まるっと可愛いサビ三毛の海(うみ)ちゃんは、去年の秋生まれ。もうすぐ1歳になります。
ニンゲンの家族はお父さんとお母さん。5月までお姉ちゃんもいたのですが、就職でおうちを離れてしまい、猫たちに会いたがっています。
猫家族は2匹。海ちゃんのお兄ちゃんたちです。
タワーハンモックでまったりしているのは、たいがくん。
キャットタワーのてっぺんから見下ろしているのは、じゅりくん。
それぞれにお気に入りの場所があるのです。
「あたしたち3匹ね、お外で生まれたの。そんで、おもしろい経緯でここで兄妹いっしょになったの」
とあるおうちの庭に、ノラ母さんが生後2か月くらいの子猫3匹を運んできたのは、去年の11月のことでした。
保護譲渡活動をがんばっている尚美さんのアドバイスのもと、そのおうちでは子猫たちをいったん保護、母猫はTNRをしました。
子猫は濃い茶トラの男の子が2匹。サビ三毛の女の子は、ポケットに入るくらい小さく痩せていて、他の2匹の半分の大きさ。背中も禿げていて、即入院となりました。先生に「育つかなあ」と言われたけれど、小さな体で頑張りました。猫風邪の後遺症からか潰れていた左目は治りませんでしたが、生活に支障はありません。
元気なお兄ちゃん2匹は、尚美さんたちが開く譲渡会に写真や資料で参加。
茶トラの雄猫2匹の写真に心動かされたのが、しょうこさんでした。
しょうこさんのおうちでは、兄妹猫とずっと暮らしていたのですが、兄猫を10歳で、妹猫を17歳で見送ってから、猫のいない暮らしとなりました。
「やっぱり、猫と暮らしたい!」...その思いを、猫と一緒に大きくなったひとり娘も大賛成、夫君も賛同してくれて譲渡会へ。そこで目に留まったのが、茶トラ兄弟のプロフィール写真だったのです。
「前も兄妹で迎えて最後まで仲良しだったので、こんども兄弟がいいと思って」と、しょうこさん。
話を進めるうちに、じつはもう1匹女の子がいて、その子は1カ月ほど入院していたとのこと。
「それなら、その子もいっしょに迎えてやりたい。でも、一度に3匹は...」と悩んだそうですが、最終的に夫君の理解のもと、2匹を迎えた直後、退院後のもう1匹も迎えることに。
お兄ちゃんたちのいるおうちに合流した海ちゃん。
最初こそ、お兄ちゃんたちのプロレスごっこに入りたいけど入れないそぶりで、もじもじしていましたが、よく食べてみるみるまるまると。
「そうなんだ。海って、よく食べるんだ! あんなちっこかったのに!」
いまや、たいがくんたちが1歳前にしては大きい4キロ。海ちゃんはなんと、5キロ。
「のびのびしあわせそうで、よかったよかった」と、縁を結んだ尚美さん(右)。
「3兄妹そろって迎えて、ほんとうによかった。毎日可愛くて毎日よく笑います」と、しょうこさん(左)。
寝るときも一緒で、じゅりくんはお母さんの枕元、たいがくんはお父さんの足元、海ちゃんはお母さんの足元が定位置だとか。
兄妹と言っても、性格はそれぞれだから、おもしろい。
海ちゃんは、マイペースで、賢くしっかり者という感じ。
たいがくんは、やんちゃで好奇心旺盛の甘えん坊。大好きなお父さんに後ろから飛びついてびっくりさせたり、紐食べ事件を起こしたり。じゅりくんも同じく天真爛漫で甘えん坊だけど、ちょっと慎重派。
おやおや、海ちゃんがじゅりくんをコーナーに追いつめる場面も。これもいつものお遊びのうち。
じゅりくんは、ダミ声。
たいがくんは、ボーイソプラノ。
そして、海ちゃんは、サイレント気味であんまり鳴かないけど、時々可愛い甘え声。
性格も鳴き声もみんな違って、それがいい。
でもね、気がつきましたか?
性格も鳴き方も違うのに、目の色は同じ。きれいなアンバー色です。
そして、怖いものも同じ。雷やバイクの音が大嫌い。
同じ色の目を持ち、同じ怖いものを持つ3匹は、離れがたい運命にあったのかも。
お父さんお母さん、私たち兄妹を一緒に迎えてくれてありがとう。
きっと私たち、仲良く年をとって、揃って長生きすると思うの。
これからもよろしくね。おいしいごはんと、フカフカの寝床と、毎日の笑顔を。
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『
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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