いらっしゃい!「すずき蓮根農園 れんこん直売所」にようこそ。
ボクは「ちゃまる」だよ。
今日は美味しいれんこんを買いに来たの?
ついでにボクに会いに来たんでしょ。
今日もね、朝9時開店の前に恵実母さんと一緒に出勤してきたんだ。
それで、店裏のパトロールをして、事務机の上にあるマイベッドで休憩していたとこ。
そろそろ2回目のパトロールに行かなきゃ。
誠治父さんが、この農園の代表をやってるの。
父さんは去年の野菜ソムリエサミットで金賞を受賞したんだ。冷凍のれんこん餃子では、日本全国ご当地冷凍食品大賞の金賞も貰ったんだよ。つまり、美味しいれんこん作りに日々精進するれんこん愛の塊のような人。
ボクは、その直売所の看板猫なんだ。えっへん。
これが ボクの母さん。
どこにいても、母さんに「ちゃまる~」って呼ばれると一目散に駆け戻るボクを「犬みたいね」って母さんは笑う。
だって、2年半前、ガリガリでうす汚れてここに迷い込んできたとき、父さんと母さんにボクは命を助けてもらったんだ。
3月だから、まだ寒かった。
おまけに腹ペコで、行くとこなかった。
そんなボクを見て、恵実母さんはすぐに家までボクのご飯をとりに行ってくれたんだ。
夢中で食べたよ。
お風呂に入れてもらって、病院へも連れて行ってもらったの。
「1歳くらいかな」とお医者さんは言ったよ。
ところどころ毛もハゲていて、結膜炎やらいろいろあったボク。
猫のおもちゃの遊び方もわからなかった。だって放浪生活では食べ物のことで頭がいっぱいだったんだ。
蓮の花が咲く7月頃には、すっかり家猫らしくなってきたよ。
蓮の葉もよく似合う猫になったの。
花が咲いた後の蓮の実も似合うでしょ。
ボクんちの農園は、有機微生物群を活発に働かせた健康な土で、美味しくみずみずしいれんこんを育ててるから、お店にお客さんが途絶えることなく来てくれるの。
で、「ちゃまるくん、いますか~」って楽しみに来てくれるお客さんも多いわけ。
おとなから子どもまでボクのファンは多くて、看板猫としてはゴロンゴロンしてファンサービスに張り切っちゃう。おやつやお中元まで持ってきてくれるおなじみさんもいるの。
今日もね、ちょっと遠くの町から、いつものお姉ちゃんと弟がボクに会いに来てくれたよ。いっぱい撫でてもらってうれしかったな。
ペット連れのお客さんも多くて、ワンちゃんが来てもウサギさんが来ても、フレンドリーに対応するボク。
この前、ダチョウさんが来たときはちょっとびっくりしたけど。
夏の新れんこんが終わって、11月からはいよいよれんこんの収穫ピークになるよ。
れんこん畑の枯れた風景もまた風情があるから、茨城に来たときはぜひ土浦に寄ってね。
父さんたちのめざすのは「立ち寄って笑顔になるアットホームな場所」づくりなんだ。
そんな直売所スタッフの一員として、ボクも元気でがんばるよ!
ガリガリだったボクも今では、まるっと6.5キロになったし。
あっ、おいしそうなれんこん体型だねなんて言ってる人はだあれ?
※すずき蓮根農園 れんこん直売所
茨城県土浦市田村町708
9:00~16:00 火曜日定休
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道ばた猫日記ライター紹介
佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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