暑すぎた夏がようやくかなたへ過ぎ去りました。
外で暮らす猫たち、よくがんばったね!
「ふう~、やっと涼しくなったぜ」と、地域猫のクロスケくん。
あっという間に冬がやってくるけど、冬毛の支度、間に合うかな。
そう、毛皮を持つ動物たちは、夏毛と冬毛で、暑さ寒さを調節します。長い歴史の中で「イエネコ」になった猫たちも、野生時代の名残で、5月に夏毛となり、9月から冬毛の準備をするのです。外で暮らす猫たちは、一目瞭然です。
先週会った、おかげさま農場のチャーリーちゃんは、夏毛から冬毛になる準備をしている真っ最中で、スレンダーだった夏の盛りと比べ、ほんの少しふっくらしてきました。
ちなみに去年の冬のチャーリーちゃんといえば......。
顔や体の丸みが全然違いますね。
皮下脂肪を蓄え、被毛も密に長くなって、寒い季節を越すのです。
若い猫さんは、この新陳代謝や毛の抜け変わりが上手にできるのですが、年を取ると、難しくなってくるようです。
わが家の16歳の菜っぱさんはクーラーが嫌いで、夏じゅう頑固に暑い部屋で過ごしたので、細おもてになってしまいました。
これから冬に向かって、元通りのふてぶてしいお顔に戻ってほしいものです。
ここ数年の暑さは、高齢や持病を持つ猫さんたちには酷なもので、秋風が吹き始めたあたりからなじみの猫さんが次々と旅立っていきました。
ジャム美容室の小梅姐さん、長い間フロアマネージャーをありがとう。高齢の小梅さんは、糖尿病と高血圧の持病を持っていましたが、最後の日々も美容室内で大事に大事にされて、スタッフの胸に抱かれて安らかに旅立ちました。
2021年3月の道ばた猫日記「
『猫嫌い』のおじさまと猫」で紹介した愛らしいももちゃんも、ついこの前に旅立ちました。
「猫嫌い」のおじさまは、ももちゃん旅立ちのお話をしてくれたとき、「猫がいいんじゃなくて、ももがよかったんです」と、涙が止まらなかったよ。愛されて幸せな一生だったね。
今年7月の道ばた猫日記「
家族とともに20年」のにゃんたろうくんも、この夏を乗り切ったところで空へ帰っていきました。一緒に取材したはなちゃんもその前に急逝しているので、どんなにかご家族はおさびしいことでしょうか。「ブログがうちの子たちの生きた証になりました」と言っていただけて、少しホッとしました。
涼しくなって食欲が戻り、やたらと膝に乗ってくるようになった菜っぱさんを撫でながら、冬毛になろうとしているこのやわらかな手触りも、今、いっしょに生きている証なんだなあと、しみじみ思います。
もっとも、夏冬関係なく、丸々と絶好調な猫さんも、なかにはいます(笑)。
ジャム美容室の通いスタッフ政宗くん。
預かり子猫教育係でもある彼は、日ごろからしっかり体力をつけているのです。
なによりです。
おかげさま農場の農家さんによって保護された、カラスに突かれて前脚が麻痺し、後ろ脚が骨だけになったむぎちゃんの治療はまだまだ続きますが、先住猫たちと一緒に元気に冬を迎えられそうです。
むぎちゃん基金のための、チャリティートートのモデルはチャーリーちゃんがあい務めます。
「ガリガリだったあたしと同じように、農家さんたちに命救われた冬毛の仲間たちを応援するの」と、チャーリーちゃん。
チャリティートートは、成田市のおかげさま農場の農家さんが作った無農薬野菜の直売所「かざぐるま」に置いてあります。500円の売り上げ全額が、むぎちゃんはじめ、大怪我を負っていたり路頭に迷っていたりした近隣の外猫の手術や治療・保護などに使われます。
お近くに来られた折は、ぜひ直売所にお立ち寄りください。
(成田市伊能220 おかげさま農場直売所「かざぐるま」。年中無休。冬季は11時から17時まで)
美味しい無農薬秋野菜と、冬毛準備でモコモコになり始めたチャーリーと、冬毛バージョンのチャリテイートートが待っています!
「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。
『
猫は奇跡』
"ふつうの猫"たちが起こした奇跡の実話17選
『
猫との約束』
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを
『
寄りそう猫』
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。
『
猫だって......。』
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。
『
里山の子、さっちゃん』
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。
『
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫』
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!
写真
道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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今年の夏は本当に暑かった。地域猫さんはさぞっかし大変であっただろう。冬への備えがスムーズにゆきますように。それにしても、多くの愛を受けて幸せだった仲間も、いつかは天国に。命あるものの定めとはいえ、見送った方々の悲しみは計り知れない。せめて先に言った仲間達が、天国で皆に温かく迎えられていることを祈りたい。政宗くんの元気な姿にホッとすると共に、むぎちゃんのが全快した姿を早く見たいものだ。
by Y.M 2024-11-05 15:41
全身の疥癬で、リオオリンピックの最中に保護して、イケメン化プロジェクトと題しで茉莉子さんに紹介して頂いたリオが、先週、腎臓病のため旅立ちました。
リオオリンピックから東京オリンピックを経て、パリオリンピックが終わって、虹の橋を渡って行ってしまいました。
「猫だって」や「猫びより」に載せていただき、良い思い出になりました。
by チセママ 2024-11-05 16:42
家の床に、猫毛がふわふわと舞っています。毛色であの仔かな?この仔かな?と思います。
若い仔は、上手に切り替えられています。でも、18才の黒猫さんは、お尻の辺りがもしゃもしゃです。ブラシをあてると嫌がります。
暑い夏がようやく去りかけ、お布団の中に入ってくれたり、ど真ん中の上に乗ったりしてくれ始め、ひとつ幸せが増えました。
by ちぃ 2024-11-05 21:16
夏毛から冬毛生え変わる季節ですね。
本当に今年は暑かったです。
夏の間はそばに寄って来る程度で腰ポンポン要求だった我が家の姫も、何事もなく膝の上に乗るようになりました。
ブログに登場したたくさんの猫さん達もお空に帰っていったんですね。
日頃の何気ない時間を大切にしておかないと。
by ヤンヤン 2024-11-06 05:01
お外のネコさん達には、ほんとうに過酷な暑さでした。うちに通ってくる地域ネコさん達が毎日気がかりで、無事を祈るような思いで過ごしました。
ブログを彩ってくれた素敵なネコさん達、たくさん天国に旅立ってしまったんですね…
淋しいです…
みんな、ほんとうにありがとう!
これからも佐竹さんのブログの中でみんなに逢えますね(^o^)
by ぴっころ 2024-11-19 14:56