[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2021年10月18日

「特定非営利活動法人猫と人を繋ぐツキネコ北海道」さまの活動レポート（2020年度）

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、毎月ひと口１００円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所：北海道札幌市

●砂川（すながわ）市多頭飼育崩壊案件
こちらの案件は２０１７年に相談を受けたのが始まりでした。
お金に余裕のあった飼い主が「自宅２階に猫部屋を作り、繁殖させ、アルバイトも雇って飼育していたのだが、病気を患い飼えなくなる」という内容でした。当初８０匹ほどと聞いていた猫は、妊娠中や出産した猫などで、数えると１００匹を超えていました。

その後飼い主は入院を繰り返し、その費用の負担も大きくなり猫のアルバイトさんも雇えなくなったそうです。しかし、住み込みのお手伝いさんと元アルバイトの方が気にかけて、ボランティアで猫の様子をみてくれました。自宅はそのままあるということなので、こちらのキャパシティを超えない程度に少しずつ引き出して、残りの猫のフードや砂を支援していくことにしました。
また、お世話が追い付いていなかったので、当団体はスタッフボランティアを引き連れて猫部屋の清掃にも何度も伺いました。

４年間をかけ、複数回にわたって１２５匹を引き出し、新しい里親へ譲渡に繋げることができました。

そんな中、２０２１年に入ると飼い主が他界したとの連絡がありました。
これまでコロナウイルスの影響もあってなかなか動けずにいたのですが、お手伝いさんが一人でお世話をされていたので、まだ残されている１２匹の猫たちの様子の確認と引き出し・清掃を行うために再び4月に訪れました。

ごはんと最低限のおトイレ掃除はしてもらっていたようですが、やはり衛生的とはいえない状況でした。仕方のないことです。そこで部屋全体の清掃を行い、新たに5匹を引き出して連れて帰りました。
この案件の猫たちはほとんどがエイズキャリアで、医療費も200万円以上かかりました。
全頭不妊手術も行いましたが、相談者でもある飼い主さんからは２０万円ほどの医療費しか受け取ることができず、飼い主さんは亡くなってしまいました。

残りは全て団体の負担となり、皆さまからのご寄付から賄われます。このように相談者・飼い主から医療費をいただけないことは残念ながら少なくありません。
毎月100万円ほどかかる医療費を支払っていけるのはみなさまのご支援のおかげです。

●春は繁殖の季節
今年も子猫の季節がやってきました。
・段ボールで遺棄された生後一週間程度と見られる6匹。
・母猫と保護された6匹。
・動物病院の前にセーターにくるまれて遺棄された目も開いていない5匹。
一気にやってきました。

子猫は元気でも一瞬で体調を崩し、死に至ります。
野良猫だった母猫の栄養状態は悪く、母乳に栄養がないと育てられないことも多くあります。
そして、母猫は弱い子猫を排除していきます。
今回も一匹が猫風邪から肺炎に。酸素室で頑張りましたが、桜の花が散るようにあっという間にその命は空に還っていきました。

動物の遺棄は犯罪です。
どれだけの命が生まれ、落ちて散っていくのでしょう。
私たちが救えるのはほんの一握りの猫たちです。
その後ろ側にあるたくさんの問題を解決しなければ何も変わりません。

＜ご支援くださっているみなさまへ＞

いつも様々な形のご支援、たくさんのご支援を誠にありがとうございます。
多頭飼育崩壊の飼い主の多くは、もともと猫が好きな普通の飼い主さんが多いです。

猫にも飼い主にも、今後なにが起こるかはわからないので、
私たちは'高齢だから''単身だから''外国人だから'それだけの理由で飼育希望者を判断しません。個人個人としっかり話をして、譲渡の後も一緒にサポートしていくことで他団体では断られるような人にもチャンスを広げることで、猫の生き場を広げています。

今後も常に新しいアンテナと柔軟な思考を元に
猫と人を繋ぐことで、地域社会へ貢献できる活動を真摯に続けていきます。
皆さまの末長いご支援をどうぞよろしくお願いいたします。