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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2017年02月14日

猫はともだち

「にゃんにゃんに会いに行こうか」
パパにそう言われて、まなつくんは、ベビーカーの上で、「イエーイ」と右手を上げました。

まなつくんは、1歳。週末に保育園がお休みでママがお仕事のときは、パパとお散歩に行きます。
向かったのは、外で暮らす猫たちのいる川べり。
よくお散歩に行く場所なので、そこで猫たちの面倒を見ている人とも、ゴハンタイムに集まってくる猫とも仲良くなったまなつくんなのです。

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ゴハンの時間には4~5ひき集まってくるのに、ゴハン以外の時間はいったいどこにいるかわからない猫さんたち。
でも、みんなよく太って、毛並みもやわらかです。きれいなお水も、ちゃんと用意されています。

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まなつくんは、パパ譲りで、猫さんが大好きなので、もうさわりたくてうずうずしています。
「頭の上から急にさわったら、びっくりするから、まなっちゃん、お座りして、そーっと背中をなでてあげようね」と、パパ。
さび猫さんは、くつろいでなでさせてくれました。

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「おやつ、どうぞ、ってあげてごらん」
パパがおやつのカリカリを数粒、まなつくんに手渡しました。
ゴハンの時におなかいっぱいになっていないよう、数粒だけ。食べないときは、ちゃんと片付けます。
サビ猫さん、手からおいしそうに食べてくれました。

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しばらく一緒に遊んで、「バイバイ」。
またね。

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電車に乗って、3つか4つ目の駅でおりて、大きなお寺の境内にお散歩に行くときもあります。
そこにも、寺公認の黄色い猫が何匹か。

この日は上着のいらないくらい暖かな日だったので、池のほとりで、大きな黄色い猫さんがお昼寝をしていました。

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まなつくん、猫のもとへスタスタとまっしぐら。
パパに教わった通り、おどかさないよう、そーっとそーっと背中を撫でてあげました。

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ここの猫は、参拝客に可愛がられていて、お寺公認でお世話をする人が入っています。
おじいちゃんに可愛がられたり、学生に可愛がられたり、ちびっ子に可愛がられたり。

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まなつくんの住むマンションでは猫は飼えないけど、こうして、地域で暮らす猫との交流を通して、「猫(ともだち)がどんなことを嫌がるか、どんな風にさわってほしいか」を少しずつ知っていきます。
そして、おうちのない猫が、会いに行ったときにうれしそうな顔をすることや、寒い時に寒そうにしていることや、ゴハン待ちの時に真剣な目をしていることや、バイバイの時にちょっと寂しそうな顔をすることも、もしかしたら、もうまなつくんにはわかっているかもしれません。

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小さいうちから、こうして猫の気持ちをおもんばかる体験を積みながら育っていくことが、、遠回りでも、人と猫とがしあわせに共生できる成熟した社会を作る大きな土台になるような気がします。
まなつくんが大きくなったときには、どの町でも猫さんがしあわせそうに暮らしているといいね。


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

とてもあったかくなるお話をありがとうございます。パパさんの優しい教えを守り、そっとふれるまなつくん。ねこさんも安心して触らせてくれているのがわかります。
こんな風にみんなが「共生」するきもちで接してくれたら外で生きるねこさんを「汚い、邪魔だ」と追いやる人もいなくなるのでしょう。
まなつくん、いつまでもねこさんと仲良くしてね。そしてパパさんも優しい気持ちをありがとうございます。

by あずにゃん 2017-02-14 11:50

いいお父さんですね。まなつくんもきっと誰よりも、猫の気持ちがわかる人に、そして命の大切さがわかる人に育つと思います。よく、動物の最後の時を可哀想だからと、子供に見せない人がいますが、私は子供にこそ見せるべきだと思います。命はゲームのようにリセットできないことを学んで欲しいです。その子の為にたくさん泣いて欲しいです。ゲームでは体験できない大切なことを動物はきっと教えてくれます。本当にまなつくんが大人になる頃は、人と猫が共存できる世界になって欲しいです。そして、殺処分という行為が昔話になって欲しいです。

