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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2018年09月05日

元気なご長寿猫になるには?すべてを受け止め、ともに歩んだ幸せのお話。

その子猫はあまりにも状態がひどく、保護したときには安楽死の選択も頭によぎったほどでした。しかし、飼い主さんの献身的な看病のかいもあって徐々に体力を取り戻し、
1歳になる頃には体重5kg近くに。かつて、寄生虫が体内にいたせいで膨らんでいたお腹も、今では愛がたくさん詰まっています。

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鼻息ピキピキ


15年ほど前のある日、実家の向かいにあるお宅の駐車場に突然あらわれた一匹の子猫――。それが白茶のピキ(15歳・女の子)でした。母猫とはぐれたのでしょうか。「ピャーピャー」と慌て鳴き叫ぶその姿に「あまりにも可愛そうだ」と保護を決めたのが飼い主の馬場智恵子さんです。この頃の智恵子さんは、実家で家族と当時3歳だった猫のチェリー(女の子)と一緒に暮らしていました。猫との生活は当たり前だったので、突然現れた生後2ヶ月のピキの保護に躊躇することはなかったそうです。
その時ピキは猫風邪を引いていたようで、まぶたは目ヤニで塞がり、鼻が詰まって呼吸も苦しそうでした。そして、息をするたびに「ピキピキー」と音が鳴ることから名前は「ピキ」に決定。保護した当初は毎日動物病院に通いました。痩せてガリガリなのにお腹がポッコリ膨らんでいたピキ。原因は寄生虫でした。栄養状態も悪く、「とにかく食べさせなければ!」と懸命に食事を与えた結果、今度はすっかり食いしん坊の猫に。生きるか死ぬかの狭間からぽっちゃり猫になってしまうというのはよく聞く話です。子猫の頃に食べられなかった反動や防衛本能なんでしょうね。

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いらっしゃいませーとは表現しがたい不審なお顔「誰にゃ?」

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まあまあ、智恵子さんの腕の中で落ち着いてくださいな

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そして、ゴロゴロ音がこちらにも到達♪




相性の良し悪し


実家で暮らすチェリーとピキの2匹は相性が悪く、顔を合わせればケンカをする始末。そのため1Fに先住猫のチェリー、2Fの智恵子さんの部屋にピキ、と家庭内の住み分けがされていました。そして、今年4月に智恵子さんは実家を離れ、一人暮らしを始めることになったのですが、ピキと離れることは考えていませんでした。ピキは、小さい頃から智恵子さんにベッタリでお母さんにも懐かなかったのです。
新居はペットの飼育が可能なシェアハウスに決めました。取材をしたこの日も他のお部屋から猫の鳴き声が......。共同のリビングでは住人同士の猫が鉢合わせすることもあるそうです。ピキは先住の猫と相性が悪かった過去があったので、最初は緊張した智恵子さん。でも、いざ他の猫と出会ってみると割と友好的な態度で接するピキの新たな姿に拍子抜け。チェリーとはあんなにもめていたのに......。
智恵子さんは言います。元々チェリーもピキも、どちらかが悪いわけではなかったのです。特にチェリーは頭が良くとてもいい子。やりたい放題の幼いピキみたいに思いっきり甘えることができないから、つい手が出てしまったり......。これまでの一人っ子の平和な生活が突然乱れたのだから仕方ないのかもしれませんが、たぶん嫉妬もあったのでしょう。そして、ピキはピキでまともに反撃できないから後ろからパンチ。怒りの悪循環です。智恵子さんは、年を取ったチェリーが落ち着いてトイレに行けなくなった頃から、お互いのために2匹を離すことを考え始めたのだそうです。
でも、チェリーとピキの関係には心温まるエピソードも。新入りが来てもチェリーも変わらず大事なんだということを示すために、智恵子さんはチェリーだけに缶詰を与えていたのですが、ある日「少しだけピキにあげて」と言ったら、ピタッと食べるのをやめてその場を離れたのだとか。まるで智恵子さんの言っていることを理解しているように......。
チェリーとピキ。お互い性格が正反対なだけで、思いやる気持ちはちゃんとあったんですね。ちなみにチェリーは今、実家のお母さんに思いっきり甘えて幸せに暮らしているそうです。

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ちょっとソワソワ

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シェアハウスの共同リビングにて

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ここはお外が見られていいねー

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キャットタワー完備!

