[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださった佐緒利さんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。

リン、オス、７歳の猫です。
一緒に暮らして７年、猫と私のふたり暮らしです。
リンは暴れたり困らせたりすることがなく、
とても飼いやすい猫です。
いつも私を見守ってくれているように感じています。

リン君との出会いは佐緒利さんがうつ病で休職中の頃。
毎日のお散歩コースに立ち寄るペットショップで売られていた、生後2～3か月のアビシニアンの男の子がリン君でした。
なぜかリン君だけ格安になっていたので、ちょっと気になっていた佐緒利さん。
ある日、いつものようにペットショップに行くとリン君がいません。
貰われてしまったのかと思い店員さんに尋ねてみると、「バックヤードにいるので連れてきますね」と言ってリン君を連れてきてくれました。そして、そのまま佐緒利さんに手渡されたリン君。
抱っこしたとたん、「この子もらいます」とまるで当然のように、佐緒利さんの口から言葉が出たそうです。

佐緒利さんにとってリン君は人生初のペットなので、お勉強と準備のためにお迎えは1週間後にしてもらいました。
1週間後に準備万端で行くとなぜか鼻血を出していたリン君。
ペットショップの店員さんにどうしたのか尋ねると、「大丈夫ですよ、よくあることですから。」と言われました。今なら鼻血を出すことは普通ではないと分かるのですが、人生初の猫だったので佐緒利さんはそれほど疑問には思わず連れて帰りました。

後日、動物病院へ行くと鼻血は猫風邪が原因では？と言われ、格安で売られていた理由はそこにあったのではないかと納得しました。
鼻血が出たのはお迎え当初だけ。それ以降は風邪も病気もなくリン君は健康そのものです。



リン君との同居生活がスタートすると佐緒利さんのうつ病は徐々に治り、職場復帰できるほどになりました。
そして、本当に自分がしたかったことを始めることができ独立開業に至ったのです。

「すべてリンのおかげ、わたしの福猫なんです。リンはいつも寄り添って、わたしを尊重してくれている気がします。リンが来て3回引っ越しましたが、いつも嫌がらずについて来てくれて新居にもすぐに馴染みました。わたしはこんなに自由にさせてもらっているけど、リンはしあわせに思ってくれているのか気になるんです。」



佐緒利さんにお話を伺っている間、なんだかそわそわしているリン君。
何度か目を合わせようとしましたが、リン君は明らかに目を合わせないようにしています。
猫部スタッフさんには擦り寄って丁寧にあいさつをしているのですが......。

リン君のもとへ行ってお話を試みますが、やはり逃げられてしまいます。
どうやら、佐緒利さんに対する気持ちをあらたまって打ち明けることが恥ずかしいようです。
何度かお話を試みるうちにリン君はようやく逃げることを諦め、お話をする心構えになりました。

「佐緒利さんがね、あなたがしあわせかどうかを気にしておられるんだけど」と伝えると、
「伝わってると思うけど」とぶっきらぼうに一言。



そうなんです、佐緒利さん。
実はお部屋に入ってリン君が現れたとたん、恋のような愛のような気持ちを感じました。
そして、居れば居るほど私が佐緒利さんとリン君の愛の巣のおじゃま虫のような気がして、なんだかそわそわしてしまうのです。

ここは二人だけの甘露な空間。
青年が恋をした相手にすべてを捧げ、彼女はそれを全身で受け取る。
濃厚な愛、濃密な愛とでも言いましょうか。　

こんな気持ちでいると、リン君が話し始めてくれました。
「ここに居ることに意味があるんだ。ほら、いろんな形の愛があるだろ？これが、ぼくたちの愛。」

若い青年の恋心、愛の言葉にしばらくうっとり浸ってしまいましたが、佐緒利さんへのメッセージを聞く大事なお役目を忘れてはいけません。
「特に伝えたいことは無いけどただ一つ言うなら、受け入れてくれてありがとうかな」

しばらく間があいて、「ぼくは尽くすよ」とリン君。

静かで情熱的な愛の言葉。
リン君の愛が眩しすぎて、まっすぐ見ることができません。
相思相愛を強く感じて私まで恋をしているような錯覚に......。思わず青春時代を思い出しました。

しあわせという言葉がちっぽけに感じるほどの満たされた二人の関係。
満ちた愛。

これ以上あれこれ聞くのは野暮です。
佐緒利さんが気にしておられるリン君のしあわせについては、何の心配もいりません。
ここにあるのはしあわせ以上。最上級の愛です。

取材を終え佐緒利さん宅を後にしても、しばらく恋に落ちた時のぽーっとした感覚は続きました。
なかなかこんな感覚や気持ちは経験できません。

佐緒利さん、リン君、愛のおすそ分けをありがとうございました。



佐緒利さんから後日談をいただきました。

後日談としては、なんというか
大きな変化はないのですが
ますますお互いの信頼関係が深まったのか
ますます自由になっています。
リンは、甘えたい時に甘えてくるし
離れていたい時は離れていて
それでも安心感に包まれています。
リンからの大きな大きな愛を感じています。
本当にありがとうございました。

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