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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2026年10月06日

建具屋のももちゃん

ももちゃんが建具屋さんの猫になって、10カ月ちょっとがたちました。
「えー、そんなもんですか。何年も一緒にいる気がしてました」と、建具屋さんは言います。
それはももちゃんがすっかりここになじんでいる証拠ですよね。

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おうちの子になりたくて、農家さんの玄関先でニワトリに混じってお行儀よく座っていたももちゃん。
推定年齢はいま2歳半くらい。鈴を張ったような瞳は、いつも面白いことを探してますますイキイキと。
ももちゃんがやってきたばかりの時の記事はコチラ → 2026/01/06「ももちゃんのお正月」

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ももちゃんの一日は、朝6時半にお父さんを起こすことから始まります。
夜が遅くてなかなか起きないお父さんの頭をポカリと叩きます。ポカリポカリ。
それでも起きないときは、布団からはみ出しているお父さんの脚を探して噛みつきます。
「ちょっと早いので、最初の頃は頭から布団をかぶって抵抗したものです。が、最近は早起きは健康にもいいので、ももに起こされたら起きるのが日課になりました」と、甘々のお父さん。ももちゃん、いい仕事しています。お腹がすいて起こしているのですけどね。

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おばあちゃん(お父さんのお母さん)は、毎朝炊きたてのご飯をまず、仏壇に供えます。
いつの頃からか、そのご飯が減っているような気がしていました。

ある日、おばあちゃんは目撃します。仏壇の炊きたてご飯をももちゃんがおいしそうに食べているのを。
「ももだったのかー」と、なぜかおばあちゃんのお咎めはなしでした。猫嫌いだったおばあちゃんなのに。

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お父さんが自宅作業場で仕事をするときは、ももちゃんもよくついていきます。

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大きな紙を広げたり木材を切ったりするので、最初、お父さんは邪魔されると危ないと思っていたそうですが、そんな心配は皆無でした。

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仕事の邪魔にならないよう、ももちゃんは好き勝手に広い作業場を探検して満足そうです。

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仕事が一段落したときには、お父さんに遊んでもらうももちゃん。

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離れた場所から、現場監督よろしくお父さんの仕事のはかどり具合をじっと見ていることもあるそうです。

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お父さんが外の現場に出かけてしまった日は、一階の事務所まで下りて行って、マッサージチェアでテレビを見ている店番のおばあちゃんの足元にくつろぎ、チョイチョイと足先をおもちゃにして遊びます。
「ももや」「ももや」とおばあちゃんは話しかけるので、ももちゃんは自分の名前が「もも」と「ももや」の二つあると思っているかもしれません。
夕方になってお父さんが仕事先から帰ってくると、ももちゃんは2階からすぐにその音を聞きつけていそいそと階段の途中までお出迎え。尻尾をピンと立てて階段を先導します。
大急ぎで先に行って隠れていることもあります。

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留守番中、ももちゃんが退屈しないよう「好きなように探検しなさい」と、お父さんは全室、ももちゃん分だけ開けてあるのです。

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広いおうちのかくれんぼがももちゃんは大好きです。
「僕が家にいるときは、完全に僕のストーカーしてます」と、ちょっとうれしそうなお父さん。
トイレにもお風呂にもついてきます。そして先回りして物陰に隠れて、飛びついて足を甘噛み。
このところ、朝夕はちょっと寒くなったので、ももちゃんがあぐらの上に乗ってくることが多くなりました。ふたりでいっしょに夜のテレビを見ます。
お父さんは、夜に設計図を描くなどの仕事をすることもあります。図面を広げるので、何人たりとも出入り禁止なのですが、ももちゃんはそこへもスルリと入り込んで、「遊ぼ」と誘います。

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肌寒くなってきたので、寝るときは肌布団に潜り込んでくるように。
「潜り込む前に、必ず布団の上からモミモミするんです。けっこう力強いので、いいマッサージになります。あ、そこそこ、なんて(笑)」
夜中におばあちゃんがトイレに起きてくるときは、またもや物陰に潜んで、トイレから出てくるおばあちゃんの脚に飛びついておどかして逃げる、「可愛いは無敵」のちょいワルももちゃんなのでした。
「ももや」「ももや」と呼んでくれるおばあちゃんがももちゃんは大好きなのです。

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一階玄関に通じる廊下には、脱走防止の柵が設けられています。
この前、開いている玄関のそばまでももちゃんがついてきてしまったことがあり、お父さんをヒヤリとさせましたが、ももちゃん、お外には何の関心も示さなかったそうです。
おうちの子になりたくてたまらなかったももちゃんですし、万が一自分がいなくなったらきっとお父さんはボロボロ大泣きながら探し回ることをよく知っているももちゃんなのです。
仲間の農家さんから「玄関先から動かない猫がいるけど、うちでは飼えない」との話を聞き、保護譲渡した農家の尚子さんはしみじみ言います。
「ももちゃんにとって、こんなにドンピシャリのおうちってある?」
ももちゃん、これからもこの調子で、お父さんやおばあちゃんと仲良く楽しく暮らしてね!

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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