by ふみちゃん 2017-02-14 16:05

生き物って、あったかくて、柔らいよね。
優しくさわらないといけないね。
声かけたら、こっちを見たよ。
撫でてあげたら気持ちよさそうだったね。

・・・実際に経験しなくては、わからないことを、バーチャルな世界で体験した気になってる最近の子どもたちのこの先を心配しています。
今回の記事を拝見して、そう行った体験をさせてあげるのが、大人の責任だと思いました。

by 桜さくら 2017-02-14 16:27

1枚目の写真で
「猫、デカッ!」Σ(゚ロ゚;)と
あぁ、子供さんの手だからか~・・・でも、おっきいよーな。
サビさんも茶さんも、フクフクおっきくて、愛され野良がいる場所って素敵ですよね( *´艸`)v

by セアル 2017-02-15 00:12

>あずにゃんさん

ノラ猫を「汚い、じゃまだ」と思う人は、たぶん、子どもの時からの、多くは親からの刷り込みがあると思うのです。この連鎖がいいふうに変わるといいですよね。

by 道ばた猫 2017-02-15 09:28

>ふみちゃんさん

ほんとうに、虐待や殺処分が早く暗黒の昔話になってほしいです!
そのためにも、想像力のある子を社会で育てなくては。

by 道ばた猫 2017-02-15 09:32

>桜さくらさん

同感です!
大人になってから、その体験をして、猫好きになった男性を何人も知っていますが(笑)。

by 道ばた猫 2017-02-15 09:35

>セアルさん

冬毛の外猫さんは、毛が密で、いっそう大きく見えますね。
「冬毛」と「陽だまり」が、外で生きる猫たちへの神様からのプレゼントでしょうか。

by 道ばた猫 2017-02-15 09:40

なんだかほっこり、うるっときてしまいました。
素敵な記事をありがとうございます。

by ゆき 2017-02-15 12:29

まなつくんのパパさん、素晴らしい教育をなさっていると思います。いぬさんやねこさんはニンゲンの玩具ではなく、大事な友達だということを、小さいころから知っていける環境は本当に貴重です。きっといつか、いぬさんやねこさんと幸せな日々を過ごせますように。

by るんたた 2017-02-15 20:08

>ゆきさん

外猫も家猫も、どんな猫も、私たちのそばで、私たちを笑顔にしてくれて、ほっこりと生きていってほしいものですね~

by 道ばた猫 2017-02-16 02:22

>るんたたさん

お金で買える、見栄えで選ぶ、取り替え可能なおもちゃではけっしてないこと。
言葉ではない言葉で話し合える友達だということ。小さい時からわかってればね。

by 道ばた猫 2017-02-16 10:09

まなつくん、とーっても良いお子さん、素敵な大人になること間違いなしですね!!
猫の色々な表情や気持ちをまなつくんはきっと私よりも理解しているんだろうなぁ、すごいなぁ(*^_^*)

by とも 2017-02-16 20:19

>ともさん

そうですね。大人たちより、ずっと子供のほうが魂は近いのではないでしょうか。
ややこしいことはしないし、考えない(笑)。

by 道ばた猫 2017-02-18 10:31

一歳のまなつくん,本当に猫さんに対する接し方をちゃんとわかっているんですね。
ついつい可愛くて振り向いてもらいたい,触りたいといった自分のわがままを大反省しました

by ねこたま 2017-02-18 16:42

>ねこたまさん

小さい子がしゃがむと、猫さんと同じ高さの目線になるから、きっといろんなお話がはずむんでしょうね~~。

by 道ばた猫 2017-02-19 01:06

まなつくんにとっては、毛むくじゃらでも、お外に住んでいても、言葉が通じなくても、そんなこと何も関係なく、純粋にお友達なんでしょうね。
頭で考えるより前に、心で感じることって、大人になってもずっと大切にできますよね。
こういうことこそが、大きな土台になるって、本当にそう思います!

by ちぃこ 2017-02-19 20:53

>ちぃこさん

猫は、瞬時に友だちになれるかなれないか見分けますよね。
人間は、いろんな外観や条件を通すから、ああ、ややこしい。

by 道ばた猫 2017-02-21 00:13