ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2021年10月21日

「動物ノート」さまの活動レポート(2020年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所: 静岡県東部 及び 伊豆半島南西部

●殺処分ゼロに向けた取り組み
doubutu-note-20210101-4.jpg
写真:以前から取り組んできた岬のある周辺。猫が沢山いることで有名な民家二軒を3度にわたってTNRした。繋がった現場を、ほぼ100パーセントの手術率で管理する事により、着実な飼い主のいない猫減少に繋がる。猫がいるから捨てられるという、負の連鎖から抜け出せるよう、しっかり見守りながらフォローしていきたい。

長年続けてきた活動成果が、殺処分数ゼロに近づいたことにより実証されてきたのは嬉しいことだが、まだまだ多くの難しい現場が存在することは確かである。
どの市町においてもTNRはもちろん、地域猫活動に移行することにより、猫苦情も減らしていく取り組みを完結できる現場はまだまだ少ない。したがって、この12年以上、懸命にTNRに取り組んできた成果は見えて来ていても、維持する事が難しいのは、ピンポイントの活動になっているからに他ならない。
近頃は当会で取り組んできた活動場所を、通常のフォローに加えて、点ではなく面で繋げることで着実な成果に結びつくよう努力している。

《M町 集中TNR》
doubutu-note-20210101-1.jpg
写真:町内の餌やり場の一つ。玄関先に猫小屋などもあるが、この家の住民は残飯や牛乳などを少量給餌しているだけ。可哀想に思った他者複数がバラバラに餌やりに訪れる為、全ての餌やりにコンタクトを取ることが本当に難しかった。

doubutu-note-20210101-2.jpg
写真:成猫・幼猫が年間を通じ、常に混在している為、何度かに分けて捕獲に入った

当会の基調活動である千本松原に隣接し、昔から猫が多いと言われていたM町。以前から細かな相談はあったが、餌やり当人の相談ではなく、近隣の苦情のみだった為、優先順位の低い取り組み場所だった。しかしながら、この夏から秋にかけて個人ボランティアからの相談、地域住民からの苦情・更に行政が動いたこともあり、本格的な取り組みとなった。
広いエリアの中に何軒もの餌やりが存在し、生活保護や認知症の方もおり、まずは地域調査と餌やりへの交渉に十分時間を費やした。また、告知チラシやポスターなどにより、複数の餌やりとコンタクトを取り、協力者も得たが、およそ把握のできない猫の数や種類に関して、調査捕獲しながらの取り組みとなった。通常、当会のやり方としては、捕獲漏れがないようにする為、数日で徹底した捕獲をするのだが、まだ幼少の個体も混在していた為、また猫の確認が餌やり本人も出来ない為、数回に分けて取り組むという何とも効率の悪いやり方。しかしながら、追加調査しながら結果34匹(うち2匹は譲渡)の手術を終えた。特筆すべきはメスの割合が高く、何と7割にあたる24匹がメスだった。自治会内の協力者ともしっかりとしたパイプが出来たため、募金箱の設置を含む情報の共有も出来、今後の見守りの地盤も出来た。絶対に増やさないという目的で、自治会と共に今後ともフォローしながら見守っていきたい。

《長年取り組みの出来なかったI市の現場》
年間取り組み頭数400匹近い中でも、TNR数がメス3匹オス2匹という少ない数ながら、これほど苦労した現場はない。10年ほど前、近隣住民からの「産まれては死んでいて可哀想」「糞尿の被害が酷い」と寄せられた苦情に基づき、餌やりと思われる現場にコンタクトを取ったが、頑なに手術を拒んでいた。
その後、別のボランティア達が何度も介入しようとしたが全て玉砕。取り組みはほぼ不可能かとも思えたが、思わぬ所からチャンスを得た。そこに住む家族は猫好きながら、外部から通ってくる餌やりに感化されて「猫は手術すると死ぬ」と思い込まされていたと判明。時間をかけて話し合い、半年以上かけて説得することに成功。通ってくる餌やりをかわしながらのTNRだった為、たった5匹の捕獲のために深夜に及ぶ現場に何度も足を運んで、やっと5匹の捕獲に成功。手術の終えた猫が、健康状態も良いため、本人達も喜んでくれている。どんな現場であっても、もともと猫好き同士、しっかり時間をかければ報われると実感した案件であった。
因みに、ここにボスとして君臨していたオス猫はエイズだった。何度産まれても交通事情が悪いせいで生き残れないと思われていたが、更に病気の結果でもあったと判明。こういう現場こそ、数多くの猫達が死んでいる現場に他ならない。見かけの頭数が少なくても、取り組まなければならない現場はまだ数多く存在するのだと感じさせられる経験であった。


<ご支援くださっているみなさまへ>

日頃は当会へのご支援、本当にありがとうございます。この数年は取り組み数が年間400匹程度で推移してきましたが、このところは行政や他団体の支援など、難しい現場を依頼されることが多く、時間やお金のかかる現場が増えてきました。またコロナの影響で、事務局のある沼津市も、十年ぶりともなる
助成金の補正が出来ないと言う事態で、12月初めからは実費の捕獲となってしまっています。更にそうなってから、行政からの多頭現場を振られ、年が明けてから忙しく現場廻りをしています。これから年度末に向かって、以前より協働している、伊豆南西部の現場も目白押しで、決まっているだけでも20匹2カ所、30匹以上の現場も予定されています。20匹の現場1カ所は自治会取り組みの為、資金の目途も立っていますが、それ以外は助成金の無い中でのほぼ当会の実費となります。
近年、難しい現場での資金繰りに苦労はしてきましたが、このところのコロナの影響は大きく、社会での経済的な破綻は、そのまま猫問題に関係してくると思うと、本当に先行き不安な時代になってきたと思われます。
そんな中にあって、コロナ終息になったとしても猫問題が後退してしまうのであれば、この十数年の苦労が水の泡です。こんな時だからこそ、しっかりした取り組みをよりいっそう進めて行かなければならないと、気の引き締まる思いです。
今後も皆様のご支援をもって当会の活動をお見守り頂きたく、引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。

doubutu-note-20210101-3.jpg
写真:助成金が無くなってからの難しい現場の一つ。通常の住宅地とは離れた、ぽつんと一軒家。障害者世帯で餌やりも不十分なため、M町と同様、ほとんどの餌は通ってくる複数の餌やりによる。時間も感覚もデタラメな餌やりを繋げ、協力し合いながらのTNRとなった。結果、健康状態の良くない猫もいたが、餌やりが連携を取りながら、上手く御世話する体制が整った。




「動物ノート」
http://www.doubutu-note.jp/.
  • ツイート
  • いいね!