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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2018年04月10日

救われて・・・その④「ナッツちゃん」

ナッツちゃんは、推定2歳になるかならないかのキジトラさん。
まん丸お目目が、キュートです。

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「あれ、アタシんちに誰か入ってきた。びっくりしたあ」

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椅子の下に隠れてしまいました。
くつろいでいたのに、驚かせてごめんね。しばし知らんぷりをすることにします。

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サユリさんとおしゃべりをしていると、好奇心真っ盛りのお年頃のナッツちゃんは、、来客が気になって、すぐにそばにやってきました。
手の匂いを嗅ぎにきて、「かなりの猫好き」と確認。
たちまちフレンドリーに。

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「ねえねえ、お母さんがアタシのために作ってくれた段ボールハウス、入って見せてあげようか。ステキでしょ!」

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ほんと、窓がいっぱいあって、すごく楽しそう。
愛されてるね!
あ、ナッツちゃん、ちょっとシュールなお顔になってるよ・・・。

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愛されナッツちゃんは、サユリさんご夫妻の2番目の猫です。
保護猫団体から迎え入れ、半年がたちました。

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「そもそも、猫を飼ってみようかなあと思ったのは、ラジオがきっかけでした」と、サユリさんは言います。
今から12年前のある日。
たまたま何気なく聞いていたラジオから、こんな言葉が聞こえてきたのです。
「ある団体の保護活動を手伝っていますが、世の中には、可哀そうな境遇の猫たちがたくさんいます。これから猫を飼うんだったら、保護された猫の里親になるという、そんな選択肢があることを知ってほしいですね」
そんな内容でした。
話しの主は、ジ・アルフィーの坂崎さん。

「そんな選択肢があることを初めて知り、ずっと心に残っていました」と、サユリさん。

その後、ご夫婦で猫を飼いたいという気持ちになったとき、、保護団体をネットで検索。
とある保護団体に目が留まり、申し込みます。その時は知らなかったのですが、奇しくも、その団体は、坂崎さんがメンバーの団体でした。
「どの猫でもいい、オスでもメスでも、何歳でも」という申し出に、やってきたのが、白黒猫の「空(くう)ちゃん」です。

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空ちゃんとの暮らしは、10年。
最後の看病の日々は、お父さまのがん闘病介護とも重なって、「続けて見送ったあとは、言い知れぬ寂しさに襲われ、2匹目の猫を飼う気にはとてもなれなかった」そうです。

しばらくたって、保護団体代表の方に、空ちゃんの旅立ちをお知らせした時、「一時預かりをしてみるのはいかがですか」というお話が。
「でも、よく考えたら、手放すときに、きっとさびしい」と、サユリさんはお断りをしました。

また、しばらくたって、保護団体の代表の方から「こんなかわいそうな子がいる」という電話をもらいます。
聞けば、その子は、別荘地で、ある方から外でご飯をもらって暮らしていましたが、その方が病気でその地を離れ、置き去りにされてご飯をもらえない状態に。
寒冷期に入るので見かねた方に保護されたものの、先住飼い犬2匹との関係がうまくいかなかったので、会で預かり、里親募集中とのことでした。

サユリさん夫婦は、その子を引き取ることに決めます。昨年の12月のことでした。
それがナッツちゃん。

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なつっこいナッツちゃんは、難なくおうちの子になってくれました。
やってきた時は3キロちょっとだったのが、2週間で1キロ増。きっと安心したのでしょうね。
初めてのお正月を迎えるころには、寝る前に「なっちゃん」と呼ぶと、テケテケ寄ってきて、ベッドの上にぴょんと飛び乗り、一緒に寝るようになりました。

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今では、すっかり「アタシ、もとからこのおうちにいるのよ」みたいなお顔になりました。
ただひとつ、外猫時代の名残りが。

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「ご飯は十分にあげているのに、ゴミ箱をあさるクセが抜けないんです(笑)。きっと、ひもじい思いで過ごすことがあったのでしょう」と、サユリさん。
もうひもじい思いをすることはありません。
温もりはいつもそばに。
また会うときは、どっしりした猫さんになっていそうです。



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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

