フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所: 神戸市内
(1)捕獲器で子猫を捕まえたいとの相談
9月下旬、「会社敷地内に来る野良猫に困っているところ、最近子猫が生まれていたことがわかりました。親猫は無理だが、その子猫を保護することを考えているので相談にのってほしい」とメールが届きました。
外で暮らす子猫が家猫に迎えてもらえる話なので、少しでも早く捕まえてあげたい。
そして親猫が子猫と一緒に現れるのなら、この機会に不妊手術をしたいので、現地で相談者さんに話を聞きました。
そのときに子猫はいなかったけれど、母猫が日の当たるフェンス近くでくつろいでいました。
近所でエサをあげている方を訪ねて、子猫の保護と親猫のTNRについて説明すると、協力を約束してくださいました。実は母猫だけでなく、父猫らしいオス猫も来るということで、すぐに神戸市人と猫との共生推進協議会に申請。
そしてスケジュールを決めようと調整していたら、なんと、10月初旬にエサやりさんが子猫を捕まえてキャリーバッグに入れることができたのです。体重1キロちょうどくらいのオス猫でした。というわけで相談者に子猫をすぐに渡すことができて、相談者の目的が速やかに達成できました。その子猫は少し大きくなってから去勢手術をします。
次は親猫を捕まえることです。10月中旬にエサやりさん宅のベランダから猫が室内に入ってきたときに窓を閉めて捕まえようとしたら、察した猫はパニックで走り回り、1ヵ所だけ開いていた小窓から外へ飛び出しました。
エサやりさんが触れる、抱っこもできる猫でも、いつもと違う雰囲気がわかって驚いたのでしょう。以前と同じようにエサを食べに来るまで待ちました。捕獲は11月になりそうなので協議会に再申請。
11月中旬に捕獲器を仕掛けて夕方と夜中に親猫2匹を捕まえることができ、朝一番で病院に搬送しました。
エサやりさんは安心してお世話ができると喜んでくれました。新たな野良猫が現れたら、またTNRしましょう、と話をして作業終了です。

手術済みの印、耳にV字カット をして元の場所にリターン。
(2)セミナー開催
昨年に続いて「ペットと高齢者の問題 partⅡ」としてセミナーを12月8日に主催しました。
もしもに備える! 高齢者に限らずペットを飼っている人は考えておいたほうがいいことを学びました。
まず、ペットシッターについての話。どんなことを引き受けてもらえるのか私は知りませんでした。
ペットホテルに預けるのと違うところは何か、説明を聞きました。病気などで入院することになった...
急な困りごとにもすぐ対応してもらえるようです。通院代行ほかの事例紹介も分かりやすく、こういう情報を知っているだけでも安心できますね。
ペットの信託についての話も参考になりました。

ペットの信託
自分の家族同然のペットを誰に託すのか、ペットに係る費用を遺産で残すにはどのような方法があるのか。初めて聞く内容でした。信託の申込み利用者は、病気で余命がわかり準備を始める方が多いそうです。
信託契約と費用に関してや残されたペットにどのように里親探しをしてもらえるか等、質問の手があがりました。
年間でペット1匹にかかる費用の概算から生涯飼育費用を把握する、その金額を準備しておくことが必要ということ、セミナー参加者だけでなく、広く飼い主さんに伝えたいと思いました。
(3)漏斗胸(ろうときょう)矯正手術した子猫に終の棲家が決まった
昨年6月に1通の相談メールが届きました。
「私たちはドイツから来た留学生です。学校の近くで子猫を保護しましたが、来月にはドイツに帰ります。引き取って飼い主探しをしてもらえないか」と保護依頼がありました。

留学生さん提供の写真
私たちはシェルターを持っていないので、話を聞きに行った会員が預かりを引き受けました。
ひき取りの際に留学生から動物病院で先生に「漏斗胸」と言われたとのこと。調べてみると肋軟骨が内側に曲がっている状態、そのままでは大きくなるにつれ肺や心臓を圧迫し、長くは生きられない。骨の柔らかい子猫の時に伸ばす手術をすると、うまくいけば生きながらえる。
それなら手術をして、元気に走り回ることができ1年でも長く生きてほしい、小さな体に全身麻酔、命の危険もないわけではないが、手術を受けることを決断しました。子猫は月齢2カ月、体重が1㎏になるのを待ち、漏斗胸矯正手術を受けました。

手術が終わり退院するハチ子
そして手術は無事に終わり、定期検査をうけ経過も問題なく、1年半が経ちました。
白黒ハチワレのハチ子はどの子よりも元気で、投げたおもちゃを取りに行き、また投げてくれと持ってくる。何度も何度もきりがない。息切れがしないか心配するも、ああ元気になった、よかったなぁ。

1年半経過したハチ子
2024年12月、正式に譲渡先が決まりました。
幸せに猫生をおくってくれることを願ってやみません。
<ご支援くださっているみなさまへ>
いつも私たちの活動を支えていただき心より感謝申し上げます。
私たちの会員は地域猫活動、猫の保護、TNR や啓発活動をする中で、1 人ではできないことを皆でやるからできていると感じます。
そして、行政だけではできない、市民だけではできないことを協働して前に進む。
これからも人と猫との幸せな人生をサポートできるように頑張ってまいります。
「特定非営利活動法人神戸猫ネット」
https://kobenekonet.com/