先々週の道ばた猫日記「リレー・子猫を救え」の主人公、未来くんのその後のお話です。
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道ばた猫日記20260609「リレー・子猫を救え」
彼は、5月18日に側溝の中から、自動車工場の方や下校中の中学生たちによって2時間かけて保護され、近くの無農薬野菜直売所「かざぐるま」で店番をしていた農家の尚子さんのもとへ。そして、5月29日、預かりの手を差し伸べてくださった市川市のジャム美容室へ。オーナー自宅からの通い猫政宗と店猫の百太郎が遊び相手をしてくれ、家猫になるための特訓もしてくれました。
保護時は540グラムだったのが、6月半ばには1360グラムに。
ヤンチャも甘えん坊も全開の元気な子に育っていきました。
店がお休みの前夜には政宗共々スタッフ宅にお泊りに行って、その家の虹丸くん(政宗に育てられたジャム卒業生)に憧れ、飛びかかってはウザがられてもめげず、ついに相手をしてもらうはっちゃけぶり。
ジャム美容室さんと私は「めげないところは市川市動物園のパンチくんみたいね」と言い合っていたものです。
「秋までにはおうちが決まるといいなあ」と、私はひそかに思っていたのでしたが......。
預けて2週間ちょっとのある日、「決まりました~!」の知らせが。
その日、美容室に髪をカットしに来店したのが、高校生と中学生の姉妹。お母さんも付き添いでやってきました。母娘は、政宗くんの大ファンで来店を楽しみにしているのです。
「今ね、子猫がいるんですよ」とスタッフが客席まで連れてきたのが、愛らしい未来くん。
未来くんは、やんちゃなのですが、甘えん坊でもあるので人の膝の上が大好きなのです。
この日も、じーっと膝の上でお利口にしていました。
「この子、うちの子にしたいね!」
母娘はすぐに未来くんにぞっこん。「猫を飼いたいね」とずっと言い合っていたのですが、踏ん切りがつかずにいたそうです。そんなときの思いがけない出会いでした。
「相談してきます」といったん帰宅した母娘は、夕方、お父さんもいっしょに再訪なさいました。
未来くんを見るなり、お父さん、「カワイイ...」とつぶやいたそうです。
「どうする、どうする」と奥さんや娘たちにせっつかれたお父さんの答えはこうでした。
「どうするって、もう飼うって決めてるんでしょ」
6月18日が未来くんの卒業日。
うれしそうな姉妹の腕の中へ。
新しい名前は「虎太郎(こたろう)」です。
「この子が来たら、少しは姉妹が仲良くなってくれるかな」とお母さん。
なりますとも。猫の効果はどこでも抜群ですから。
政宗くんからの教育期間は、たった20日間でしたが、ほんとうにすくすく元気に、いっそうものおじしない賢い子に育ちました。
ジャム美容室では、送り出すときには、譲渡先にこんな送り状を添えます。
譲渡の日には尚子さんも駆けつけました。
「よかったね。未来、うんと可愛がってもらうんだよ」
政宗くんも、最後のブラッシュアップのひと舐めを。
「いいとこ見つけたな。近いんだから、また遊びに来いよ」とでも耳打ちしたかな。
未来改め虎太郎くんが、お迎えのケージに入れられると、なぜか政宗と百太郎コンビは、神妙な顔つきでケージの中からお見送りしました。
さて、きょう、虎太郎くんのおうちに「その後、どうですか」と電話でお母さんにお尋ねしてみました。
来た日だけは神妙にしていたそうですが、今はもうすっかりやんちゃも甘えん坊も全開モード。やってくるお客さんにも甘えてひざに乗りたがるそうです。
お姉ちゃんたち、お母さんはもちろん、お父さんも「メロメロ」状態なんだとか。
みんながこぞって遊んでくれるので、遊びまくって夜はコトンと寝てくれるそうです。
「こんないい子っているんですね」と、お母さん。
ジャムさんが、記念に3匹勢揃いの写真を撮ってくださっていました。
とってもいい写真。3兄弟のように過ごしたかけがえのない20日間。
政宗くん、百太郎くん、ありがとう。きっとまた3匹の時間が作れると思うよ。
側溝から救ってくれた中学生たちの学校名から「未来」という名を尚子さんは付け、その未来が愛され祝福されるようにとの思いも込めました。
その通り、「未来」という幼名をもっていた虎太郎くんの未来は、少年になってもおじさんになってもおじいちゃんになっても、ずっとずっと家族の真ん中で愛される存在間違いなしです!
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「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

『
猫は奇跡』
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選

『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

『
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ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

『
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写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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