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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2015年10月14日

必要な人に必要な猫

インターネットの里親募集サイトを見て、東京都内の譲渡会場へ足を運んだ田岡恵さん。お目当ては「おばあちゃん猫」だったのですが......。

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予定外の多頭飼い


ロシアンブルーのターニャは推定15歳の女の子。譲渡会場で出会ったときターニャはすでに9歳の成猫でした。飼い主の田岡さんは猫を家族に迎え入れようと考えはじめたとき、子猫ではなく「成猫」を迎え入れたいと思っていました。それはずばり「じぶんができているような気がする」からと。実際にそれまでの生活スタイルを崩すことなくスムースに猫生活がスタート、猫飼い経験値の高い田岡さんの推測通り成猫は飼いやすいものでした。しかし、予定と違ったのは2匹の猫を同時に受け入れたことです。

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そもそも譲渡会には「おばあちゃん猫」を見に行った田岡さん。お目当ての猫を前にお話を伺うと「人を怖がる猫なのでまずはケージに入れて様子を見てあげてください」と懇願する保護主さん。すぐにベタベタしたい派の田岡さんは考え込んでしまいました。「縁がなかったのかなぁ」と少し気持ちが離れ、ふと隣のケージに視線を送ります。そこにいたのがターニャと一緒に迎え入れた三毛猫「風花」(ふうか・15歳没)でした。風花は人間が大好きで、しかも見た目は田岡さんのもろタイプ!そのまた隣のケージにいたのがロシアンブルーのターニャで「ドキッ!キレイ!」エメラルドグリーンの瞳に吸い込まれてしまう!田岡さんの揺れる気持ちを見逃さなかった保護主さんはこんな言葉を投げかけます。「2匹一緒にどうですか?」

猫との出会いは、いつも必然。これには仕事でマネジメントを専門とする田岡さんも抗うことは出来なかったよう。猫という生き物は本当に不思議ですねぇ。

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ターニャが立った!

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本当は甘えん坊だったターニャ


こうして風花とターニャと田岡さんの新生活ははじまるのです。11歳の風花はすぐに家に慣れ田岡さんのベタベタ欲はすぐ満たされることに。一方、9歳のターニャは慎重でした。物かげに隠れては飼い主の様子を伺い、自分が「大丈夫」と判断するまでに1週間を要したといいます。おそらく出てきたタイミングの遅れも影響しているのでしょう、感情表現は控えめでどこか遠慮がちな猫でしたが、風花が亡くなってから一転、べったりと甘えてくるように。動けば一緒についてくる、長時間の抱っこだって出来るようになったといいます。環境が変われば猫も変わる。本当は甘えん坊のターニャだったのです。

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ゴロゴロ♪

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飼い主の田岡さんとターニャ。



食事について


ターニャはカリカリよりもウエットフードが好き。好きなフレーバーは「カツオ」「ホタテ」「チキン」でどれもシニア猫用のものを与えています。
カリカリは年齢を考慮して腎臓ケア用のものと、それだけでは飽きるので市販のシニア猫用のものを交互に。カリカリ3種類、ウエット4種類を常時揃え、人間の食べ物は与えない(はい!ここ重要!)というのが田岡さん流。食事回数は朝晩の2回、現体重は2.7kg。「軽っ!」と思いきや最大3.5kgだというからロシアンブルーの女の子としては標準なのかな。15歳になったいまでもよく寝て、(休憩時間をはさむ時間が多くなったとはいいますが)よく遊ぶ姿を私にも見せてくれました。

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じゃらしを捕まえどや顔です。


学びの多い猫生活


一人暮らしをはじめ、ターニャたちに出会い、さわり癒され心満たされた生活の中で「人にやさしくなった」という変化に気づく田岡さん。具体的には人に対して以前より「のんびり」待てるようなったのだとか。猫に与えるよりも人間の方が与えられる。寛容さや辛抱強さを手に、学ぶことの方が多いと語りました。

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ターニャさん、いやっターニャせんせい!

「じぶんができている」成猫からじぶんを良い方向へ運んでくれる、人間形成のファシリテーターとしてターニャは今ここにいるのかも知れません。必要な人に必要な猫。だから歩みはとめません。これがご長寿の秘密かな。

思えば一番遠くのケージから見ていた猫が、じつは彼女の一番近くにいたというお話。猫又トリップ、それではまた次回。


【ケニア・ドイによるすごい写真館のお知らせ】※予約制

2015年10月17日(土)・18日(日)開催の「&PETS Marche in ISETAN」内でペット写真館をオープンします。この機会に愛犬・愛猫とご一緒に家族写真を撮影しませんかー?

会場:伊勢丹新宿店 イセタンウエスト2
主催:&PETS Marche実行委員会 http://www.andpets.jp
イベントFacebookページ
https://www.facebook.com/events/1692814474283942/

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※クリックするとチラシのPDFが開きます。




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ケニア・ドイ ファースト写真集『 ぽちゃ猫 ワンダー 』(河出書房新社)好評発売中


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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

「与えるよりも、与えられる方が多い」 これは、真理です。私にも良く分かります。 この方が、こよなく猫さんを愛しているのが伝わりました

by ヌイ 2015-10-14 18:03

猫生活に学びが多いというのはとても共感できます。

by ぶるっくりん 2015-10-19 11:51

ヌイさん
私も飼い猫を見習って、頑張ろう!と思う今日この頃です。

by ケニア・ドイ 2015-10-22 08:26

ぶるっくりんさん
田岡先生より先生なターニャさん。
学びは多いですよね。
ちなみに私は猫がいるから頑張れるというシンプルな生き方です。

by ケニア・ドイ 2015-10-22 08:35

「必要な人に 必要な猫」深く納得です。
私も、保護猫里親会で運命の出会いをして、現在7歳のオジサン猫と暮らしてます。
彼から学ぶこと、思うことたくさんです。生活が豊かになり、私に必要だったんだな、と実感してます。

いつも、サイト見てます!
素敵な写真たのしみです。

by みゃおすけ 2015-11-14 14:13

みゃおすけさん
いつもありがとうございます。里親会でたくさんの中から選ぶ、選べるということは、やはり運命の出会いなんだと私も思います。

by ケニア・ドイ 2015-11-21 08:56