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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2026年10月20日

しあわせになったよ!

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ピアノ鍵盤の上に飛び乗り、甘えた声でママに話しかけているのは、カイ(海)くん。 カイくんのママは、ピアニストです。

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「カイはとってもおしゃべりなんです」
そのうち、カイくんはママのピアノに合わせて歌い出しちゃうかも。
「フウ(風)の方は、ちょっと人見知りで用心深いですね」

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そのフウちゃんは、廊下のすみっこからまん丸お目々で知らないお客の様子見でしたが、パパが抱っこしてくれました。

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「あたし、パパっ子なの」

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推定4月生まれのカイとフウは、山道で3兄妹で保護されました。
その時のいきさつはコチラ → 道ばた猫日記20260616「山道を転がり下りてきた3兄妹」

5月末、カラスの餌食になる寸前を農家の尚子さんに救われた3兄妹。春からの保護猫ラッシュで怒涛の日々だった尚子さんに「譲渡先が決まるまで私たちで預かりましょう」と声をかけてくれたのは、離れた町で保護譲渡活動を続けるグループMaile(マイレ)の方たちでした。自分たちも、保護猫でいっぱいいっぱいというのに。
そして、3兄妹は、その目や毛の色から「そら、きなり、にび」と名付けられ、厚子さんの家で、ご家族の愛情を注がれて譲渡先を探すことに。先住猫さんたちには「家猫としての心得やマナー」をしっかり教えてもらったおかげで、愛されるために生まれてきたようなお利口で愛らしい兄妹に成長したのです。

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いよいよ譲渡会に参加する大きさになって、保護主の尚子さん(左)と、預かり主の厚子さん(右)と記念写真を撮った日。
そして、7月。初参加のマイレ譲渡会で、3匹はそれぞれ運命の家族と出会います。
きなりくんのお話はコチラ → 20260915道ばた猫日記「きなりさんの家族」

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そらくんとにびちゃんの家族との出会いもドラマチックでした。
その日、少し離れた町から譲渡会を見学に来て、3兄妹のケージの前で足を止めたのは「いずれ猫を迎えようという気持ちはあったけれど、すぐにとは全く思ってなかった」というご夫婦でした。
迎えるときは女の子かなとおふたりは思っていたそうですが、ちょっと猫じゃらしで遊んであげたそらくんにやたらなつかれて、口元が緩みっぱなしの旦那さま。
兄弟仲の良い様子に、迎えるならば兄妹の方がいいのかと夫妻の心は揺れ動きました。
トライアルを始めるかどうか、家でよく相談しますということに。
譲渡会の5日後には厚子さんの家にご夫婦で出向いて、そらくんたちの日ごろの暮らしぶりや性格を見ながらのお見合い。
猫を飼ったことのない旦那さまに対し、猫を飼ったことのある奥さまはとても慎重でした。
「命を迎えて、その一生に責任を持つということは、簡単なことじゃない。ふたりで何度も何度も話し合いました。泣きながら話し合った夜もあります」と、奥さま。
トライアルを開始して、ふたりが出した結論は、「そらくんとにびちゃんの兄妹を家族にします」

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「そうなの。パパもママも厚子ママも、ボクたちのしあわせのこと、じっくり時間をかけて一生懸命考えてくれたんだ! だから厚子ママも尚子ママも100パーセント安心して送り出したの」

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厚子さんにはこんな思いもあったと言います。
「あの子たちは、尚子さんが必死な思いで救い、私たちに託してくれた大切な命。バトンを受け取ったからには、絶対にしあわせになってもらわなければという思いが強かったかもしれません」

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そんな思いを繋いでもらって、なんと幸せな子たちでしょうか。

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譲渡会場で最初に仲良くなったのは、そらくん改めカイくんとパパでしたが、目下パパのお膝ひとり占めなのは、にびちゃん改めフウちゃん。パパは在宅でお仕事をする日も多く、パソコン仕事のときもリモート会議のときも、フウちゃんはお膝の上でお利口にしているそうです。
この取材の日、厚子さんも同行してくださったのですが、最初っからフレンドリーなカイくんに比べ、フウちゃんは廊下のすみっこや階段下に隠れがちでした。が、気がつくと、フウちゃんがいつのまにか厚子さんの背後に!
抱っこされて、ちょっぴり恥ずかしそうに厚子ママを見上げるフウちゃん。

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この光景を見て、私は確信しました。
猫たちは、しっかりと「愛された記憶」を体の奥深くに持っているのだと。それが、新しい環境でも安心してすくすく育っていく礎になるのだと。
これからは、尚子ママと厚子ママに大事にされた記憶の上に、パパとママの愛情がたっぷりと上塗りされていきます。

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パパが言います。
「猫って、もっとほっとかれるのが好きで、勝手な生き物と思っていました。こんなにしゃべり、甘え、寄り添う生き物だったとは(笑)」
ママが言います。
「ふたり共通の大事な存在というものができて、より一層よく笑いよくしゃべり、夫婦の絆が深まった気がします。兄妹で迎えてほんとうによかった」
末永くお幸せに!!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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