん?のように外を眺めていることもあり、慌ててごめんね~今帰ったよ~!とニャンコに謝っている私です。(笑)

by ぺったんの母 2018-05-02 15:25

うちのミトンもどぶに落ちて鳴いていたところを娘と友達が、助け今はうちの仔です。ミミちゃんと同じ黒猫さんです。
黒猫さんのエメラルド色の目を見ていると、とても気持ちが落ち着きます。
ミトンの喉をならす音は、私が世界で一番好きな音です。

by ちぃ 2018-05-02 20:27

>ぺったんのお母さま

猫って、空を眺めるのが好きですよね~
昔いた「みゅうみゅう」という猫は、毎日毎日飽かず雲を眺めていました。猫にも空の美しさがちゃんとわかるのだと思いました。

by 道ばた猫 2018-05-03 10:14

>ちぃさん

黒猫ミトンちゃん、助けてもらってよかったね!
飼い主さんをもしあわせな気分にさせる、ミトンちゃんのしあわせなグルグルグルグルを聞いてみたいです~

by 道ばた猫 2018-05-03 10:18