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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2016年11月01日

信州の猫校長・・・たかねちゃん

先週ご紹介した椋鳩十記念館の館長さんに「時間があったら、この南の旧木沢小学校に行ってみたら。猫校長先生がいますよ」と教えていただきました。
猫校長さん! 夕刻が迫っていましたが、会わずにはいられません。
山間の道を3~40分ほど車で走ると、木沢地区に。

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おお、懐かしの全木造校舎の前に、「遠方からはるばると、ようこそ山奥に」とばかり、堂々たる風格のキジトラの校長先生が。
カメラの前で、ちゃんとポーズをとってくれました。
たかねちゃん、9歳。地元の人たちばかりか、各地から訪れる人に愛されている猫校長です。

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校舎は昭和7年に建てられたもので、たくさんの村の子どもたちを送り出し、過疎化によって平成3年に休校となりました。最後の児童数は3人だったそうです。
平成12年に廃校となったあと、地域の「木沢地区活性化推進協議会」の人たちの手で大切に保存されてきました。

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たかねちゃんは、もともと仔猫の時に村に捨てられていた猫。駐在さんが見つけ、小学校のすぐ下の家の飼い猫となりました。
飼い主さんがよんどころない事情でたかねちゃんを村に置いて引っ越した後、村の人たちは「みんなで面倒をみよう」とすぐに決めたそうです。
たかねちゃんは、子猫の時からしょっちゅう小学校に遊びに行っていましたから、廃校舎に住み着き、いつしか「猫校長」と呼ばれるように。

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校舎内は見学自由。黒板も古いピアノも図書室の本も楽器も、何もかも使っていた当時のままに置かれています。
チャイムが鳴ったら、いまにも子どもたちが笑い声と共に教室に駆け込んできそうなあたたかさが、そこかしこに満ち満ちています。

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たかねちゃん、ちゃんとあたたかい校長住宅を供与されているのですが、この日は宿直室のお布団の上で仮眠をとっていました。
仮眠の後は、シャキッとして、校庭見回りに出かけます。

そして、最後に立ち寄ったのは、お気に入りの給食室。
いまは、保存メンバーの休憩室ともなっています。

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居合わせたメンバーの方が「コーヒー飲んでって」と招き入れてくださいました。
たかねちゃんの食事などのお世話は、メンバーが交替で毎日しています。きょうの係は前澤さん。

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あれ、校長先生、さっきまでの威厳はどこへやら。前澤さんのお膝の上で甘えん坊しています。「見られちゃった」というお顔。

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村の人たちにいのちをバトンタッチされ、変わらぬ村の四季を眺めてきたたかねちゃん。
そんなたかねちゃんのファンは多く、遠方から何度も会いにくる人も。
誰でもフレンドリーに出迎えるたかねちゃんは村の活性化に一役買って、ちゃんと恩返しをしています。

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「春になると、校舎脇の桜が咲いて、いちばんいい季節。またおいで」と、見送ってくださった前澤さんとたかね校長先生。
日本の原風景・・・景色だけでなく、人々が心を寄せ合う地域の暮らしの中に犬や猫もいて・・・という心の原風景も、ここにはぽっかりと残されていました。

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写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

市川から転校してきた岩手の小学校は木沢小学校と同じ木造校舎でした。
外壁や床の感じをみて、すごく懐かしく思いました。(二週続けて小学校を懐かしみました)
そして・・・なんだろう・・・猫校長もなんか見覚えがある感じが・・・
その体格、首輪をしてないその風貌、その目つき・・・
わたしの身近にもいます(^^;
でもたかね校長の模様 トラみたいでもあり、なかなか面白いですよね~

by にゃにゃ 2016-11-01 13:54

木造の校舎ってなんでこんなに猫が似合うのかしら? たかねさん複雑な毛色ですね。背中は茶トラのような、 しっぽも黒や茶色のしましまで。なんて魅力的なんでしょう! きりっとした顔もよかったけど「見られちゃった」のお顔に萌えました。 佐竹さん、季節が変わったら行かなきゃいけないところがいっぱいで忙しいですね♪