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背後にはキャットウォークも!




温活のススメ!


14年過ごした実家を離れ、引っ越して来て1週間は落ち着かなかったというピキ。そのストレスもあるのかも知れません。ちょうど1カ月前、おしっこをするときに痛そうに鳴いていたのを不審に思い、すぐに動物病院へ連れて行きました。今まで大病はなかったピキですが、膀胱炎に掛かっていたのです。でも、引っ越した先でもフィーリングの合う動物病院がすぐに見つかり、膀胱炎は抗生剤で完治。水をよく飲ませるようにと獣医からお達しがあり、冬によく実践していた「お湯」を与えてみました。ピキは冷たい水よりも暖かいお湯を好むのです。でも、お湯と言っても水道の蛇口からなので温度はせいぜい40度前後。火傷の心配もありません。なるほど!人間にも白湯を飲む文化がありますよね。
体を温めることで期待できる効果は内臓機能の向上、血液循環や免疫力の向上、便通の改善などがあります。これはピキには効果てきめんだったようで、それから夏の暑い日でも朝晩の「温活」は続いているそうです。ちなみに血液検査では腎臓機能の低下は見られませんでした。ただ体重はもう少し落とすようにということで現在ダイエット中だそうです。

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階段にて

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ちょっとストップ!振り返って!!

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なんてキュートな猫なんでしょう!




ご飯について


食べたいだけフードを与えていた時期は6kgに迫る勢いでしたが、現在ピキの体重は4.8kg。1日の食事量は40~50gと抑え気味です。主食はドライフードで、これから衰えるであろう腎臓と関節に良さそうな「優しく腎臓の健康をサポート11歳以上チキン味」(ピュリナ)を選択。さらにウエットフードも副食として与えています。



老いていくことから目を逸らさない


ピキにフードの好き嫌いがないのも愛猫のお食事にお悩みの飼い主さんたちからすると羨ましいかぎりです。食いしん坊に育て上げた恩恵ですね。ただ唯一苦手なものと言っていいのは、口内ケアの液体の味。智恵子さんは、実家猫のチェリーの前に飼っていた猫が歯を悪くした経験があったので、おやつも歯磨き専用スナック「グリニーズ」を与えるなど、ピキの口内にも気を配っていました。実は、智恵子さんは動物看護師の資格を目指し、本を読みあさった時期がありました。中でも獣医師が執筆した本にあった経験談などが役に立ったそうです。そんな智恵子さんの勉強と過去の経験が活かされ、ピキは智恵子さんとともに毎日をイキイキと過ごしています。

ピキと智恵子さんは、お互いになくてはならない存在。20歳越えを目指して最近はピキの運動不足解消法を模索中です。老いていくことをから目を逸らさずにしっかりと準備することがご長寿猫への道なのだと、今回の取材で智恵子さんから教えていただきました。

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ステップを使ってロフトへ

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あとは寝るだけ

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準備完了!




「猫又トリップ」が書籍になりました。

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ご長寿猫がくれた、しあわせな日々

15歳以上のご長寿猫と、その家族が奏でる28の物語をお届けします。

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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

ピキちゃん、目力ありますね!ちょっと太めゆえなのかの仁王立ちのキメポーズも可愛いです。
ダイエットして長生きしてね!

by いずみん 2018-09-05 11:54

いずみんさん
目力があるように感じるのは私を警戒していたからかも!?
智恵子さんにべったりなピキさんなのでした。

by ケニア・ドイ 2018-09-05 15:09