あたし、ぷーにゃ。
初めてのお客さんね。はるばる筑波山のふもとの町まで、ようこそ。
人気のランチを食べに来たんでしょ。
お父さんが薪窯で焼くイタリア伝統のパンはとってもとってもおいしいの。パンをおいしく食べてもらうためのお料理を、旨味がみっちり詰まったパンと一緒に召し上がれ。
食事が来るまでは、あたしが遊んであげてもいいし、
本棚にいっぱいの猫本を読んでてもいいのよ。
畳の上で猫のように自由に楽しく過ごしてね。
うら若く可愛い三毛猫さんにそんな迎え方をしてもらったのは、茨城県石岡市弓弦(ゆづり)というのどかな地にある「Panezza」(パネッツァ)というイタリア茶屋でした。
つくば連山のふもとにある築100年の農家の母屋がカフェとなっていて、蔵をリノベーションした薪釜パン工房の焼きたてパンも販売しています。
入り口でウェルカムをしてくれたキジトラ君も、とってもフレンドリーでした。
パネッツァのシェフ、角谷(すみや)さんは、イタリア留学中にその美味しさを知ってピッツァとパン作りの修業をして帰国後、益子にあるイタリア人パン職人の店でさらに修業に励みました。「自然の中でパンを焼きたい」......そんな思いが強まっていき、この地に巡り会ったのでした。
お店に入ると、広い土間。壁には猫の写真が。メニューの黒板。パンもそこで売っています。ぷーにゃちゃんのお気に入りの場所はパンフレットなどを置いているショーケース。
「でも、あたしは売り物じゃないのよ」
そりゃそうですとも。ぷーにゃちゃんは、カフェになくてはならぬ看板娘なんですから。
ぷーにゃちゃんがやってきたのは、2年前。
県内の行方(なめがた)市で保護された子猫で、縁あってここにもらわれてきました。
ここには、お店の「パネッツァ」の由来である「パンとピッツァ」からつけた名前を持つ、キジトラのぱーにゃくんと、白黒のぴーにゃちゃんが猫店員としてすでにいましたが、11歳というお年もあって自由気まま、サボる時間も多い店員さん。
やってきたぷーにゃちゃんは、誰にでもフレンドリーで、かまってもらうのが大好きな子だったので、「カフェの看板娘」という特命を受け、開店中は店内でせっせとお客さんの接待にいそしんでいます。
角谷さんは言います。
「ここにいらっしゃるお客さんは猫好きが多いのですが、中でも、年齢や住宅事情で猫を飼えない方や、『うちの猫はかまわれるのが嫌い」という方にはとても喜ばれていますね。パンを美味しく食べていただいて、楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです』
イタリアパンに巡り会って、人生が変わり、一生パン職人でありたいと願う角谷さん。
ここに住むまではまったく猫派ではなかったそうですが、いまや「ネットで見つけたので即買いました!」という前掛けをつけるほどの並々ならぬ猫好き。
「あたしたち猫も、お父さんの人生を変えているはずよ。猫のいる人生は、イタリアパンと同じくらい、みっちり旨味が詰まってて味わい深いんだから」
ぷーにゃちゃんの言う通り。
「ぱーにゃぴーにゃぷーにゃときたから、次に猫がやってくるとしたら、ペーにゃとぽーにゃかな」と、角谷さんは言っています。
※イタリア茶屋Panezza
茨城県石岡市弓弦688
木曜~月曜日 11:00~16:00(ランチは14時まで)
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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先週のサブおばあちゃんが若返ってまた出てきたのかと思ったら、同じ三毛でもぷーにゃちゃん。落ち着いたお客さん対応振りが顔にも体つきにも表れていて、畳や母屋の佇まいに本当によくマッチしている。ぷーにゃちゃんも保護ネコ出身とのこと、幸せになっている保護ネコを見ると心が和む。ぱーにゃくん、ピーにゃちゃん共々、皆さま仲良くお元気でお過ごしください。
by Y,M 2026-07-28 12:12
ぷーにゃちゃんのお家はとっても素敵ですねー!古い家には猫が似合いますね。
パンもきっと美味しい!!
角谷さんの前掛け良いですーー即買いの気持ち分かります。私も猫柄のものを見ると、欲しくなって、ついつい・・・今、コーヒー飲んでいますが、もちろんマグカップは猫柄です。
by ちぃ 2026-07-28 15:30