by さりゅ 2016-11-01 15:35

地域の人達の優しさがあふれたいい学校ですね廃校になったとは思えないようです。本当に今でも、子供たちの元気な笑い声が聞こえてくるようです。たかねちゃんもなんて可愛いんでしょう。子供たちに囲まれた姿も見たいものです佐竹さんが毎週可愛い猫さんを紹介してくれるお陰で(そら恋しい病)が本当に癒されます。ちなみに、(たかね)という名前は私の小学生時代の親友と同じ名前でびっくりしました。

by ふみちゃん 2016-11-01 19:51

立派な校長先生がいますね!歴史と伝統ある校舎に負けてません(^.^)そこで自然の中でゆったりと暮らす姿は羨ましく思えます。わが家のにゃんたちも自由に自然の中で暮らせたらいいのにな(*´ω`*)

by ムーミンママ 2016-11-01 23:10

>にゃにゃさん

そうですか、この風貌・目つきの猫さんが身近にいますか(笑)。
1枚目の写真、たかねちゃんの足の間にワラビーがいるように見えませんか?

by 道ばた猫 2016-11-01 23:48

>さりゅさん

そうなんです。「また会いにくるよ」と約束している猫さんが各地に(笑)。
先日、4年ぶりに旧東海道を京急大森海岸から北品川まで歩きましたが(6駅)、なじみの路地猫が皆元気でうれしかったです!

by 道ばた猫 2016-11-01 23:53

>ふみちゃんさん

すべてがそのまま残っているというのが不思議な温もりでした。じつは、犬の教頭先生もいて、(この子も引っ越した人が村に残していったとか)、猟犬っぽい犬なので、裏に繋がれてましたが、よく吠えて、いい番犬をしていました。当番で散歩をさせているそうです。

by 道ばた猫 2016-11-01 23:59

>ムーミンママさん

はい、立派な校舎に負けない立派な校長先生でした。
教室、体育館、図書室、渡り廊下、校庭、給食室と、熱心に見回りをなさってました(笑)。

by 道ばた猫 2016-11-02 00:07

>ふみちゃんさん

書き忘れました。「たかね」という名前は、前の飼い主の苗字から一文字もらったのと、「高嶺の花」を合わせたネーミングだそうです。高嶺の花でなく、すごく庶民的な猫さんですが。

by 道ばた猫 2016-11-02 00:18

校門前で「いらっしゃいませ」と三つ指ついてお出迎えのたかねちゃんの写真が秀逸です。これが公の姿だとすれば、だっこされて「むふふふ」とした表情はたかねちゃんのプライベートの姿。このコントラストが面白いです。

by ムヨク 2016-11-02 13:36

>ムヨクさん

やっぱり土の上を歩いて、土の上で生きている、人や猫はいい表情をしています。
そうつくづく感じた信州日帰り旅でした。(実は週に2回いきましたw)

by 道ばた猫 2016-11-02 21:12

返信ありがとうございます。私も書き忘れました。人間のたかねさんは、校長先生の娘さんで美人で頭もいい人です。ちょっとしたお嬢様です。でも気さくで、誰にでも優しくて、みんなのあこがれ、まさに(高嶺の花)でした。本人はいたって庶民的でしたが。

by ふみちゃん 2016-11-03 19:36

うみちゃん、むくにゃん館長も、たかね校長先生も、やらされてる感がなく、自然とそこにいるのがいいですね〜。校長先生と呼ぶことで、周りの人達がふと笑顔になる。お散歩してても、校長先生の見回りとなるから笑っちゃいますね(^^)ユーモアもあって、猫たちも自由でいいところですね。ぜひ行ってみたいです。

by ちぃこ 2016-11-04 22:13

>ちぃこさん

そうなんです! 自然体でそこに暮らしていて、「館長さん」とか「校長先生」とか呼ばれて愛されている。なんともすてきな共生だと思います。地域の人たちに愛されているからこそのフレンドリーさでした。

by 道ばた猫 2016-11-05 22:14

いやー猫校長、立派な佇まい!
『気を付け』してお客様をお出迎えなんて、さすがすぎる!
いつまでも元気に活躍していただきたいですね。

ウチの子もたまーに『気を付け』します。
ゴハンが欲しい時に、ね。

by デジャヴ 2016-11-22 19:04

>デジャヴさん

そうなんですよ~ さすが校長先生、姿勢がいい。
出会ったとき、「猫なのに猫背じゃない!」って思っちゃいました(笑)

by 道ばた猫 2016-11-24 01:15