ナッツちゃん、よかったね。しあわせをつかんでますますふっくら、かわいい子になりそうです。
アルフィーの坂崎さんが保護活動をしているとは初耳でした。
それがご縁で猫とであう・・・すばらしいですね。
杉本彩さんや最近はテレビ番組で奈々緒さんなど保護活動等をしていますがもっとメディアの力で知らない人に拡散できるといいですね。

by あずにゃん 2018-04-10 11:56

うちの元ノラのクロちゃんもゴミ箱あさりをして困っています。ちゃんとごはんあげているのに…
ほんの4ヶ月のノラ猫生活が大変だったんですね。
ナッツちゃん、表情が柔らかくて、とても辛い生活をしていたとは思えませんね。
いつまでも幸せに
ペットショップを否定しませんが、家族に迎えるなら保護猫を選ぶ人がたくさん増えますように

by ペンギン 2018-04-10 13:17

私もペンギンさんと同じで、ペットショップを否定する訳ではありませんが、猫は保護猫を迎えたいです。娘の(ぽんず)は今は王子さまのような生活をしていますが、保護された時は、生後僅か数日でヘソの緒付き、ハエの卵が大量についていたそうです。明らかに生死がどうなろうとかまわない捨てられかたでした。最近は純血種の子の野良猫も増えているそうで、なんだかやりきれない思いになります。遺棄する人間はもし自分の子が捨てられたり、処分されても平気なんですかね。自分自身が動物の立場になって考えて欲しいです。

by ふみちゃん 2018-04-10 13:44

亡きチー子にあまりにもそっくりで本当にドキッとしました。うわ目使いがとっても可愛い子でしたが、ナッツちゃんも同じくとっても可愛い女の子ですね。私も保護活動の輪がもっともっと広がって欲しいと思います。どうか、可哀想な子達が世の中からなくなりまうように・・・。

by ぺったんの母 2018-04-10 15:48

>あずにゃんさん

保護団体の会長さんから以前お聞きしたのですが、坂崎さんは、古くからのメンバーで、多忙の中、時間の許す限り保護活動に協力なさっていて、保護して里親の見つかりにくい子たちを何匹も引き受け、育て、看取っていらしたそうです。ほんとうの「猫の味方」ですね。

by 道ばた猫 2018-04-11 00:33

>ペンギンさん

クロちゃんも、ひもじい思いをしたんですね。
ペンギンさんのもとで、のんびり穏やかに、いい猫生を!
ゴミ箱あさりは、ぼちぼちやめていこうね(笑)。

by 道ばた猫 2018-04-11 00:38

うちの子も別荘のある寒冷地で、子猫の時に保護された保護猫です。真冬には1メートル以上雪が積もることもある土地で、夏や秋に生まれた子は冬を越せずに殆ど死んでしまうんだと保護団体の方から聞きました。推定3ヶ月でうちに来た子も、もうすぐ4歳です。幸せなのか分からないけど、ナッツちゃんのように保護されて良かったと思ってくれたら嬉しいです。私は毎晩「うちに来てくれてありがとう」と寝る前に言ってます(^^)

by よえちゃん 2018-04-11 00:42

>ふみちゃんさん

ペットショップが、近い将来は生体販売をなくし、猫ごはんやグッヅ販売、相談窓口、交流の場、そして保護猫の里親探しの楽しい場になっていけばいいなあ~と思っています。

by 道ばた猫 2018-04-11 00:45

>ぺったんのお母さま

チー子ちゃんは、ナッツちゃんそっくりだったんですね。
上目遣いなんて、さぞ愛らしい猫さんだったことでしょう。
キジトラは、自立心高いけど甘えんぼの子が多いような気がします(うちの子のデータからも)。

by 道ばた猫 2018-04-11 00:53

>よえちゃんさん

毎晩「うちに来てくれてありがとう」と言ってもらえる猫さん!
なんて幸せなんでしょう。
うちは毎晩「なんでそんなに重いの」って言ってます。まあ、「うちに来てくれてありがとう」と同義語ですが(笑)。

by 道ばた猫 2018-04-11 00:58

あら~(*^_^*)そんなおめめでじーっとみつめられたらたまらない!可愛くておりこうさんなお顔ですね♪シュールなお顔も素敵!(笑)
保護猫ちゃんが幸せそうな暮らしをしているお話は本当にうれしいです!!
どの猫も同じような幸せの猫生をと祈るばかりです。

by とも 2018-04-12 07:08

>ともさん

サユリさんちの先代の空ちゃんも、ずっと外で暮らしていたコだったそうです。
「どの猫でもいい、オスでもメスでも何歳でも」という里親の名乗り。素晴らしい!と心に残りました。

by 道ばた猫 2018-04-12 23:54