フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。
実施場所:長野県上田市周辺及び東信地区
① 泥水の中でぐったりしていたぷぅちゃん
『泥水の中でグッタリしている犬がいる。水を与えたが飲まずに虫の息...このままでは死んでしまう...』
昨年9月一通のメールが来ました。
長野県は広く、車で3時間ほどかかる場所でした。
緊急を要するため、飼い主と交渉、相談する時間はないと判断、相談者の方に、飼い主に『この犬を引き取りたいから』と、連れ出してもらうことにしました。
いつもお世話になっている病院にも事情を話して、受け入れ準備をしていただきました。
ぐったりして汚れていたシーズー。
熱中症? 『どうか間に合って...』 祈る様にして病院へ向かいました。
さいわい熱中症は軽度なものでしたが、驚いたことに、レントゲン写真には、まっぷたつにひび割れた頭蓋骨、胃の中にはたくさんの砂や砂利が写っていました。
後天性の脳神経障害。頭蓋骨が割れるほど、頭になんらかの強い衝撃があったのでは...
先生からお話しがありました。
胸が痛くなりました。
そんな子が暑い中、日陰も見つけられず、やっとたどり着いた水たまりの泥水を飲んで生きながらえていたのです。
目も見え、耳も聴こえているけれど、脳で処理ができない、そんな『ぷぅちゃん』が一生懸命生きていてくれました。
相談者の方も、偶然そこで出会った『ぷぅちゃん』をなんとか助けたいと、自分で飼えないか、周りの人にも掛け合って何件も断られたけれど、それでも諦めずに愛護団体に相談して回り、当会に行き着き連絡してくれたのでした。
飼い主にも直談判してくださり、『ぷぅちゃん』の命をつないでくださりました。
動物病院の先生、看護師さんも夕方の忙しい中、『ぷぅちゃん』の命をつないでくださりました。
こうして命のバトンをつないでいけるのは、関わってくださる皆様、そして支援という形で一緒に活動を担ってくださっている皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
6月末現在、『ぷぅちゃん』は、お水、ご飯を顔の前まで持っていくと上手に食べ、オヤツを近くに置くと、まるで宝探しをしているようで、喜んで食べています!
まっすぐには歩けませんが、円を描くようにテクテクと歩き、疲れると亀のようにぐっすり眠ります。
見ていて、とてもかわいくて、いとおしいです!
たくさんの仲間もできて、新しい家族との出会いを待っています!
② ルイとオイ
4月21日、保護された2頭は、あまりにも痩せていました。
当会では、保護してすぐにシャンプーをします。全身をチェックし、触ることにより、その後の健康診断で特に診てもらいたい箇所が分かるだけでなく、その子の性質(全てわかる訳ではないですが)やどんな生活をしてきたのか...苦手なことは何かが分かるためです。
お爺さんに飼われていた2頭、でも家族が飼っていたのではありませんでした。
『実父が、入院する事になり実母は腰が痛くて面倒を見られない。自分は結婚し、家を出ていて子供達はアレルギーがあるため引き取れない。』と会に相談がきました。
状況を聞くと、かろうじて、ご飯は1日1回与えているが、ケージに入れ、日中は外につないでいるとのこと。
緊急性はなさそうな話ぶりでしたが、いざ自宅へ行ってみると...
庭というか、敷地に鉄の棒が突き出ており、そこに2頭が係留され、リードは1mもなく、また同じ鉄の棒に係留されているため、お互いのリードが絡み半径50cm内でほぼ身動きの取れない状況でした。
被毛や爪は伸び、汚れていて2頭とも痩せ、一頭は耳の毛がポロポロ皮膚ごと剥がれ落ちている状態(栄養失調の症状)。
飼い主の奥様と娘さんに話を伺い、また驚きました。
名前→わからない
年齢→知らない
性別→不明...
相談してきた娘さんが、
『うちでは昔からペットは全て担当制で、父の犬、母の犬、弟の犬という感じで、家族は自分の犬意外は関与しないんです。』
『2階に弟夫婦が住んでいるが、大きな犬を飼っているが、もちろん名前も知らないし、触ったこともない。』
ご家庭により飼い方はそれぞれですが、ショックを受けた一件でした。
栄養失調のダックスの『ルイくん』(※その場にいたお孫さんが名付けた)をシャンプーして、その後医療機関の検査に行きましたが、とにかく身体をもう少し作ってからと、2か月間、医療を見送りました。体重がのってきてからの医療で、前立腺肥大がわかり、クッシング症の治療、去勢手術となりました。
ルイは年齢10歳を超えており、歯は歯周病が酷くほぼありませんでしたが、クッシングの薬もずっと必要になることも理解の上で、素晴らしい里親さんに迎えられました。
もう1頭の『オイくん』(※お爺ちゃんはいつもオイ!オイ!と呼んでいたからと、やはりお孫さんがその場で命名!)
汚れ、毛玉だらけの被毛を丸刈りにすると、背骨やあばらが触れるほど痩せていました。
ルイより、いくらか若く7、8歳ぐらいと思われました。
こちらも医療を済ませて、数ヶ月後、やさしい里親さんに巡り会い、現在は『ツナくん』という名前でとても愛されながら暮らしています。
保護から1か月程で、飼い主のお爺さんは亡くなられてしまいました。
高齢者とペットの課題は山積みです。こうした相談が後を絶ちません。
一部の人間が頑張るだけでは中々解決できない状況です。
もっとたくさんの人が課題を知り、行動を変えていかないといけません。
以上、ぷぅちゃん、ルイ、オイの報告させていただきました。
<ご支援くださっているみなさまへ>
私達の目標は、『保護犬猫ゼロ』です。
この目標を達成するために、皆さまのご理解とご協力をとても必要としています。
人にも動物にも優しい社会をめざして共にがんばりましょう!!
「NPO法人 一匹でも犬・ねこを救う会」
https://www.inuneko-sukuukai.com/