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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2023年06月26日

「特定非営利活動法人もりねこ」さまの活動レポート(2022年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:岩手県盛岡市

2022年10月10日、もりねこ代表工藤の、そしてもりねこスタッフ一同の、かねてからの夢であったレスキューホーム及び保護ねこや地域ねこの避妊去勢手術を専門としたスぺイクリニックの開設が、ついに実現いたしました。

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もりねこ診療所外観。

診療所の存在自体が啓発となるよう、敢えて一般にはまだなじみの薄い「スペイクリニック」という文言を明記しております。

もりねこ診療所の院長である獣医師はもりねこスタッフです。通常は1名で避妊去勢手術を実施しておりますが、多頭飼育崩壊現場の避妊去勢手術の際には応援してくださる獣医師も確保して一気に手術を進めます。
獣医師の診療をサポートするのが実務経験豊かな動物看護師2名。手術の際はもちろん、2階にあるレスキューホームに保護されているねこたちの健康管理、衛生管理にも実力を発揮してくれています。
こちらの施設が出来たおかげで、お外に居たねこ達をすぐに受け入れることもできるようになりました。

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沿岸の宮古市からのレスキュー案件のねこたちです。

ご高齢の方が避妊去勢手術をせずに外で飼っていたねこたちですが、その方が亡くなってしまいご親族の方からレスキュー依頼がありました。ご本人もご高齢でご自身ではこれ以上のお世話や避妊去勢手術をするための通院などもできない、ということでもりねこがレスキューに入り、引き取りをいたしました。

診療所ができる前ですと、ウイルス検査やワクチン、手術が完了するまでに時間がかかっておりましたが、自前の診療所で全てできるようになりましたのでウイルス検査、ワクチン、駆虫などはレスキュー当日、手術もすぐに実施可能になりました。これは、譲渡可能な状態になるまでの期間が短縮されるということです。また、同じ施設の1階が診療所、2階が保護施設ですので通院のストレスも軽減されます。

お外に居たねこたちをすぐに受け入れることもありますので、必要最小限の設備で運営しているもりねこ診療所ですが、感染症対策には万全を期しております。外に居たねこたちは検疫期間が終わるまで検疫室で隔離いたします。ステンレスケージも活用し、缶延焼対策をしっかり行っています。
また、もりねこ診療所ができたことで今までできなかった多頭のTNRも可能になりました。

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盛岡市保健所からご相談のあった現場の写真です。

お世話している方も何匹いるか正確には把握できていない状態です。保健所職員さんによると、メスだけでも30頭以上いるとか。お世話をしてくださる方が愛情をこめてお世話をしてくださっていましたので人なれしている子も多いです。
本当はすぐに全頭を引き取り、ずっとのおうちにつなげることができるのが理想です。が、自身の団体の収容能力を超えての引き取りは団体自体が多頭飼育崩壊になりかねません。まずは今以上に数が増えないよう、避妊手術をして地域ねことしてお世話を継続していただき、少しずつもりねこでお引き取りすることにいたしました。これ以上数が増えることがなくなる、という展望が見えたため、お世話をしてくださっている方の表情もとても明るくなり、ねこの搬送などにもご協力いただけることになりました。

もりねこスタッフ獣医師のみでは対応しきれない数ですので、もりねこの活動にご理解・ご賛同くださっている獣医師の方にもご協力をお願いして手術を実施。動物看護師2名もフル稼働です。一斉手術の初日は53頭のねこたちの不妊手術を終えることが出来ました。1日で53頭の手術を終えることは、もりねこ診療所が出来るまではできなかったことです。 翌日には5頭の不妊手術も実施いたしました。まだ2~3頭いるということで、総数は60頭前後になりそうです。

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獣医師と動物看護師各2名で手早く処置を終えていきます。

必要最小限の機材ですが、自分たちが動きやすいよう動線を考えて内装をリフォームいたしましたのでとてもスムーズに手術できる配置となっています。

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実務経験豊かな看護師スタッフ2名も、手際よく手術をサポートします。

現在まで9年間活動してきた中で感じてきた限界を乗り越え、殺処分ゼロの実現にとどまらず、その先の未来を見据えてのもりねこ診療所です。
今後は、行政との連携も強化してまいりたいと考えております。
具体的には、全国でも顕在化している高齢者による多頭飼育崩壊案件を未然に防ぐためのシステムの構築をめざしています。そのためには、もりねこのような動物愛護団体と、動物に関わる保健所のだけではなく、高齢者に直接かかわっていらっしゃる福祉行政も加えて3者による協力態勢を築くことが必須です。それぞれの役割分担や活動費用など、クリアしなければならない問題は山積しておりますが、各々が出来ること、得意なことをうまく分担していけば道は拓けると信じています。


<ご支援くださっているみなさまへ>
みなさまからのご支援のおかげで、念願であったもりねこ診療所を無事開設することができました。
10月の開設から12月24日現在で146件の手術を実施するなど、精力的に活動しております。
しかし、もりねこ診療所は開設からまだ2か月余り。ここから、動物愛護センターのない岩手県の動物愛護の拠点となれるよう、大きく育ててまいりたいと考えておりますので、引き続きのご支援、応援をどうぞよろしくお願いいたします。



「特定非営利活動法人もりねこ」
https://www.morineko.org/
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