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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2020年02月05日

ひとつひとつがご長寿につながる細やかな猫育て術

「え、えっ?」私が二度見したのはまずダイニングテーブルの上に猫ハウスが置いてあったから。さらに中を覗くと気持ち良さそうに猫が寝ているではありませんか。テーブル上の猫ハウスはさて置き、寝ている猫が今回の主役「モカ」だと知り、さて時間内に起きてくれるのか? どんな作戦で行こうか? とあれこれ考えつつ「猫又トリップ」のスタートです。

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若さの秘訣を探して


もうすぐ17歳になるとは思えない容姿のスコティッシュフォールドのモカ(女の子)。その理由のひとつに、毎日欠かさすことのないブラッシングがあると言うのは飼い主の市川明美さんと妹の美由紀さん姉妹(神奈川県川崎市在住)。「市川家の朝は猫も人も洗面所から」とモカは人間よりも先に洗面所にてブラシ待ちするのが日課のようです。身だしなみを整えて1日を始めよう。私の猫背もシュッとするお話です。

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ドイは貢物を用意していた。

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安易な作戦は成功した!

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モカさん、おはようございます!

また、この日のモカの行動から運動量も十分だと感じました。ステップやイスを使い、キャットタワーやテーブル上の寝床にトントンと軽やかに進む姿を目にしたからです。ところで最初の疑問、「なぜテーブルの上に猫ハウスがあるのか?」の答えは犬にありました。モカの後に市川家に加わった狆(チン)の「小町」(14歳・女の子)が、床の上にあった猫ハウス(もちろん猫入り)を踏んで駆け抜けたのです。それがなければ、こうはならなかったのだと振り返る市川さん、それから猫たちの安眠を考え、小町が登れないダイニングテーブルを猫たちとシェアし始めたのです。しかし、犬との同居もモカにとってはいい運動になるのでは? ここまで健康に育った理由をさらに知りたいと思っていると、じつは見えない部分は年相応だそうで......。

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ん? 私のこと? 下の住人、狆の小町。

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猫は上の住人。

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猫は液体。

_03A2290.JPG にゅるっと移動。

_03A2313.JPG より安住の地へ。

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下で荒ぶる小町であった。


フードと健康のこと


シニア猫に多い腎臓病。モカも11歳頃から数値が緩やかに上昇し、獣医の勧めで腎臓用フードを与えるようになりました。現在は「腎臓ケアk/d(ヒルズ)」のウエットフードを1日1缶(156g)、努力目標にしています。それまでのモカはドライフードがメインでしたが、16歳になって「下痢」する頻度が増え、「固形は消化しにくいのかな?」とウエットフードに切り替えたということです。またリンパ腫の可能性もあるかもと高度な二次診療を受けましたが、結局下痢の原因は今でもよくわからないそうで、ひょっとして腎臓の薬が影響しているのかも? と「ラプロス(共立製薬)」の投薬は一旦お休みして経過を見守っています。

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毛繕い中。

_K9A6376.JPG モカは日向ぼっこが大好き。

_K9A6324.JPG とは言え、小町とも良い関係なのです。


いつでも猫たちの健康を第一に


市川家にはもう1匹の猫、スコティッシュフォールドの「むぎ」(推定5歳・女の子)がいます。むぎを迎えた理由として「モカがひとりぼっちになって寂しそうだったから」と。市川家は一時、猫4匹と犬1匹体制でした。しかし、先住の3匹の猫たちが虹の橋を渡って、モカだけになった途端に食欲がグッと落ちるという健康上不安になる出来事が。そんな中、里親募集サイトで出会ったむぎとご縁があり譲りうけることになったのです。(ちなみにモカも里親募集サイトからで、小町は明美さんの元職場の看板犬です)ライバルがいれば食欲も増し、お互いの距離を尊重し合い、たまにむぎが遊びに誘うこともあるという穏やかで良好な関係がいまでも続いているそうで、この選択に間違いはなかったご様子。しかし、むぎには「骨りゅう」というスコティッシュフォールドによく見られる軟骨の遺伝性疾患があるので、今後は要経過観察です。気になることがあったらすぐに動物病院へ行くことはもちろんのこと、年間3〜4回行くという健康診断の回数にも納得です。また「別の意見も聞きたい」とセカンド・サードオピニオンも辞さない市川さんの行動もそうですし、それを掛かり付け医と笑いながら話し合える関係性を築いているのが素敵で、飼い主として頼もしく見えたのでした。

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先代の猫と生後8ヶ月頃のモカ。

_03A2381.JPG ヤングなむぎと遊んでみた。

_03A2410.JPG 荒ぶるむぎ。

_03A2460.JPG モカも参戦。

_03A2468.JPG 荒ぶる淑女!


追伸、下痢おさまる


取材後、市川さんに連絡すると今年の1月にモカは17歳の誕生日を迎えたそうです。また懸念していた下痢の症状もほとんど治ったそうで、ダブルでおめでとうをお伝えしました。下痢は消化器系の療法食「腸内バイオーム(ヒルズ)」に変えたことが奏功したようで、現在はドライフードを与えてもお腹を下すことなく、また腎臓病の薬を復活させても食欲があり、元気に過ごしているとのこと。「まさかフードひとつで改善されるとは!」と目からウロコだったという市川さん。「新しい療法食を試すこと」がまた1ページ、市川家の猫育て術に刻まれるのでした。

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ベランダをパトロール。

_03A2348.JPG これからも守り、守られて。


「猫又トリップ」が書籍になりました。

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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

わ~、更新日来た~! ほんとだ、写真多めですね! やっぱり猫又トリップ、最高!

by りえぴょん 2020-02-05 21:36

モカちゃん、17歳には見えない若々しさですね!ワンちゃんとの暮らしは、猫にとって相当刺激的だと思うのですが、モカちゃんもむぎちゃんも、あまり気にしてない様子。スコティッシュフォールドは、にゃんでもウエルカムなのかしら…。

by さび茶風 2020-02-16 19:08

りえぴょんさん
はい!写真多めで仕上げてみました。

by ケニア・ドイ 2020-02-17 08:21

さび茶風さん
ウチの同じスコが17歳だった時と比べてみると、見た目若々しいです。
スコは穏やかな性格が多い印象なので多頭に向いているのかもですね。

by ケニア・ドイ 2020-02-17 08:24